白夜と極夜の違い!起こる仕組みと場所(国)は?時期や影響も!
例年、6月の夏至や12月の冬至の頃に耳にすることの多い「白夜」と「極夜」。
ただ、それぞれの意味や違いを完全に理解している人は意外と少ないのかもしれません。
まず白夜と極夜が起こる仕組みや場所(国)を知れば、比較的覚えやすいと思います。
また、両者が起こる時期の他、自然や人々にもたらす影響なども確認しておきたいですね!
そこで今回は、白夜と極夜の違い!起こる仕組みと場所(国)は?時期や影響も!というテーマで詳しくご紹介します。
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白夜と極夜の違い!
極夜と白夜の違いは、起こる現象と地域、季節が真逆になっている点です。
どちらも太陽光が大きく関与していますが、まずそれぞれの意味を理解しておきましょう!
白夜(びゃくや・はくや)とは…
- 太陽が1日中沈まない
- 日没後も真っ暗にならない
- 深夜になっても薄明るい
といった現象を呼んでいます。
季節を統一するために北半球に住んでいる私たち日本人から見ると…
- 夏至を中心とした夏の北極圏付近
- 冬至を中心とした冬の南極圏付近
で、ほぼ同時に起こります。
一方、極夜(きょくや)とは…
- 1日中太陽が沈んだままの状態
- 日中でもうす暗い状態が続く
といった現象を呼んでいます。
こちらも北半球に住んでいる私たち日本人から見ると…
- 冬至を中心とした冬の北極圏
- 夏至を中心とした夏の南極圏
で、ほぼ同時に起こります。
百夜と極夜は全く真逆の現象を意味する対義語で、緯度(北緯、南緯)が高い地域ほど「明るさ・暗さの強さ」や「期間」も長くなる傾向があります。
基本的には「太陽が1日中沈まないのが白夜」「太陽が1日中昇らないのが極夜」と覚えておくのもよいでしょう。
では、なぜ白夜や極夜といった現象が起こるのか、その仕組み(メカニズム)を見ていきましょう!
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白夜と極夜が起こる仕組みとは?
白夜と極夜が起こる仕組みには、地球の公転軸に対する地軸の傾きが大きく影響しています。
以下のイラストを見ながら解説してみますね!
地球が自ら1日に1周する自転軸(地軸)は、1年で太陽の周りを公転する公転面に対して垂直ではありません。
公転面からは66.6°、公転面に立てた垂線(公転軸)からは23.4°傾いています。
この傾きがあるからこそ春夏秋冬といった四季が生じていますが…
「暑さ・寒さ」「日の長さ・短さ」といった太陽の影響を受けやすいのは夏と冬なので、夏至の頃を中心に北極圏では白夜、冬至の頃を中心に南極圏では極夜といった現象が起こります。
上記イラストの【夏】の様子を見るとわかりますが…
夏は北半球が太陽の方向に傾くため、北極点を含む北極圏に太陽光が届きやすくなっており、地球が自転しても太陽光が遮られることがありません。(これにより白夜が起きる)
しかし、同時期に南極点を含む南極圏には太陽光が届きにくくなっており、地球が自転しても太陽光が当たらない日が続くこともあります。(これにより極夜が起きる)
約6か月後の冬になると南半球が太陽の方向に傾くため、「南極圏で白夜、北極圏で極夜」という季節的に逆の現象が起こります。
また、季節の節目とされる「二至二分」に含まれる「春分」「秋分」の頃は、地軸の傾きが太陽の方向に傾くことなくフラットな状態なので、白夜や極夜が起こることはありません。
至ってシンプルな仕組み(メカニズム)ですが、地球の公転軸に対する地軸の傾きを理解するだけで疑問を払拭することができますね!
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白夜と極夜が起こる場所(国)は?
次に、白夜と極夜が起こる場所も確認しておきましょう!
主に北極圏と南極圏の地域ですが、国がわかっていれば旅行して体験することもできますよ。
北極圏(北緯66度33分以北の地域)
北半球の夏に白夜、冬に極夜の現象が起こるのが、北緯66度33分以北の地域に当たる「北極圏」です。
国土の一部が該当する国は以下の通りです。
【北極圏に領土を持つ8ヶ国】
- アメリカ(※アラスカ州)
- カナダ
- ロシア
- ノルウェー
- フィンランド
- スウェーデン
- デンマーク(※グリーンランド)
- アイスランド
北半球の夏に見られる白夜は、北極圏より緯度が低い地域(バルト三国など)でも起こり得えますが、北極点(北緯90度)に近づくにつれ顕著に現れやすい現象です。
ノルウェー領スヴァ―ルバル諸島のロングイェールビーンでは、夏至を中心に4月下旬~8月下旬に4か月間も白夜が続くともいわれています。
南極圏(南緯66度33分以南の地域)
北半球の冬に白夜、夏に極夜の現象が起こるのが、南緯66度33分以南の地域に当たる「南極圏」です。
といっても、そのほとんどが南極大陸と南極海で占められています。
南極大陸は、これまでにイギリスやフランスをはじめ7ヶ国が所有権を主張してきましたが、どこの国にも属していません。
様々な国の基地が観測・調査・研究などを行っていますが、日本は4つの基地(昭和、みずほ、あすか、ドームふじ)を設置しています。
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白夜と極夜が起こる時期は?
白夜が起きる時期については…
- 北極圏:6月下旬の夏至前後
- 南極圏:12月下旬の冬至前後
となっています。
一方、極夜が起きる時期は季節が逆転し…
- 北極圏:12月下旬の冬至前後
- 南極圏:6月下旬の夏至前後
とされています。
北半球では最も昼の時間が長いとされるのが夏至で、最も夜の時間が長いとされるのが冬至ですよね。
白夜と極夜は「太陽光の有無や照射時間」に深く関与している現象なので、どちらも「二至」がピークの時期です。
白夜と極夜の期間についてはいずれも高緯度ほど長くなりますが…
南極大陸にある日本の昭和基地では約45日間、南極点(南緯90度)だと約6か月間も続くといわれていますので驚きですね!
ちなみに、近年の昭和基地の日照時間に関するデータでは…
- 5月:平均17.7時間
- 6月:平均0.0時間
- 7月:平均4.8時間
となっており、夏至を迎える6月は全く日差しを感じることは無いようです。
白夜と極夜がもたらす影響!
白夜や極夜が自然や人々へもたらす影響も気になりますよね!
もともと北極圏や南極圏といった極寒の地域で起こる現象ですが、太陽光はすべての生命のエネルギー源です。
日光を浴び続ける白夜とほとんど日光を浴びない極夜では、また事情が異なってきます。
生態系や人間の体にどんな影響があるのか、それぞれ見ていきましょう!
白夜がもたらす影響
まず白夜の時期の太陽光は、頭上から浴びるものではなく地平線上から斜めに当たるため…
大地が温められて気温が大きく上昇するようなことはありません。
ただ、光合成により植物プランクトンが増えるため、空気中の酸素量が多少増える傾向にあります。
また、植物プランクトンが他の生物に食べられることにより食物連鎖の大元として生態系が崩れるのを抑制する働きがあります。
人間の体内時計には多少影響がありますが、暗闇が長い極夜ほど人体に害もありません。
そもそも地元の人々は慣れていますし、白夜の到来を祝う「夏至祭」なども行われるため、むしろ元気になる頃です。
極夜がもたらす影響
太陽エネルギーを大地が浴びる機会がほとんど無くなるため、極夜の起こる地域は極寒の世界となります。
南極にあるロシアのボストーク基地では、過去にマイナス89.2度を記録したこともあります。
光合成も難しくなるため、限られた植物以外は生きられないほどの過酷な環境です。
また、極夜の頃は大気の発光現象である「オーロラ」が最も綺麗に見られるといわれています。
成層圏高度20~30km辺りには「真珠母雲(しんじゅぼぐも)」という虹色をした特殊な雲が見られることもあります。
人体への影響は白夜よりはるか大きく、体内時計の狂いが自律神経への乱れに発展しかねません。
不眠や倦怠感の原因となりますので、南極の日本の基地では健康維持の一環としてスポーツなどを楽しむ習慣があります。
同じ北極圏や南極圏で起こる現象ですが、特に人体への影響は白夜より極夜の方が大きいといえます。
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白夜と極夜の違い!起こる仕組みと場所(国)は?時期や影の響も!のまとめ
白夜と極夜の違いを中心に、起こる仕組みと場所(国)などをご紹介しました。
北極圏や南極圏では1日中太陽が沈まなかったり、1日中太陽が昇らない時期があります。
高緯度ほど現象が強く現れ、時には自然や人体へ悪い影響を及ぼすことも知っておきたいですね。
また、国と時期もまとめましたので、オーロラを一目見るため海外旅行に出かけるのもおすすめですよ!
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