「寒の入り」と「寒の明け」とは?2024年はいつ?俳句の季語にも!

2021年10月9日行事・カレンダー

寒の入り 寒の明け とは 2024年 いつ

「寒の入り(かんのいり)」「寒の明け(かんのあけ)」という言葉をご存じでしょうか?

冬場にテレビで耳にする機会も多いですが、はっきりとした意味は意外と知られていないようです。

 

2024年の「寒の入り」と「寒の明け」がいつなのかを確認すると、どちらも覚えやすいですよ。

冬から春に詠まれる俳句の季語などにも使われていますし、寒中見舞いとの関係も確認しておきましょう!

 

そこで今回は、「寒の入り」と「寒の明け」とは?2024年はいつ?俳句の季語にも!というテーマで詳しくご紹介しますね。

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「寒の入り」と「寒の明け」とは?

寒の入り 寒の明け とは

早速、「寒の入り」「寒の明け」とは、どんな意味を持つのか見ていきましょう!

そもそも「寒(かん)」というのは、二十四節気の「小寒(しょうかん)」「大寒(だいかん)」の2つの節気(期間)を合わせたものです。

 

この2つの節気を合わせた約30日間は、その名の通り1年で最も寒さが厳しいとされる時期に当たります。

そのため「寒(かん)」「寒中(かんちゅう)」「寒の内(かんのうち)」などと呼ばれています。

寒の入り 寒の明け 意味

つまり・・・

「寒の入り」とは、二十四節気の23番目に当たる「小寒」の初日

「寒の明け」とは、24番目(最後)の「大寒」を通り越し、1番目に戻る「立春」の初日を意味します。

 

例年の日付の目安は、以下のグラフにまとめています。

呼び名 二十四節気 日付の目安 期間
寒の入り 小寒(23) 1月05日頃 約30日間
大寒(24) 1月20日頃
寒の明け 立春(01) 2月04日頃

※二十四節気は天体の動きにより変化しますので、毎年同じ日付とは限りません

テレビのニュースなどでは「小寒」「大寒」「立春」は一日限定で呼ばれることもありますよね。

しかし、古代中国で誕生した二十四節気は、1年間を24等分の季節に分けたものなので、それぞれ「次の節気の前日まで」という期間としての意味を持っています。

 

1つの節気(または中気)は約15日間ですが、メディアなどでは初日のみを取り上げることも多くなっています。

また、寒の入りである小寒は「寒さが本格化する始め頃」、大寒は「1年で究極に寒くなる頃」と微妙にニュアンスも異なります。

 

節分(2月3日頃)の翌日に迎える寒の明け(立春)になると、二十四節気が一巡して最初に戻り、暦の上では春を迎えたことになります。

寒中見舞いとの関係は?

寒の入り 寒の明け 寒中見舞い

「寒中見舞い」とは、1年でもっと寒さが厳しい「寒」の時期に、相手の健康を気遣う意味で送るお見舞い状のことです。

ただし、正月の「松の内」の間は年賀状を送る習慣がありますよね。

 

そのため、寒中見舞いは「寒の入り(小寒)」からではなく、正月の松の内(1月7日まで)の翌日から相手に届けるように送ります。

【寒中見舞いの時期】

1月8日~2月3日(節分)

喪中で年賀状のやり取りができなかった場合も、寒中見舞いで新年のご挨拶をすることも多いですね。

尚、「寒の明け(立春)」以降になると「余寒見舞い」の時期に入りますので、挨拶文の内容も少し変わってきます。

※実際には夏場に送る「暑中見舞い」と「残暑見舞い」と同じ程度の違いです

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2024年の「寒の入り」と「寒の明け」はいつ?

寒の入り 寒の明け 2024年 いつ

前述した通り、二十四節気のそれぞれの日付は毎年固定ではありません。

2024年(令和6年)の「寒の入り」と「寒の明け」はいつなのか、確認しておきましょう。

2024年 二十四節気 日付
寒の入り 小寒 1月06日(土)
大寒 1月20日(土)
寒の明け 立春 2月04日(日)

例年のグラフと比べてみると、寒の入り(小寒)が1日遅く1月06日(土)となっています。

大寒と寒の明け(立春)については、ほぼ例年通りの日付です。

 

特に「寒」の時期の約30日間は風邪やインフルエンザが流行しやすくなっています。

2024年も新型コロナの心配もありますので、ご自身の体調管理もしっかり行いましょう!

「寒の入り」と「寒の明け」は俳句の季語!

寒の入り 寒の明け 俳句 季語

「寒の入り」と「寒の明け」はそれぞれ俳句の季語にも使われています。

それぞれが「小寒」と「立春」という二十四節気に当たるため、昔から季節を表す言葉として適していたようです。

 

また、立春を境に「いつの季語」なのか、という点も異なってきます。

ここでは「寒の入り」「寒の明け」を季語として使った俳句をご紹介しますね!

「寒の入り」を使った俳句!

早速、「寒の入り」を季語として使った俳句をご紹介します。

【俳句】

  • 月花の愚に針立てん寒の入り/松尾芭蕉
  • 浅草や鳩も雀も寒の入り/窪田桂堂
  • 高々と微塵の鳥や寒の入り/石田波郷
  • 雪山に水ほとばしる寒の入り/飯田蛇笏
  • 調律のひびく音色や寒の入り 井島郷雲
  • よく光る高嶺の星や寒の入り/村上鬼城
  • 深閑と大き山家や寒の入り/田中冬二

どの句も、これから寒くなることを表現したものになっています。

「寒の入り」は「寒の内」などを含め「冬(晩冬)の季語」として使われています。

 

俳句では「寒の入り」以外にも、「寒入」「寒入り」「寒に入る」「小寒の入」を使うことも多いです。

興味のある方は風情を感じるような一句を詠んでみてくださいね!

ひとくちメモ
晩冬とは、旧暦の冬を3つに分けた「三冬(初冬・仲冬・晩冬)」の最後の約30日間です。別の表現として「季冬」を使うこともあります。

 

 

「寒の明け」を使った俳句!

次に「寒の明け」を季語に使った俳句をご紹介します。

【俳句】

  • 浄瑠璃の名の山寺も寒の明け/角川春樹
  • ふるさとの菓子噛み割りし寒の明け/横光利一
  • 船かずを水脈でかぞへて寒の明け 鷹羽狩行
  • 水といふものを身近かに寒の明け/村松ひろし
  • 霜にこげし松の黄ばみや寒の明け/室生犀星
  • 昼酒のから口にして寒の明け 星野麥丘人
  • 霜にこげし松の黄ばみや寒の明け/室生犀星

俳句では「寒明」「寒明け」を使うことが多くなっています。

立春を迎えていることもあり、季節は「春(初春)」の季語となります。

 

その他、「寒明ける」「寒明くる」「寒過ぎる」「寒終る」などの表現も使われることが多いです。

ひとくちメモ
初春とは、旧暦の春を3つに分けた「三春(初春・仲春・晩春)」の初めの約30日間です。別の表現として「孟春」「早春」を使うこともあります。

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寒の時期には寒稽古や寒中水泳が行われる!

寒の時期 寒稽古 寒中水泳

「寒」の時期の風物詩といえば「寒稽古」「寒中水泳」などが有名ですよね。

テレビのニュースなどでもよく見かけますが、あまりの寒さに「大丈夫なの?」と思ってしまいます。

 

寒稽古といえば、主に武道の修行や鍛錬を目的とした行事で、精神的な我慢強さを養うことが最大の目的のようです。

体力アップを図るともいわれていますが、最も寒い「寒」の時期に行うべきといった科学的根拠はないといわれています。

 

また、寒中水泳は寒稽古の一種とされていて、褌(ふんどし)姿の男性や水着姿の女性が海で泳ぐ姿を見かけますね。

日本では関東地方を中心に行われることが多いですが、神事の1つとして日本各地で開催されている所もあります。

 

寒稽古や寒泳は冬の季語とされており、俳句でも詠まれています。

終わった後のぜんざいやお汁粉、豚汁などは体が温まって美味しそうですが、あまり参加したくない行事ですね!


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「寒の入り」と「寒の明け」とは?2024年はいつ?俳句の季語にも!のまとめ

寒の入りとは、二十四節気の23番目「小寒」の初日で、1年で最も寒い時期に入る日を意味します。

寒の明けとは、次の「大寒」を通り越して、暦の上では春を迎える「立春」の初日と重なります。

 

2024年は寒の入りが1月6日(土)、寒の明けが2月4日(日)となっています。

立春になると二十四節気がスタート地点に戻ったことになり、寒中見舞いの時期も終了ですね!