中秋の名月の読み方と意味や由来!日付が変動し満月とは限らない理由!

秋の代表的な風物詩の1つとして、お月見を楽しむ「中秋の名月」が挙げられますよね。
ただ、読み方や意味、由来を完全に把握されている方は意外と少ないようです。
また、なぜ昔から中秋の名月だけが特別視され、お月見をするようになったのでしょうか…。
9月~10月頃の間で毎年日付が変動したり、満月とは限らない理由も気になりますよね。
そこで今回は、中秋の名月の読み方と意味や由来!日付が変動し満月とは限らない理由!というテーマで詳しくご紹介します!
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中秋の名月の読み方と意味!
まず中秋の名月の読み方は「ちゅうしゅうのめいげつ」です。
「中秋」も「名月」も音読みと覚えておけば簡単ですね!
中秋の名月の意味は旧暦8月15日に見られる美しいお月様のことです。
つまり、太陽太陰暦における秋の中日(ど真ん中に当たる日)を指す「中秋」の夜に上がる、麗しき月に与えられた特別な呼び名を表しています。
現在使われている新暦(グレゴリオ暦=太陽暦)では、8月といえば夏の暑い盛りですよね。
しかし、明治5年に改暦が布告される前は、月の満ち欠けを中心に太陽の動きも取り入れた旧暦(太陰太陽暦)が使われていました。
新暦とは異なり、旧暦では季節の概念が以下の通りとなっています。
【旧暦での四季】
- 春:1月・2月・3月
- 夏:4月・5月・6月
- 秋:7月・8月・9月
- 冬:10月・11月・12月
※秋である7月~9月のちょうど真ん中に当たる8月15日=中秋
また、中秋の名月が見られる日の夜のことを「八月十五夜」と呼びますよね。
一般的には省略されて「十五夜」ともいいますが、この日の月自体を意味することもあります。
「仲秋」という漢字を使いがちですが、違いは以下の記事にまとめています。
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中秋の名月の由来!お月見をする理由とは?
もともと中秋の名月は中国発祥で、唐の時代(618~907年)の旧暦8月15日に月を愛でる習慣がはじまったことに由来します。
その後、宋の時代(960年~1279年)に入り、貴族や一般庶民を巻き込んだ「お月見の宴」が大々的に行われるようになりました。
日本に中秋の名月が伝わったのは平安時代の859~877年頃のこと。
貴族たちの間では八月十五夜に月見酒を飲んでは、詩歌や雅楽に酔いしれる宴が行われていたようです。
月見酒といっても、直接月を眺めるのではなく、盃や水面に移った月を見て楽しむという風流なものでした。
室町時代に入ると、月を崇拝するような信仰も生まれ、願い事をしたり、お供え物をする文化も生まれたようです。
江戸時代になる頃には、一般庶民にも中秋の名月の日にお月見をする習慣が広まりました。
当初は、主に里芋の煮物などを食べて、一晩中夜遊びをしていたという記録も残っています。
私たちの知る月見団子が登場したのが江戸中期以降で、里芋の形に丸めた団子をお供えする風習も始まったようです。
日本では、もともと中秋の名月のお月見を「里芋の収穫祭」として行っていたといわれています。
また、旧暦8月15日といえば農作業も一段落する頃だったため、1年間の無事に感謝し、来年の稲作の豊作祈願などを兼ねた行事だったという説もあります。
家族で十五夜にお月見をしてから、最後に残った作業をして1年を終えていたようですね。
中秋の名月は、中国の宋の時代に始まった「中秋節」を由来とする説が有力で、中国圏の台湾、香港をはじめ、ベトナムなど東アジアに広まった文化が日本にも影響を与えたようです。
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中秋の名月の日付が変動する理由!
中秋の名月は毎年日付が一定ではなく、9月7日~10月8日の間で変動します。
その理由も、旧暦(太陰太陽暦)と新暦(太陽暦)の違いによって生じるものです。
月の満ち欠けの周期(新月→満月→新月まで)は約29.5日とされており、これがそのまま旧暦の1ヶ月となります。
旧暦8月を例に挙げると…新月の日を8月1日、満月の日を15日と固定して認識されていました。
そのため、1ヶ月ごとに「小の月(29日まで)」と「大の月(30日まで)」をほぼ交互に繰り返す巡り合わせになっていたのです。
このままだと1年間は平均354日となりますので、中秋の名月の日付はどんどん前倒しになるばかりです。
そこで、旧暦では19年に7度の割合で「閏月」を設け、1年に13ヶ月ある「閏年(平均384日)」を入れる必要がありました。
この閏年が入ると一気に1年間の日数が増えますので、逆に中秋の名月の日付が遅くなる傾向にあります。
もともと中秋の名月とは、太陰太陽暦において秋分を含む月に巡ってくるという条件もあります。
太陽暦では秋分も9月22日~24日の間で日付が変動しますが、この前後15日間(トータル30日)以内を目安に、十五夜お月様が見られると覚えておきたいですね。
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中秋の名月が満月とは限らない理由!
中秋の名月とはあくまで旧暦8月15日の月を意味するもので、必ずしも満月とは限りません。
そもそも太陰太陽暦には満月に関する記載はなく、一般的に15日は「月の中日」ということで満月と認識されていたようです。
ただし、国立天文台(NAOJ)によると、中秋の名月を含む旧暦15日は「月齢14.0を含む日」とされています。
中秋の名月が満月とは限らない理由としては、以下の2点が挙げられます。
月の軌道による月齢の変化


出典:ウェザーニュース
地球の周りを公転する月は楕円軌道をとっています。
そのため、スーパームーンやマイクロムーンがあるように、月と地球との距離が変化することは明らかですよね。
月が楕円軌道をとることで公転周期も変化し、新月から満月になるまでの経過時間(月齢)も13.9日~15.6日と変化します。
(※月の満ち欠けの周期である約29.5日の半分に当たる、約14.75日が月齢の平均値です)
中秋の名月と満月が重なるかは、この月齢が大きく影響を与えています。
新月のタイミングと日付の兼ね合い
それが朝・昼・夜のどのタイミングになるかで、満月の日付も変わって来ます。
僅かな誤差でも中秋の名月を超えて、翌16日に満月を迎えることもあります。
もちろん月齢も関与していますが、新月を迎えるタイミングや日付の兼ね合いも重要なポイントですね。
参考までに、新月になる瞬間が8月1日の正午、月齢は平均値の14.75と仮定して計算してみましょう。
満月になるまでの時間の計算式は「1+14.75=15.75」で、つまり15日と18時間かかります。
8月1日正午から15日と18時間が経過すると、満月になるのは8月16日午前6時になり、中秋の名月の翌日になってしまいます。
ポイントとしては、月齢0.0となる新月に当たる日が8月0日ではなく、1日(ついたち)になっている点です。
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2000年~2030年の中秋の名月と満月の日付!
最後に2000年~2030年の中秋の名月と満月の日付をご紹介します。
なかには両者が2日ズレることもありますし、2001年のように満月が先に来るケースもあります。
※赤文字=満月になる
※青文字=満月と2日ズレる
西暦 | 中秋の名月 | 満月 |
2000年 | 9月12日 | 9月14日 |
2001年 | 10月2日 | 10月1日 |
2002年 | 9月21日 | 9月21日 |
2003年 | 9月11日 | 9月11日 |
2004年 | 9月28日 | 9月28日 |
2005年 | 9月18日 | 9月18日 |
2006年 | 10月6日 | 10月7日 |
2007年 | 9月25日 | 9月27日 |
2008年 | 9月14日 | 9月15日 |
2009年 | 10月3日 | 10月4日 |
2010年 | 9月22日 | 9月23日 |
2011年 | 9月12日 | 9月12日 |
2012年 | 9月30日 | 9月30日 |
2013年 | 9月19日 | 9月19日 |
2014年 | 9月8日 | 9月9日 |
2015年 | 9月27日 | 9月28日 |
2016年 | 9月15日 | 9月17日 |
2017年 | 10月4日 | 10月6日 |
2018年 | 9月24日 | 9月25日 |
2019年 | 9月13日 | 9月14日 |
2020年 | 10月1日 | 10月2日 |
2021年 | 9月21日 | 9月21日 |
2022年 | 9月10日 | 9月10日 |
2023年 | 9月29日 | 9月29日 |
2024年 | 9月17日 | 9月18日 |
2025年 | 10月6日 | 10月7日 |
2026年 | 9月25日 | 9月27日 |
2027年 | 9月15日 | 9月16日 |
2028年 | 10月3日 | 10月4日 |
2029年 | 9月22日 | 9月23日 |
2030年 | 9月12日 | 9月12日 |
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中秋の名月の読み方と意味や由来!日付が変動し満月とは限らない理由!のまとめ
中秋の名月の読み方と意味や由来を中心にご紹介しました。
旧暦と新暦が複雑に絡んでいるため難しく感じますが、1つ1つ理解していくとより興味が湧いてきますよね。
2021年から3年連続で満月と重なりますので、綺麗なお月様の見ながら願い事をするのもよいでしょう!
月見団子も必需品となりますので、ぜひ作ってお供えした後、家族で美味しくいただいてくださいね。
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