フロマージュとチーズケーキの違い!フランス語での呼び名は?
洋菓子店などのショーケースで見かける機会も多い「フロマージュ」と「チーズケーキ」。
見た目や味もそっくりですが、何か違いがあるのでしょうか?
フロマージュがフランス語で、チーズケーキが英語の呼び名だと思われている方も多いようです。
そもそも世界での「チーズの呼び名」を調べてみると、明らかな違いがあることがわかりました。
では早速、ご紹介しますね!
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フロマージュとチーズケーキの違い!
まずフロマージュとは、フランス語で「チーズ」を意味する言葉です。
分類上「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」に大別されますが、チーズ全般をフロマージュと呼びます。
したがって、チーズケーキとの違いは明白ですね。
チーズケーキの種類を大別すると「ベイクド」「レア」「スフレ」があります。
主な原料はイタリア原産の「マスカルポーネ」、南イタリア産の「リコッタ」、オランダ原産の「カッテージ」の他、生クリームを混ぜたクリームチーズなどのチーズがメインとなります。
そこに、小麦粉、砂糖、塩、コーンスターチなどを加えて調理すると、上記3種のチーズケーキが完成します。
フロマージュはフランス語表記で「fromage」。
あくまで"チーズそのもの”であり、チーズケーキの原料の1つに過ぎません。
日本で違いがわかりにくい理由は?
21世紀に入ると、日本の洋菓子店ではチーズケーキのネーミングに「フロマージュ」というフランス語を用いることが増えたようです。
これが両者の違いがわかりにくい一番の理由となっています。
「フランス風でオシャレに感じる」という日本人の心理を活かしたお店側の戦略ですよね。
1990年代にはチーズケーキの一種でイタリアの「ティラミス」が大流行しましたが、欧州文化への憧れのようなモノを感じた時代でしたね。
1998年になると、北海道の小樽洋菓子舗「ルタオ (LeTAO)」が「ドゥーブルフロマージュ (Double Fromage)」を発売。
ベイクドチーズケーキの上にマスカルポーネを使用したムースを重ねた2層構造のケーキが大ヒットし、「フロマージュ」というフランス語が日本中に知られるきっかけとなりましたね。
「チーズケーキ=フロマージュ」という勘違いが生じたのもこの頃からです。
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フランス語でのチーズケーキの呼び名は?
では、フランス語でのチーズケーキの呼び名もチェックしておきましょう!
「フロマージュ=チーズ」ですので、ケーキを意味する「ガトー(Gâteau)」と組み合わせます。
「au(オ)」=「~入りの」という意味の定冠詞の短縮形が入り・・・
チーズケーキ=「Gâteau au fromage(ガトー・オ・フロマージュ)」となります。
チョコレートケーキを意味する「Gâteau au chocolat(ガトー・オ・ショコラ)」と文法的には同じですね。
ちなみに、「au(オ)」は「gâteau」の「eau(オ)」と発音が結びついたように聴こえます。
そのため、日本では「ガトーフロマージュ」「ガトーショコラ」と表記されることも多いです。
ベイクドチーズケーキの呼び名
フランス語でベイクドチーズケーキは・・・
Gâteau au fromage cuit(ガトー・オ・フロマージュ・キュイ)といいます。
「調理する「焼く」「加熱する」を意味する動詞「cuire(キュイール)」の過去分詞形「cuit(キュイ)」を使います。
これで「焼いたチーズケーキ」という意味になります。
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レアチーズケーキの呼び名
レアチーズケーキの場合は・・・
Gâteau au fromage cru(ガトー・オ・フロマージュ・クリュ)といいます。
フランス語で「生の」「未加工の」などを意味する形容詞「cru(クリュ)」を使います。
これで「生のチーズケーキ」という意味になります。
スフレチーズケーキの呼び名
スフレチーズケーキの場合は・・・
Gâteau au fromage soufflé(ガトー・オ・フロマージュ・スーフレイ)といいます。
フランス語で「吹く」を意味する動詞「souffler」 の過去分詞形「Soufflé(スーフレイ)」を使います。
スフレはフランス語由来の言葉で、生地にメレンゲを混ぜてフワフワに焼き上げたスイーツなどに使われていますね。
また、フランスで「チーズスフレ」という場合、上記の甘いケーキの他、塩味の野菜やお肉、魚介を使ったスフレもあります。
こちらはいずれも・・・Soufflé au fromage(スーフレイ・オ・フロマージュ)となります。
ちなみに、スフレチーズケーキは日本発祥といわれています。
フランス語のフロマージュを使ったお菓子や料理
フランスはチーズの種類が非常に多く、「チーズ大国」などと呼ばれています。
「カマンベール」「ロックフォール」「サン・ネクテール」「エポワス」「コンテ」「ボーフォール」など、日本でも有名なモノが多数あります。
全てフランス語で「フロマージュ(fromage)」の一種になりますが、使用するお菓子や料理を挙げてみますね。
【フロマージュを使うお菓子や料理】
- チーズタルト=Tarte au fromage(タルト・オ・フロマージュ)
- チーズリゾット=Risotto au fromage(リゾット・オ・フロマージュ)
- チーズフォンデュ=fondue au fromage(フォンデュ・オ・フロマージュ)
- チーズの盛り合わせ=Plateau de fromages(プラトー・デ・フロマージュ)
- チーズ各種=Fromages frais et affinés(フロマージュ・フレ・エ・アフィネ)
チーズ使ったフランスの郷土料理である「グラタン(gratin)」「タルティフレット(Tratiflette)」「アリゴ(Aligot)」「ラクレット(Raclette)」などは有名ですよね。
必ずしもフランス語の「フロマージュ(fromage)」を使う訳ではなく、特有の名称で呼ばれているケースがほとんどです。
タルトやリゾットのように他の食材でも作れる場合には、「フロマージュ(fromage)」と限定する必要があります。
また、イタリア語の「ピッツァ(pizza)」はアメリカ経由で全世界に広まったため、フランスをはじめ欧米諸国では英語読みの「ピザ(pizza)」を使っています。
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世界でのチーズの呼び名は?
「フロマージュ(fromage)」と「チーズケーキ(cheesecake)」の違いはハッキリしましたね。
この際、世界でのチーズの呼び名も整理しておきましょう!
言語圏 | チーズの呼び名 |
英語 | cheese(チーズ) |
日本語 | 乾酪(かんらく)、チーズ |
中国語(地域差あり) | 奶酪(ナァィラァォ)、芝士(チースィ)、乳酪(ルゥーラァォ)、起司(チースー)、干酪(ガァンラァォ) |
韓国語 | 치즈(チジュ) |
ドイツ語 | Käse(ケーゼ) |
フランス語 | fromage(フロマージュ) |
イタリア語 | formaggio(フォルマッジョ) |
スペイン語 | queso(ケソ) |
ポルトガル語 | queijo(ケイジョ) |
オランダ語 | kaas(カース) |
ロシア語 | сыр(スゥイル) |
※中国語は、地域によって7種類の方言がありますので、チーズの呼び名も様々なものがあります。
チーズといえばイタリアというイメージも強いですよね。
フランスより約1000年ほど歴史も古く、「紀元前1000年頃」には誕生していたという説もあります。
モッツァレラチーズやゴルゴンゾーラも人気ですし、formaggio(フォルマッジョ)という言葉も覚えておきたいですね!
チーズの発祥は紀元前3000~4000年頃の中近東だとする説が有力視されていますが、真相はハッキリしていないようです。
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フロマージュとチーズケーキの違い!フランス語での呼び名は?のまとめ
「フロマージュ(fromage)」はフランス語でチーズそのものを表す言葉でした。
チーズケーキの一種と思われている方も多いため、しっかり違いを把握できて良かったですね。
日本では欧州文化への憧れもあり、過去にも様々な洋菓子が大人気となりました。
「ティラミス(イタリア)」、「モンブラン、マカロン(フランス)、「バウムクーヘン(ドイツ)」、「ザッハートルテ(オーストリア)」「ワップル(ベルギー)」もほんの一部に過ぎません。
お菓子の名前から語学を学ぶ人も増えましたので、国際交流にもメリットとなりましたね。
では、「Gâteau au fromage(ガトー・オ・フロマージュ)」でも食べながら、一服してくださいね!
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