立春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月10日2022年6月22日はがき・手紙のマナー

立春の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。

暖かい春の到来を連想させる言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておくと、「常識のない人」と思われる心配も無用です。

立春の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等の締めとなる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、立春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

立春の候を使う時期はいつ？

立春の候を使う時期は、例年2月4日頃～2月17日頃です。

1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「立春」の期間で、約15日間となっています。

 

以下に、旧暦の春を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
冬	晩冬	23	小寒	12月節	1月5日頃
		24	大寒	12月中	1月20日頃
春	初春	1	立春	1月節	2月4日頃
		2	雨水	1月中	2月18日頃
	仲春	3	啓蟄	2月節	3月6日頃
		4	春分	2月中	3月21日頃
	晩春	5	清明	3月節	4月5日頃
		6	穀雨	3月中	4月22日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています。

二十四節気（旧暦）の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節に分けられています。

「立春」は初春の前半にあたり、暦の上では1年最初（1番目）の節気です。

 

立春の候を使う時期はこの初春の前半に限定されます。

次の節気（中気）で2月18日頃の「雨水」に入ると、季節は初春の後半に移ります。

 

すると時期外れとなりますので、前日17日頃までの使用にとどめます。

立春の候に限らず、二十四節気を含む時候の挨拶は該当する節気の期間のみ使用可能です。

立春の候の読み方は？

立春の候の読み方は「りっしゅんのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです（※一部例外もあります）

 

立春単体でも訓読みすることはなく、「りっしゅん」として俳句の初春の季語となっています。

そもそも二十四節気に1つなので、読み間違いは少ないと思います。

 

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

立春の候の意味は？

立春の候は「暦の上では立春を迎えましたが…」という意味です。

そもそも立春とは「冬が極まり、春の気配が立ち始める頃」を表しています。

 

2月のはじめというとまだ寒い地域も多いですが、日に日に暖かくなる頃とされています。

立春・立夏・立秋・立冬の初日を「四立（しりゅう）」といいますが、それぞれ季節の大きな節目でもあります。

 

また、旧暦時代における立春の初日は・・・

• 1年の暮らしの始まり（旧暦1月1日の旧正月とは別物）
• 二十四節気が最初に戻る
• 雑節の起算日（1日目）＝八十八夜、二百十日など
• 晩冬の最も寒い時期「寒（かん＝約30日間）」が明ける
• 立春大吉のお札を貼り、1年の除災招福を祈る

など特別な意味を持つ1日とされ、新暦になった現在でもほとんどの風習が残っています。

立春の候には「季節が一巡して春に戻ったものの、本格的な陽気はまだ先」といったニュアンスも含まれています。

 

また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

立春の候の使い方の例文と結び！

では、立春の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状やビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね。

 

漢語調の時候の挨拶の前提として、「立春の候」「立春の折（おり）」「立春の砌（みぎり）」のどれを使っても問題ありません。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　立春の候、ますますご活躍のことと拝察致します。
• 拝呈　立春の候、皆様ますますご健勝にてお過ごしのこととお慶び申し上げます。
• 啓上　立春の候、皆様にはいよいよご清適の段大慶に存じます。
• 謹啓　立春の候、ご家族様におかれましては益々ご清栄の趣慶祝の至りに存じます。
• 謹呈　立春の候、ご一同様にはいよいよご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

「より一層」という意味の「ますます」「いよいよ」はどちらを使ってもOKです。

「お慶び」の代わりに「なにより」「大慶」「慶賀の至り」「慶祝の至り」などもオススメですよ！

 

【結び】

• 寒の戻りもございます。何卒ご油断なさいませんようお願い申し上げます。敬具
• 余寒厳しき折から、お風邪などめされませんようご留意ください。敬白
• 季節の変わり目でございます。体調を崩されることなく、春をお迎えください。拝具
• 三寒四温の時節柄、くれぐれもご健康にご留意くださいませ。かしこ
• 残寒の折、皆様ますますのご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。謹白

 

結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。

漢語調の時候の挨拶を上手に取り入れて、文章を構成する手もありますよ！

 

また、冒頭の頭語と手紙を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

「拝啓」でも十分敬意は伝わりますが、「謹啓」の方がより改まった印象になります。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　立春の候、貴社ますますご清栄こととお慶び申し上げます。
• 拝啓　立春の候、貴店いよいよご隆昌のことと存じ、お慶び申し上げます。
• 謹啓　立春の候、貴社にはますますご隆盛の段大慶に存じます。
• 拝啓　立春の候、貴店におかれましては益々ご盛業の由慶賀の至りに存じます。
• 粛啓　立春の候、貴店におかれましては益々ご盛栄ことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社の敬語「貴社」を使用します。（お店は貴店、銀行は貴行）

「～のことと」の代用として「～の段」「～の由」「～の趣」「～の御事」「～のことと承り」などが使えます。

 

【結び】

• 引き続き、末永くお力添えを賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは書中にてご挨拶申し上げます。敬具
• 今後とも格別のご高配を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。まずは書中にてご挨拶まで。敬白
• 今後とも倍旧のお引き立てを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。末筆ながら、厚く御礼申し上げます。拝具
• 春寒の砌、皆様のご健勝とご活躍を社員一同衷心より祈念致します。略儀ながら、お礼かたがたご挨拶まで。謹白
• 貴社いよいよのご盛業を心よりお祈り申し上げます。取り急ぎ、深謝申し上げます。謹言

 

結びの挨拶には「今後の支援」や「相手の会社の発展」を祈願する言葉を入れておきましょう！

倍旧はあまり見かけない言葉ですが、「前にも増して」といった意味です。

立春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ