早涼の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
早涼の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
「涼」の文字が含まれますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、誤用を招くような心配も無用です。
早涼の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等の締めとなる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、早涼の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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早涼の候を使う時期はいつ?
早涼の候を使う時期は、例年8月7日頃~9月7日頃となっています。
これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「立秋」~「処暑」にあたる約30日間です。
以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
夏 | 晩夏 | 11 | 処暑 | 6月節 | 7月7日頃 |
12 | 大暑 | 6月中 | 7月23日頃 | ||
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 7月節 | 8月7日頃 |
14 | 処暑 | 7月中 | 8月23日頃 | ||
仲秋 | 15 | 白露 | 8月節 | 9月8日頃 | |
16 | 秋分 | 8月中 | 9月23日頃 | ||
晩秋 | 17 | 寒露 | 9月節 | 10月8日頃 | |
18 | 霜降 | 9月中 | 10月23日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
二十四節気(旧暦)の秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節(三秋)に分けられています。
その中で、早涼の候を使う時期は、初秋全般(前半の節気と後半の中気)になります。
使い始めは、立春から数えて13番目に巡ってくる節気「立秋」の初日にあたる8月7日頃。
使い終わりは、同じく14番目に巡ってくる中気「処暑」の最終日にあたる9月7日頃です。
次の節気で9月8日頃の「白露」を迎えると、季節は移り変わって仲秋に入ります。
すると、早涼の候を使う時期から外れてしまうため、前日8日頃までの使用にとどめます。
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早涼の候の読み方は?
早涼の候の読み方は「そうりょうのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
早涼単体でも訓読みすることはなく、「そうりょう」として俳句の新涼の子季語になっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
早涼の候の意味は?
早涼の候は「(暦の上での)初秋の涼気を感じる頃に入りましたが…」という意味です。
そもそも早涼とは「秋の初めに感じられる爽やかな涼気や涼風」を表す言葉となっています。
8月7日頃の「立秋」を過ぎた頃は、最も暑さが厳しい時期で「涼しさ」とは無縁の時期ですよね。
ただ、あくまで旧暦(暦の上)に基づく言葉なので、新暦とは1ヶ月程度の季節のズレを感じます。
現在でも8月の旧盆を過ぎると朝夕はやや涼気を感じ、9月上旬頃には徐々に秋めいてきます。
早涼とほぼ同義の言葉に「新涼」がありますが、仲秋に入ると「秋涼」の季節に変化します。
早涼の候には「残暑が終息に向かい、涼を感じる頃に入った」といったニュアンスが含まれています。
また、「候」は暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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早涼の候の使い方の例文と結び!
では、早涼の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね!
漢語調の時候の挨拶の前提として「早涼の候」「早涼の折(おり)」「早涼の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 早涼の候、○○様にはお元気でお過ごしのことと存じます。
- 拝啓 早涼の候、皆様ますますご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。
- 謹啓 早涼の候、皆様にはますますご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます
- 謹呈 早涼の候、ご家族様にはいよいよご清栄の段大慶に存じます。
- 粛啓 早涼の候、ご尊家におかれましては益々ご清福の由慶賀の至りに存じます。
早春の候だけで季節感は伝わりますので、続いて相手の健康を祝う言葉を入れておきます。
「お慶び」「お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀」「慶祝」なども便利です。(大慶の至りなどにすると好印象です)
【結び】
- 残暑厳しき折、何卒お体ご自愛くださいませ。敬具
- 夏の激務でお疲れのことと存じます。くれぐれもご自愛専一にてお過ごしください。敬具
- ようやく秋を気配を感じるようになりました。皆様お健やかにお過ごしください。敬白
- 朝夕は涼しくなってまいりました。皆様おそろいで実りの秋をお迎えください。敬白
- 処暑のみぎり、ご家族様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。かしこ
結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておきたいですね。
その他、「実りの秋をお迎えください」などはよく使われるフレーズです。
また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
頭語は「拝啓」でも十分敬意は伝わりますが、「謹啓」「謹呈」などはさらに改まった印象になります。
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 早涼の候、貴社ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 早涼の候、貴店いよいよご盛業のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 早涼の候、貴社にはますますご隆昌のことと承り、慶賀の至りに存じます。
- 謹呈 早涼の候、貴店におかれましてはいよいよご隆盛の趣慶祝の至りに存じます。
- 粛啓 早涼の候、貴社におかれましては益々ご繁栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行は貴行)
「~のことと」の代わりとして「~の段」「~の由」「~趣」「~の御事」なども便利です。
【結び】
- 引き続き末永くお付き合いを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
- 今後とも尚一層のお引き立てを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
- 今後とも格別のご贔屓を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。敬白
- 晩夏のみぎり、貴社ますますのご隆昌を社員一同衷心より祈念致します。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。敬白
- 新秋の折、皆様のご健勝とご活躍を弊社一同心よりお祈り申し上げます。略儀失礼ながら、書中にてご報告とご挨拶を申し上げます。頓首
結びには「相手の会社のより一層の発展」や「今後のご愛顧」を祈願する言葉を入れます。
「まずは」「取り急ぎ」「略儀ながら」などを使って締めておくと、より丁寧ですね!
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早涼の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 早涼の候を使う時期は例年8月7日頃~9月7日頃
- 二十四節気の「立秋」と「処暑」を合わせた約30日間が目安
- 残暑が厳しい時は「旧盆」「処暑」から使う手もある
- 読み方は「そうりょうのこう」
- 意味は「(暦の上での)初秋の涼気を感じる頃に入りましたが…」
- 「残暑が終息に向かい、涼を感じる頃に入った」というニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
早涼の候は、暦の上での立秋を過ぎた頃から使用できる時候の挨拶です。
知人や親戚の方への季節の挨拶状などにぜひご活用くださいね!
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