秋涼の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月9日2022年7月1日はがき・手紙のマナー

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶に「秋涼の候」があります。

秋を連想することは容易ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

読み方や意味を理解しておくと、相手に失礼にあたるような失敗もありません。

秋涼の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、秋涼の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

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コンテンツ

1. 秋涼の候を使う時期はいつ？
2. 秋涼の候の読み方は？
3. 秋涼の候の意味は？
4. 秋涼の候の使い方の例文と結び！
- 4.1. 季節の挨拶状の例文と結び
- 4.2. ビジネスレターの例文と結び
5. 秋涼の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ

秋涼の候を使う時期はいつ？

秋涼の候を使う時期は、例年9月8日頃～10月7日頃が目安となります。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「白露」～「秋分」の約30日間です。

以下に、旧暦の秋に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
秋	初秋	13	立秋	7月節	8月7日頃
	初秋	14	処暑	7月中	8月23日頃
	仲秋	15	白露	8月節	9月8日頃
	仲秋	16	秋分	8月中	9月23日頃
	晩秋	17	寒露	9月節	10月8日頃
	晩秋	18	霜降	9月中	10月23日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています。

二十四節気（旧暦）の秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節（三秋）に分けられています。

その中で秋涼の候を使う時期は、仲秋の全般（前半の節気と後半の中気）です。

使い始めは、立春から数えて15番目に巡ってくる節気「白露」の初日にあたる9月8日頃。

使い終わりは、同じく16番目に巡ってくる中気「秋分」の最終日にあたる10月7日頃です。

次の節気で10月8日頃の「寒露」を迎えると、季節は仲秋から晩秋に移り変わります。

すると、秋涼の候を使う時期から外れてしまうため、前日10月7日頃までの使用にとどめます。

ひとくちメモ！

上記グラフの旧暦月を見るとわかりますが、秋涼は陰暦8月の異称とされており、新暦に置き換えると大体8月下旬～10月上旬頃になります。新暦8月を表す和風月名「葉月」も、もともとは同時期（仲秋あたり）を表していました。

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秋涼の候の読み方は？

秋涼の候の読み方は「しゅうりょうのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

秋涼単体でも訓読みにすることはなく、「しゅうりょう」として俳句の秋の季語になっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

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秋涼の候の意味は？

秋涼の候の意味は「秋らしい涼しさを感じる季節になりましたが…」という意味です。

仲秋の前半・白露の頃を迎えると、厳しい残暑もようやく落ち着く頃になります。

とくにお彼岸の中日となる秋分を過ぎると、昼間は秋ならではの涼風を、朝夕はやや冷えを感じる季節に入ります。

晩秋のように昼間でも肌寒いということは少なく、過ごしやすい時期という印象も強いですね！

ちなみに、初秋の残暑が残る頃に感じる涼しさを「新涼」と呼びますが、仲秋の秋涼と区別するのに役立ちますね！

秋涼の候には「残暑の終わり」「朝夕の冷え」「過ごしやすい好季節」などのニュアンスも含まれています。

また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

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秋涼の候の使い方の例文と結び！

では、秋涼の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね！

漢語調の時候の挨拶の前提として「秋涼の候」「秋涼の折（おり）」「秋涼の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

拝啓　秋涼の候、皆様にはお元気でお暮しのことと存じます。
拝啓　秋涼の候、皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
謹啓　秋涼の候、皆様にはいよいよご活躍のことと拝察し、お慶び申し上げます。
謹啓　秋涼の候、ご家族様にはおかれましては益々ご健勝の由大慶に存じます。
恭敬　秋涼の候、ご一同様ににおかれましては益々ご清祥の段慶賀の至りに存じます。

「皆様におかれましては」の省略形「皆様」「皆様には」でも失礼にはあたりません。

また、「お過ごし」の代わりとして「お暮し」を使うのもよいでしょう！

チェック！

相手の健康を祝う言葉として「ご清栄」「ご活躍」「ご健勝」「ご清祥」「ご清適」「ご壮健」「ご勇健」などがあります。また、幸福を祝う意味の「ご清福」も便利です。「ご壮健」は主に目上の年配者宛、「ご勇健」は男性宛限定として使用します。

【結び】

朝夕はめっきり冷え込むようになりました。皆様どうぞお体をおいといください。敬具
季節の変わり目でございます。何卒ご自愛専一にてご活躍ください。敬具
秋の長雨は思いのほか冷えるものでございます。御体大切にお過ごしください。敬白
秋分の折、ご家族様おそろいで秋本番をお迎えください。かしこ
秋晴のみぎり、皆様にとって実り多き秋となりますよう、お祈り申し上げます。謹白

結びの挨拶には相手の健康や幸せを祈願する言葉を入れておきます。

時期的にも「実りの秋」はよく使われる表現です。

また、冒頭の頭語と手紙の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）