新涼の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!

2022年5月29日はがき・手紙のマナー

新涼の候 時期 いつ 読み方 意味 例文 結び

新涼の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。

文字を見ると爽やかな印象を受けますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!

 

読み方や意味も理解しておくと、相手に対して不快感を与えるような失敗もありません。

新涼の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重要視される「結びの挨拶」とともにご活用くださいね!

そこで今回は、新涼の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。

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新涼の候を使う時期はいつ?

新涼の候 時期 いつ

新涼の候を使う時期は、8月の旧盆明け~9月7日頃が目安です。

以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!

季節 二十四節気 旧暦月 新暦初日
晩夏 11 処暑 6月節 7月7日頃
12 大暑 6月中 7月23日頃
初秋 13 立秋 7月節 8月7日頃
14 処暑 7月中 8月23日頃
仲秋 15 白露 8月節 9月8日頃
16 秋分 8月中 9月23日頃
晩秋 17 寒露 9月節 10月8日頃
18 霜降 9月中 10月23日頃

※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています

二十四節気(旧暦)の秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節(三秋)に分けられています。

その中で、新涼の候が使える時期は「初秋」(立秋と処暑の期間)に限定されています。

 

つまり、新涼の「新」は暦の上で晩夏が終わった後の新しい季節(初秋)を表しているのです。

8月7日頃の「立秋」から使っても問題はありませんが、「涼」という字が気になりますよね。

 

旧盆を過ぎると残暑もやや落ち着く頃なので、使い始めはお盆過ぎあたりがオススメです。

9月8日頃の「白露」になると仲秋の前半に入るため、新涼の候を使う時期から外れてしまいます。

チェック!
新涼の候は8月23日頃からの「処暑」の期間のみ使用するという考え方もあります。初秋の後半で「暑さが後退する時期」を表す節気なので、「白露」の前日までは比較的違和感を抑えて使うことができます。

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新涼の候の読み方は?

新涼の候 時期 いつ

新涼の候の読み方は「しんりょうのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は、漢字の部分を音読みにすることがほとんどです。(※一部例外もあります)

 

新涼単体でも訓読みすることはなく、「しんりょう」として俳句の秋の季語に使われています。

日常会話でよく使う言葉ではありませんが、比較的読み間違いは少ないと思います。

 

また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

新涼の候の意味は?

新涼の候 意味

新涼の候は「初秋の涼しさを感じる季節になりましたが…」という意味です。

二十四節気において秋のはじめは「立秋」とされ、初秋の涼気を感じる季節に入ります。

 

といっても、あくまで旧暦(暦の上)でのお話なので、新暦の気候とは1ヶ月程度のズレが生じています。

旧盆過ぎから空気が変わる印象もありますが、処暑の後半(9月はじめ)まで涼しさとは無縁のことも多いです。

 

新涼の候を使うタイミングにもよりますが・・・

「立秋とは名ばかり」「処暑になって涼気を感じ始めた」といったニュアンスも含まれています。

 

また、「候」は暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

注意!
新涼の候には「涼」の文字が含まれていますが、実際に肌で感じる涼しさとは関係なく使うことも多い時候の挨拶の1つです。一向に暑さが衰える気配がなければ、ほぼ同時期に使用できる「残暑の候」の方がしっくり来ますよね。


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新涼の候の使い方の例文と結び!

新涼の候 例文 結び

では、新涼の候の使い方の例文をご紹介します。

親戚や知人宛の季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますが、結びの挨拶も併せてチェックしてくださいね!

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「新涼の候」「新涼の折(おり)」「新涼の砌(みぎり)」のうち、どれを使ってもOKです。

また、口語調(和文調)の挨拶より、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

  • 拝啓 新涼の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • 拝呈 新涼の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 啓上 新涼の候、皆様にはますますご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 謹啓 新涼の候、皆様におかれましては益々ご健勝の由、大慶に存じます。
  • 恭敬 新涼の候、○○様におかれましては益々ご壮健の段、慶祝の至りに存じます。

 

漢語調の時候の挨拶のメリットとして、新涼の候のみで季節感を与えることができます。

続けて、相手の健康を気遣う・祝う言葉を入れておきましょう!

チェック!
相手の健康を祝う言葉として「ご活躍」「ご清栄」「ご清祥」「ご健勝」「ご壮健」「ご清適」「ご勇健」などがあります。「ご壮健」は年配者宛、「ご勇健」は男性宛に使用します。また、幸福を祝う意味の「ご清福」も覚えておくと便利です。

 

【結び】

  • 徐々に暑さが後退しているようです。お元気で実りの秋をお迎えください。敬具
  • そろそろ夏の激務のお疲れが出る時期と存じます。くれぐれもお身体ご自愛くださいませ。敬白
  • 夏休みも半ばを過ぎました。皆様ご健勝にてご活躍ください。拝具
  • 早涼の折、なにとぞご自愛専一にてご精励ください。かしこ
  • 処暑のみぎり、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。謹白

 

結びの挨拶にも相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。

「実りある秋をお迎えください」といったフレーズもよく使われています。

 

また、書き出しの頭語と締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

頭語 結語
一般的な例 拝啓・拝呈・啓上・啓白 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ)
改まった例 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ)

(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)

「拝啓」でも失礼にあたることはありませんが、「謹啓」「謹呈」などはさらに改まった印象があります。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

  • 拝啓 新涼の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 拝呈 新涼の候 貴社いよいよご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 謹啓 新涼の候 貴社にはますますご隆盛の段、慶賀の至りに存じます。
  • 恭敬 新涼の候 貴社におかれましては益々盛栄の段、大慶に存じます。
  • 粛啓 新涼の候、貴社におかれましては益々ご隆昌のことと拝察し、ご慶賀申し上げます。

 

ビジネスレターには少し難しい言葉を使った方が、かしこまった印象を受けやすいですね。

「貴社」「貴社には」は「貴社におかれましては」の省略形ですが、どれを使っても問題ありません。

チェック!
相手の会社の繁栄を祝う言葉として「ご発展」「ご清栄」「ご隆盛」「ご盛栄」「ご隆昌」などがよく使われています。「ご清栄」はビジネス以外の個人宛に、「ご隆盛」「ご隆昌」は取引先の個人宛に使用されることも多いです。

 

【結び】

  • 末筆ながら、貴社ますますのご盛栄をご祈念いたします。敬具
  • まずは略儀ながら、書中をもちましてお礼とご挨拶を申し上げます。敬白
  • 略儀失礼ながら、書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます。拝具
  • 今後ともなにとぞご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。謹白
  • 早秋のみぎり、皆様どうかご自愛専一にてご精励ください。頓首

 

ビジネスレターの結びには「相手の会社の発展」「今後のご愛顧」を祈願する言葉を入れます。

個人宛は別として、会社宛には女性用の結語「かしこ」は使えません。

チェック!
「略儀ながら」とは「本来お伺いすべきところですが」という意味です。踏むべき手続きを省略することへの「お詫びの意思」をやんわりと伝えることができる表現となっています。

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新涼の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ

  • 新涼の候を使う時期は、8月の旧盆明け~9月7日頃が目安
  • 二十四節気(旧暦)の初秋(立秋と大暑)の期間のいつでもOK
  • 白露を迎えると使えなくなる
  • 新涼の候の読み方は「しんりょうのこう」
  • 意味は「初秋の涼しさを感じる季節になりましたが…」
  • 「立秋とは名ばかり」「処暑になって涼気を感じ始めた」などのニュアンスを含む
  • 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される

 

新涼の候は使う時期が少し難しい時候の挨拶の1つです。

8月のお盆明けから使用する方が、季節的違和感を軽減することができますね!