薫風の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文も!

2022年1月19日はがき・手紙のマナー

薫風の候とは 読み方 意味 時期 例文

薫風の候とは、手紙などで季節感を出すために用いられる「時候の挨拶」の1つです。

若葉の風が吹き抜ける初夏に使われており、時期を間違えないようにしたいですね。

 

読み方や意味をしっかり理解しておけば、相手に不快感を与えるような失敗もないでしょう!

季節の挨拶状に使える例文もまとめていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

 

そこで今回は、薫風の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文も!というテーマで詳しくご紹介します!

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薫風の候とは?

薫風の候とは

薫風の候とは、主に改まった相手に出す季節の挨拶状などに使われる「時候の挨拶」です。

漢語調の場合、「○○の候」「○○の折」「○○のみぎり」のどれを使っても問題ありません。

 

「○○の季節になりましたが…」という和文調(口語調)の時候の挨拶より丁寧な言い回しといえます。

目上の方宛の手紙やビジネス文書などにも利用できて便利ですね。

 

では、薫風の候の読み方と意味から見ていきましょう!

読み方は?

まず薫風の候の読み方は、音読みで「くんぷうのこう」です。

「かおるかぜのこう」「かおるかぜのそうろう」「くんぷうのそうろう」などはすべてNGです。

 

漢語調の時候の挨拶は、音読みにするのが基本です。

俳句では「薫風」に加え、和文調の「風薫る(かぜかおる)」も季語として使われています。

意味は?

次に、薫風の候は「若葉の香りを漂わせる爽やかな初夏の風が吹き抜ける頃」という意味です。

若葉とは夏の季語として有名で、暖かくなり「草木から萌え出て間もない葉」を表しています。

 

寒い冬に眠っていた植物たちが一斉にみずみずしい葉を付け、太陽の光に照らされて緑がまぶしい様子がうかがえますよね。

そこに南方から穏やかな風が吹いてきて、新緑の香りが漂う情景を表したのが薫風の候です。

 

よく見ると「若葉の緑、初夏の暖かさ、風、香り」などの要素が含まれていますよね。

薫風の候は、視覚、触覚、嗅覚に訴えかける時候の挨拶となっており、とてもオシャレな印象があります。

 

また、「候」「時季」「時節」「頃」を意味する言葉として使われています。

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薫風の候を使う時期はいつ?

薫風の候 時期 いつ

薫風の候を使う時期は5月5日頃~5月末日くらいです。

暦の上では立夏(5月5日頃)から初夏に入りますので、使い始めはわかりやすくなっています。

 

初夏は二十四節気では「立夏」~「芒種(6月6日頃)」とされていますので、約1ヶ月間になります。

ただし、薫風の候はあくまで「風薫る五月」限定の時候の挨拶です。

 

6月に入ると若葉から青葉(深緑)の季節に完全に移り変わるため、時期から外れてしまいます。

青葉(深緑)は草木の葉が生い茂り、文字通り深い緑や青に染まる頃になるため、5月中旬~6月中旬を目安にします。

 

ゴールデンウィーク中に手紙を書く際は、薫風の候が利用できて便利ですね。

薫風の候を使った季節の挨拶状の例文!

薫風の候 季節の挨拶状 例文

では最後に、薫風の候を使った季節の挨拶状の例文をご紹介します。

目上の方へのお便りや、ビジネスレターなどにも活用してくださいね。

 

また、文章を締めくくる「結び」の言葉もまとめていますよ!

改まった相手への例文

  • 拝啓 薫風の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。
  • 拝啓 薫風の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • 拝呈 薫風の候、ご一同様にはますますご壮健のことと存じます。
  • 拝白 薫風の候、ご一同様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
  • 啓上 薫風の候、○○様におかれましては益々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。

 

一般的な季節の挨拶状に使われる頭語は「拝啓」「拝呈」「拝白」「啓上」が多いですね。

対応する結語は「敬具」「敬白」「拝具」、女性なら「かしこ」が使えます。

チェック!
相手(個人や家族)の健康を喜ぶ言葉として「ご清祥」「ご健勝」「ご壮健」「ご盛栄」「ご勇健」「ご剛健(主に男性へ)」などがよく使われいます。(※意味はそれぞれ多少異なる)

ビジネスレターの例文

  • 拝啓 薫風の候、貴社ますますご隆盛のことと拝察いたします。
  • 拝啓 薫風の候、貴社ますますご隆昌の段、何よりでございます
  • 拝啓 薫風の候、貴社ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。
  • 謹啓 薫風の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 謹呈 薫風の候、貴社におかれましては益々ご盛栄のことと存じ、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは、一段と丁寧な頭語「謹啓」「謹呈」「恭啓」「粛啓」を使用するのもオススメです。

対応する結語として「謹言」「謹白」「敬白」「敬具」「頓首」などがあります。

チェック!
会社宛の場合、繁栄や発展を喜ぶ言葉として「ご隆盛」「ご隆昌」「ご盛栄」「ご清栄(個人でも可)」などがよく使われています。

結びの例文

  • ご一同様お健やかに、新緑の季節をお過ごしください。
  • 軽暑の折、くれぐれもお身体ご自愛の上ご精励ください。
  • 向暑の折、ご自愛専一のほどお祈り申し上げます。
  • 汗ばむような日もございます。何卒、体調にご留意ください。
  • 天候が不安定でございます。ご自愛の上、ご活躍のほど祈念いたします。

 

5月といえば爽やかな気候をイメージしがちですが、日差しも強くなり暑くなり始める頃です。

結びの文章には「相手の健康を気遣う言葉」を入れておきたいですね。

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薫風の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文も!のまとめ

  • 薫風の候とは季節の挨拶状やビジネスレターなどに用いる時候の挨拶の1つ
  • 読み方は「くんぷうのこう」
  • 意味は「若葉の香りを漂わせる爽やかな初夏の風が吹き抜ける頃」
  • 使う時期は立夏(5月5日頃)~5月末日

 

薫風の候についてご紹介しました。

1年のなかでも、五感に訴えかけるようなオシャレな時候の挨拶ですね!

 

ぜひお世話になっている方へのお手紙などに使ってみてはいかがでしょうか。