麦秋の候とは？読み方や意味、使う時期は？季節の挨拶状の例文も！

2022年1月18日2022年1月20日はがき・手紙のマナー

麦秋の候とは、季節のお手紙やビジネス文書などに利用される「時候の挨拶」の1つです。

「秋」という文字が入りますが、使う時期は「初夏のわずかな間のみ」とされています。

 

読み方も意外と難しいですが、意味がわかればいつ頃使えるのかハッキリしますよ。

また、麦秋の候を使った季節の挨拶状の例文もご紹介しますので、ぜひご利用くださいね！

麦秋の候とは？

麦秋の候とは、改まった相手に使う「漢語調の時候の挨拶」の1つです。

漢語調には「○○の候」「○○の折」「○○のみぎり」の3種類があり、どれを使っても問題ありません。

 

「○○の季節となりましたが…」といった和文調の書き出しより、フォーマルな文書に使われることも多いです。

では、まず麦秋の候の読み方と意味を理解しておきましょう！

読み方？

麦秋の候の読み方は、音読みで「ばくしゅうのこう」です。

「麦秋」単体では、初夏を表す言葉として「むぎあき」と読むこともあります。

 

俳句では夏の季語として「麦の秋（むぎのあき）」を使うことも多いですね。

意味は？

麦秋の候は「麦が熟し刈り入れ時になりましたが」という意味です。

秋は、麦にとっての「収穫期」を表す言葉です。

 

麦は稲をはじめとする様々な農作物とは異なり、秋に種まきをして初夏に黄金色に成長して刈り入れ時を迎えます。

季節が大きくズレて紛らわしいですが、農家の方であればご存じの方も多いと思います。

 

「候」は、天候や気候を表す時に使われることも多いですが、時候の挨拶では「時季」「時節」「頃合い」といった意味ですね！

麦秋の候を使う時期はいつ？

麦秋の候を使う時期は、5月31日頃～6月4日頃です。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の1つ「小満」の末候「麦秋至（むぎのときいたる）」に当たります。

 

二十四節気の1つの節気（約15日間）は、さらに「初候」「次候」「末候」の3つに分けられています。

1年分になると「24×3＝72」で「七十二候」と呼び、一候はそれぞれ約5日間になります。

 

かなり短い期間になりますが、麦秋の候は主に6月はじめの時期に使うのが一般的ですね！

タイミングが難しいという場合、5月29日～30日頃にポストに投函するのが無難かと思われます。

麦秋の候を使った季節の挨拶状の例文！

最後に、麦秋の候を使った季節の挨拶状の例文をご紹介します。

日頃よりお世話になっている方へのはがきや手紙、ビジネス文書などの書き出しにご活用くださいね！

 

また、手紙を締めくくる「結び」の文章についてもまとめています。

改まった相手に送る時の例文

• 拝啓　麦秋の候、いかがお過ごしでしょうか。
• 拝啓　麦秋の候、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
• 拝啓　麦秋の候、皆様にはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
• 拝啓　麦秋の候、○○様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

 

頭語が「拝啓」の場合、結語には「敬具」「敬白」「拝具」が使えます。

女性であれば「かしこ」でもOKです。

ビジネス文書（会社宛）の例文

• 拝啓　麦秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
• 拝啓　麦秋の候、貴社にはますますご清栄のことと存じ、お喜び申し上げます。
• 謹啓　麦秋の候、貴社におかれましては益々ご隆昌のこととお慶び申し上げます。
• 謹啓　麦秋の候、貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。

 

丁寧な文面に使う頭語「謹啓」を用いた場合、結語は「謹言」「謹白」「敬白」などを使います。

ビジネス文書では「一筆申し上げます」「かしこ」は使えませんのでご注意くださいね！

結びの例文

• 季節の変わり目です。お風邪など召されませんよう、くれぐれもお気をつけください。敬具
• 梅雨入りが目前に迫っております。ご自愛専一にてお過ごしください。敬具
• 薄暑のみぎり、体調を崩されることなく、本格的な夏をお迎えください。敬白
• 向暑の折、一層のご健勝をご祈念いたします。謹白
• まずは略儀ながら書面にてご挨拶申し上げます。謹言（※ビジネス）

 

結びの文章にも、書き出しと同じく相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう。

麦秋の候とは？読み方や意味、使う時期は？季節の挨拶状の例文も！のまとめ