半夏生とは?2023年はいつ?タコを食べる理由や半夏雨について!
日本の暦注に含まれる雑節の1つで、毎年7月初旬に巡ってくる「半夏生(はんげしょう)」。
カレンダーなどにも記載のある暦日ですが、その存在を全く知らないという人も多いようです。
半夏生とはどんな意味や由来を持つ日なのか、2023年はいつなのか把握しておきたいですね。
また、この日にはタコを食べる習慣がありますが、その理由もまとめています。
半夏生の頃に降る「半夏雨(はんげあめ)」についてもぜひチェックしてくださいね!
そこで今回は、半夏生とは?2023年はいつ?タコを食べる理由や半夏雨について!というテーマでご紹介します。
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半夏生とは?
まず、半夏生とはどんな意味や由来を持つ日なのか、見ていきましょう!
半夏生の意味
半夏生とは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気を補足する形で…
より正確に季節の移り変わりを把握するために日本独自に設けられた雑節の1つです。
天文学的には太陽黄経が90度に達する「夏至(げし)」の11日後に巡ってくる暦日で…
半夏生は太陽黄経が100度に達する瞬間を含む日を意味します。(※天文学に基づくため日付は毎年固定ではありません)
また、期間として意味も持っており…
夏至の11日後(7月1日~2日頃)~七夕(7月7日)の約5日~6日間を指しています。
半夏生の期間は梅雨入りしていることも多く、農家は丸ごとお休みにして疲労回復に努める習慣もあります。
家族をねぎらい、畑仕事や田植えシーズンの終わりを促す雑節として重要な節目となっています。
麦の収穫はすでに終わっている頃ですが、半夏生の後に稲作を開始しても豊作が見込めないという話もあります。
この話は迷信のようなものなのか、科学的根拠があるのかははっきりわかっていません。
半夏生の由来
半夏生は、二十四節気の「夏至」の期間をさらに3つの季節に分けた七十二候の末候に由来します。
夏至の末候は「半夏生(はんげしょうず)」とされており、半夏(ハンゲ)と呼ばれる烏柄杓(カラスビシャク)という薬草が生える頃を表しています。
また、別のドクダミ科の植物「半夏生(ハンゲショウ)」の葉の表面が半分白色に染まる様子から…
「半分化粧をしているように見える」ということで、半夏生の由来となったという説もあります。
別名「片白草(カタシログサ)」とも呼ばれていますが、開花時期は6月~8月頃とされています。
烏柄杓同様、「夏の半ば」に花を咲かせることから「半夏」という漢字が使われています。
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2023年の半夏生はいつ?
2023年(令和5年)の半夏生は7月2日(日)となっています。
日本の国立天文台(NAOJ)が発表している、太陽黄経100度に達する時間は午前11時36分です。
また、期間としての半夏生は新暦の七夕までなので、7月2日~7月7日(金)です。
時期的には梅雨明けしている地域もあれば、していない地域もあるかと思われます。
近年では線状降水帯の発生による大雨も頻発していますので、くれぐれもご注意くださいね!
半夏生を過ぎ梅雨が明けると、夏の暑さがどんどん増して立秋(8月8日)前後に猛暑のピークを迎えます。
半夏生にタコを食べる理由とは?
主に関西地方では、半夏生にタコを食べるという習慣があります。
その理由としては、吸盤を持つタコの足のように「稲の根がしっかり地面を捉えて張るように」という願いが込められているからです。
田植えが終わった頃の稲の苗は寒暖差に弱く、苗自体が委縮したり、根の張り方も一定ではありません。
6月~7月頃といっても「梅雨寒」という言葉があるくらいなので、楽観視はできないのです。
そのため、半夏生に苗の健やかな成長やその後の豊作を祈願して、タコを食べる習慣が根付いたようです。
単なる願懸けと思われがちですが、農耕民族の日本人にとって豊作祈願は当たり前の文化ですよね!
また、半夏生には以下のようなものを食べる習慣のある地域もあります。
- 香川県:讃岐うどん
- 奈良県の一部:小麦を混ぜたきな粉餅
- 長野県の一部:芋汁
- 福井県の一部:鯖(サバ)
採れたての小麦や旬の野菜や魚を使った料理を食べて、「再び元気に働けるように」という願いが込められているようです。
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半夏生の頃に降る半夏雨とは?
半夏生の頃に降る「半夏雨(はんげあめ)」とは、梅雨終盤に見られる大雨を指しています。
7月初旬となると、梅雨前線が活発化して集中豪雨を降らせることも珍しくありません。
ただ、なぜわざわざ「半夏雨」という名前を付けたのかは疑問が残りますが…
一般的には農家への注意喚起が目的だったと考えられています。
半夏生までに畑仕事や田植えを終わらせておかないと、秋の収穫量が減ってしまうため、作業を促進する意図があったようです。
また、半夏雨と呼ばれる大雨に見舞われると、作業はおろか外出すらも困難になります。
そのため、農家以外の人々も「家の中でゆっくり過ごそう」と思えるようなネーミングとして半夏雨が使われていたようです。
今ではほとんど耳にしませんが、先人たちの知恵が生み出した雨の名前といえそうです。
半夏生には天から毒気が降る?
昔からの言い伝えとして「半夏生には天から毒気が降る」というモノがあります。
一説には、井戸の蓋を塞いだり、旬の山菜や野菜を食べることも禁じられていたといわれています。
なぜ、そのような言い伝えが広まったのかという疑問については以下の3つの説があります。
- 半夏生の由来となったサトイモ科の烏柄杓(カラスビシャク)に毒がある
- 梅雨時にはカビや雑菌が繁殖しやすく、腹痛や下痢を起こすことが多い
- 半夏雨による濁流が井戸に流れ込み汚染してしまう
1つ目のサトイモ科の烏柄杓(カラスビシャク)は薬草でもありますが…
シュウ酸カルシウムやサポニンといった毒性を持つ植物の1つでもあります。
ただ、半夏生の名前の由来となっただけで、食べていた記録はありませんので…
天から毒が降るという言い伝えとは無関係のようにも思えます。
2つ目の梅雨時にカビや雑菌が繁殖しやすく、人体に害を及ぼすという説は…
7月頃の日本の気候からも納得できますよね。
3つ目の半夏雨による濁流が井戸に流れ込み汚染してしまうという説もありますが…
どちらかといえば、半夏生には天から毒気が降るという言い伝えが先に生まれ、井戸に蓋をしていたことも考えられます。
今となっては真相は解明できませんが、個人的には梅雨時の蒸し暑い気候により…
カビや雑菌による食中毒が増えたことが原因だったのではないかと思われます。
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半夏生とは?2023年はいつ?タコを食べる理由や半夏雨について!のまとめ
- 半夏生とは暦注に含まれる雑節の1つ
- 太陽黄経100度になった瞬間を含む日のこと
- 期間としては7月2日頃から七夕(7月7日)までの約5~6日間
- 2023年の半夏生は7月2日(日)で、時間は午前11時36分
- 半夏生は二十四節気の夏至の七十二候の末候に由来する
- サトイモ科の烏柄杓やドクダミ科の半夏生は生える頃とされている
- タコを食べる理由は「稲の苗が根を張るように」との願いから
- 半夏雨とは梅雨明け前に降る大雨を指す
- 半夏生には天から毒気が降るという言い伝えがある
日本独自の雑節といえば、節分やお彼岸、八十八夜が有名ですよね。
7月上旬には半夏生も巡ってきますので、タコを食べて英気を養うのもオススメですよ!
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