春分の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月14日2023年1月26日はがき・手紙のマナー

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶に「春分の候」があります。

二十四節気の1つを含む言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておく、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

春分の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重視される「結びの挨拶」とともにセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、春分の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

春分の候を使う時期はいつ？

春分の候を使う時期は、例年3月21日頃～4月4日頃です。

これは、1年を24等分の季節に分けた「春分」の期間で、約15日間となっています。

 

以下に、旧暦の春に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦年	新暦初日
春	初春	1	立春	1月節	2月4日頃
		2	雨水	1月中	2月18日頃
	仲春	3	啓蟄	2月節	3月6日頃
		4	春分	2月中	3月21日頃
	晩春	5	清明	3月節	4月5日頃
		6	穀雨	3月中	4月20日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています

二十四節気（旧暦）の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節に分けられています。

この中で、春分は仲春の後半にあたり、立春から数えて4番目に巡ってくる節気（中気）です。

 

立春の候を使う時期は、暦の上での仲春の後半に限定されています。

次の節気で4月5日頃の「清明」を迎えると、季節は晩春（の前半）に移り変わります。

 

すると、立春の候を使う時期から外れてしまうため、前日4月4日頃までの使用にとどめます。

二十四節気を含む時候の挨拶は該当する節気の期間のみ使用可能となっています。

春分の候の読み方は？

春分の候の読み方は「しゅんぶんのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

春分単体でも訓読みにすることはなく、「しゅんぶん」として俳句の仲春の季語になっています。

そもそも二十四節気の1つなので、読み間違いは少ないと思われます。

 

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

春分の候の意味は？

春分の候は「暦の上では春分を迎えましたが…」という意味です。

二十四節気の春分の初日は、以下の通り季節の大きな分かれ目となっています。

• 太陽が春分点（太陽黄経0度）を通過する
• 太陽が真東から昇り、真西に沈む
• 昼と夜の長さが同じになる
• 春のお彼岸（7日間）の中日（真ん中）
• 夏至・冬至・秋分とともに「二至二分（にしにぶん）」の1つ

 

また、期間としての春分は・・・

• 暖かい春の陽気に包まれる
• 桜の花が見頃を迎える
• 筍が旬に入り、山菜シーズンのはじめ頃
• 受験シーズンの終わりと最終進路の決定
• 年度末から新年度に移行する
• 別れと出逢いの季節
• 新社会人の誕生

などのイメージもありますよね。

 

春分の候には「季節だけでなく、人生の大きな節目を迎える頃」といったニュアンスも含まれています。

また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

春分の候の使い方の例文と結び！

では、春分の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶と併せて参考にしてくださいね。

 

漢語調の時候の挨拶の前提として、「春分の候」「春分の折（おり）「春分の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向があります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　春分の候、○○様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
• 拝呈　春分の候、皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
• 謹啓　春分の候、皆様にはいよいよご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　春分の候、ご尊家様にはますますご清祥の段大慶に存じます。
• 恭敬　春分の候、ご一同様におかれましては益々ご壮健の由慶賀の至りに存じます。

 

時候の挨拶に続けて、相手の健康を喜ぶ言葉を入れておきましょう。

「～のことと」の代わりに「～段」「～由」「～趣」「～の御事」「～のことと承り」なども使用できますよ！

 

【結び】

• 年度末のお忙しい時期かと存じます。くれぐれもお身体大切にお過ごしください。敬具
• 花冷えの時節柄、風邪などめされませんよう、お気をつけください。敬白
• 春の天候は不安定です。どうかご自愛専一にてご活躍ください。拝具
• 新生活が実り多きものになりますよう、家族一同心よりご祈念申し上げます。かしこ
• 新年度を迎えられ、なにかとお忙しいことと存じます。無理をなさらずご健康にご留意くださいませ。謹白

 

結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。

年度をまたぐということもあり、新生活での活躍や幸運を祈るような文章もオススメです！

 

また、冒頭の頭語と最後の締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

最もポピュラーとされる頭語と結語の組み合わせは「拝啓」+「敬具」ですね。

より丁寧な印象にしたい時は、「謹啓」+「謹白」などを使うとよいです。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　春分の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
• 拝呈　春分の候、貴店いよいよご隆盛のことと存じ、お慶び申し上げます。
• 啓上　春分の候、貴社にはますますご盛栄の御事大慶に存じます。
• 謹啓　春分の候、貴店におかれましては益々ご隆昌の御事慶賀の至りに存じます。
• 粛啓　春分の候、貴店におかれましては益々ご盛業ことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。（銀行なら貴行）

「お慶び」「お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀の至り」「慶祝の至り」なども便利です。

 

【結び】

• 年度末のお忙しい時節柄、皆様のご健勝とご活躍を社員一同心より祈念致します。まずは書中にてお報告申し上げます。敬具
• 新年度に向け、貴社ますますのご繁栄を衷心よりお祈り申し上げます。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬白
• 新年度も引き続きお引き立てを賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申しげます。拝具
• 今後とも格別のお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。略儀失礼ながら、お礼かたがたご挨拶申し上げます。謹白
• 今後ともより一層のご厚誼を賜りますよう、社員一同謹んでお願い申し上げます。末筆ながら、厚く御礼申し上げます。謹言

 

結びには「相手の会社の更なる発展」と「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

お互い忙しい時期なので「まずは」「取り急ぎ」「書中にて」「略儀ながら」を使う機会も増えそうです。

春分の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ