炎暑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶に「炎暑の候」があります。
暑い夏を連想させる言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、「常識のない人」と思われる心配も無用です。
炎暑の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等の締めくくりとなる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、炎暑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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炎暑の候を使う時期はいつ?
炎暑の候を使う時期は、例年7月19日頃~8月6日頃となっています。
これは1年で最も暑さが厳しいといわれる「夏の土用(暑中)」の約18日間にあたります。
また、1年を24等分の季節に分けた二十四節気では、「小暑」の終盤~「大暑」の期間です。
以下に、旧暦の夏を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
夏 | 初夏 | 7 | 立夏 | 4月節 | 5月5日頃 |
8 | 小満 | 4月中 | 5月21日頃 | ||
仲夏 | 9 | 芒種 | 5月節 | 6月6日頃 | |
10 | 夏至 | 5月中 | 6月21日頃 | ||
晩夏 | 11 | 小暑 | 6月節 | 7月7日頃 | |
12 | 大暑 | 6月中 | 7月23日頃 | ||
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 7月節 | 8月7日頃 |
14 | 処暑 | 7月中 | 8月23日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
炎暑の候の使い始めは、例年7月19日頃~20日頃の「夏の土用入り」が目安です。
二十四節気では晩夏の前半にあたる「小暑(7月22日頃まで)」の最終盤の時期となります。
使い終わりは8月6日頃の「立秋の前日(土用明け)」と明確に決められています。
つまり、炎暑の候は晩夏の後半にあたる「大暑」の期間の終わりまで使用可能です。
8月7日頃の「立秋」を迎えると暦の上では秋に移り替わるため、時期外れとなります。
紛らわしく感じる場合、7月20日からの使用が最も無難ですが、「大暑」の期間に限定してもよいですね!
また、炎暑の候は真夏の暑い時期の時候の挨拶なので、梅雨明け後の使用が前提条件です。
炎暑の候の読み方は?
炎暑の候の読み方は「えんしょのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
炎暑単体でも訓読みにすることはなく、「えんしょ」として俳句の晩夏の季語になっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
炎暑の候の意味は?
炎暑の候は「燃えるような真夏の暑い時期を迎えましたが…」という意味です。
そもそも炎暑とは「夏の厳しい暑さ」を表す言葉で、イメージとして…
- 焼けつくような暑さ
- 地獄の釜のような暑さ
- 茹(う)だるような暑さ
- サウナのような暑さ
などと言い換えることもできます。
とくに炎暑の文字から連想されるのは、「ぎらつくような真夏の強烈な日差し」です。
地面からの照り返しによる暑さも含め、炎天下では熱中症の被害も続出する頃になります。
もちろん室内にいても熱気に耐えられず、エアコンの冷房無しでは過ごしにくいですよね!
炎暑の候には「強烈な日差し」「身の危険を感じる暑さ」「過ごしにくい季節」というネガティブなニュアンスが含まれています。
また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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炎暑の候の使い方の例文と結び!
では、炎暑の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね!
漢語調の時候の挨拶の前提として、「炎暑の候」「炎暑の折(おり)」「炎暑の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 炎暑の候、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 拝啓 炎暑の候、皆様ますますご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。
- 謹啓 炎暑の候、皆様にはいよいよご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 炎暑の候、ご家族におかれましては益々ご清福の段大慶に存じます。
- 恭敬 炎暑の候、ご一同様におかれまして益々ご清栄の由慶祝の至りに存じます。
炎暑の候以下は、相手の健康を祝う言葉を入れるのが一般的です。
「皆様」の代用として「皆々様」「ご家族様」「ご家族の実様方」「ご一同様」などが使えます。
【結び】
- 時節柄、お体をくれぐれもご自愛くださいますように。敬具
- 天候不順の折から、何卒体調管理にご留意くださいませ。敬具
- 今年は一段と暑さが増しているようです。どうぞお体をおいといください。拝具
- 大暑の折、皆様のご健康とご多幸を心より祈念致します。謹白
- 盛夏のみぎり、皆様おそろいで夏休みを満喫してください。かしこ
結びの挨拶にも相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう!
漢語調の時候の挨拶を利用すると、文章も構成しやすくなりますよ。
また、冒頭の頭語と手紙を締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
「拝啓」+「敬具」の組み合わせでも十分敬意を表すことができます。
より改まった印象にしたい場合、「謹啓」+「敬白」などを使用するとよいでしょう!
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 炎暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 炎暑の候、貴社いよいよご隆盛ことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 炎暑の候、貴社にはますますご発展の段大慶に存じます。
- 謹啓 炎暑の候 貴店におかれましては益々ご隆昌の御事慶賀の至りに存じます。
- 恭敬 炎暑の候 貴店にはますますご盛業のこととお慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語として「貴社」「貴店」を使用します。
「~のことと拝察し」「~のことと承り」「~の趣」「~段」「~の由」「~の御事」も便利です。
【結び】
- 今後とも、宜しくご支援くださいますようお願い申し上げます。まずはご挨拶まで申し上げます。敬具
- 今後とも、より一層のご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご通知申し上げます。敬具
- これからも倍旧のお力添えを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。敬白
- 炎熱の折、貴社ますますのご隆盛を社員一同衷心より祈念致します。略儀失礼ながら、書中にて厚く御礼申し上げます。敬白
- 酷暑のみぎり、○○様のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げます。まずは、用件のみにて失礼いたします。謹白
ビジネスレターの結びには相手の会社の繁栄や取引先の個人の活躍を祈願する言葉を入れておきましょう!
「まずは」「取り急ぎ」「略儀ながら」「末筆ながら」などを使って締めておくことも多いです。
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炎暑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 炎暑の候を使う時期は例年7月19日頃~8月6日頃
- 夏の土用(暑中)の時期に使われている
- 「7月20日~」や「大暑」の期間もオススメ
- 炎暑の候の読み方は「えんしょのこう」
- 意味は「燃えるような真夏の暑い時期を迎えましたが…」
- 「強烈な日差し」「身の危険を感じる暑さ」「過ごしにくい季節」などのニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
炎暑の候は真夏の最も暑い時期に使われる時候の挨拶でしたね。
普段お世話になっている方への季節の挨拶状(お見舞い状)などにご活用くださいね!
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