歳晩の候を使う時期はいつ？読み方と意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月30日2022年7月2日はがき・手紙のマナー

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つに「歳晩の候」があります。

年末をイメージさせる言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

歳晩の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、歳晩の候を使う時期はいつ？読み方と意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

歳晩の候を使う時期はいつ？

歳晩の候を使う時期は、例年12月21日頃～12月31日（大晦日）が目安です。

以下に、旧暦の冬に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
冬	初冬	19	立冬	10月節	11月7日頃
		20	小雪	10月中	11月22日頃
	仲冬	21	大雪	11月節	12月7日頃
		22	冬至	11月中	12月22日頃
	晩冬	23	小寒	12月節	1月5日頃
		24	大寒	12月中	1月20日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています。

二十四節気（旧暦）の冬は「初冬・仲冬・晩冬」の3つの季節（三冬）に分けられています。

その中で、歳晩の候を使う時期は仲冬の一部となります。

 

使い始めは、立春から数えて21番目に巡ってくる節気「大雪」の最終盤にあたる12月21日頃。

使い終わりは、同じく22番目に巡ってくる中気「冬至」の中頃の12月31日です。

 

新暦（太陽暦＝グレゴリオ暦）の1月1日（元日）を迎えると、年始（年頭）に入ります。

すると、歳晩の候を使う時期から外れてしまうため、大晦日までの使用にとどめます。

歳晩の候の読み方は？

歳晩の候の読み方は「さいばんのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

歳晩単体でも訓読みにすることはなく、「さいばん」として年の暮の子季語になっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

歳晩の候の意味は？

歳晩の候は「今年も年の暮れを迎えましたが…」という意味です。

そもそも歳晩とは「1年が終わる頃」を表す言葉となっています。

 

同時期に使われる類義語に「年末、歳末、年の瀬、年の暮れ」などがあり…

1年で最も忙しいイメージのある師走（12月）の中でも、押し詰まった下旬頃に使われています。

 

12月中であればいつからという定義はありませんが、一般的に年越しが切迫して時間的余裕が無くなった頃を呼びますね！

特にクリスマスを過ぎたあたりから本格的に正月準備が始まりますので、大晦日に向け忙しくなる一方です。

 

歳晩の候には「今年もとうとう終わってしまう」という少し寂し気なニュアンスも含まれています。

また、「候」は暑さ寒さといった気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

歳晩の候の使い方の例文と結び！

では、歳晩の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね！

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「歳晩の候」「歳晩の折（おり）」「歳晩の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　歳晩の候、〇〇様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
• 拝呈　歳晩の候、皆様いよいよご清適のこととお慶び申し上げます。
• 謹啓　歳晩の候、皆様にはますますご健勝のことと拝察し、何よりと存じます。
• 謹呈　歳晩の候、ご尊家様にはいよいよご清福の段大慶に存じます。
• 恭敬　歳晩の候、ご家族様におかれましては益々ご清祥の由慶祝の至りに存じます。

 

歳晩の候に引き続き、相手の健康を祝う言葉を入れておきましょう！

「～のことと」の代わりとして「～の段」「～由」「～の趣」「～の御事」などが使えます。

【結び】

• 寒気いよいよ厳しい折から、くれぐれもお体大事に新年の門出をお迎えください。敬具
• 何かとお忙しい時期ですが、ご無理なさらずお体をおいといください。敬白
• 今年もいろいろとお世話になりました。来年もご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。拝具
• 今年も残すところわずかとなりました。皆様おそろいでよいお年をお迎えください。かしこ
• 日頃の激務でお疲れのことと存じます。くれぐれもご健勝にて新年をお迎えください。謹言

 

結びには相手の健康を気遣う言葉を入れておきたいところです。

年末ということもあり、新年の相手の健康や幸福を祈るような文章もよいでしょう！

 

また、冒頭の頭語と最後の締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

より改まった印象にしたい場合、頭語は「拝啓」より「謹啓」「謹呈」などがオススメです。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　歳晩の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
• 拝呈　歳晩の候、貴店いよいよご盛業ことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　歳晩の候、貴社にはますますご隆盛の趣承り、大慶に存じます。
• 謹呈　歳晩の候、貴店におかれましてはいよいよご盛栄の御事慶賀の至りに存じます。
• 粛啓　歳晩の候、貴社におかれましては益々ご隆昌のことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。（銀行は貴行）

「さらに」「より一層」という意味の「ますます」「いよいよ」はどちらも同様に使えます。

 

【結び】

• 寒冷の候、皆様より一層のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
• 新年の貴社いよいよのご隆昌を社員一同衷心より祈念致します。まずは、書中にてお礼とご報告を申し上げます。敬白
• 来年も変わらぬご愛顧を賜りますよう弊社一同心よりお祈り申し上げます。取り急ぎ、お知らせのみで失礼します。拝具
• 来年も倍旧のご助力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にて深謝申し上げます。謹言
• 明年も格別のご贔屓を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。誠に略儀ではございますが、書中にて厚く御礼申し上げます。頓首

 

結びには「相手の会社の一層の発展」と「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「まずは」「取り急ぎ」「略儀ながら」などを使って丁寧に締めておくと好印象ですね！

歳晩の候を使う時期はいつ？読み方と意味は？使い方の例文と結び！のまとめ