社日とは?2023年はいつ?お供え物ややってはいけないことは?

2023年1月16日行事・カレンダー

社日とは 2023年 いつ お供え物 やってはいけないこと

日本の暦の中にある雑節の1つで、特に農家と深い関わりを持つ日とされる「社日」

日付が毎年固定ではないため、2023年はいつなのか気になる人も多いかもしれませんね。

 

今では馴染みの薄いマイナーな暦日という印象は拭えませんが…

社日とはどんな意味や由来を持つ日なのか、知っておいて損はありませんよ!

 

また、日付の決め方やお供え物、やってはいけないことなどもまとめてみましたので、ぜひ参考にしてくださいね。

そこで今回は、社日とは?2023年はいつ?お供え物ややってはいけないことは?というテーマでご紹介します。

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社日とは?

社日とは

社日(しゃにち)とは、旧暦(太陰太陽暦)の時代に設けられた雑節の1つで…

私たちが生まれた土地の守護神とされる「産土神(うぶすながみ)」を祀る日のことです。

 

産土神は「地神(じがみ)」と同義として捉えられ、「土の神」土地の神」「農業の神」「百姓の神」として崇められる存在でもあります。

お彼岸と同様、社日は春と秋の年2回巡ってきますが、それぞれの呼び名や日付は以下の通りです。

季節 社日 読み 日付
春社 しゅんしゃ
はるしゃ
春分に最も近い戊の日
秋社 しゅうしゃ
あきしゃ
秋分に最も近い戊の日

※「戊」は十干の1つで「つちのえ」と読みます

地神は「春の社日に地上に降りられ、秋の社日に天に帰られる」といわれており…

春は「地神降り(じがみおり)」、秋は「地神昇り(じがみのぼり)」と別称で呼ぶこともあります。

 

昔から「春は種まき、秋は収穫」の時期なので、社日は特に農家や農業関係者にとって重要な1日とされてきました。

当日は農作業を休んで土地の産土神に参拝し、春は豊作祈願を行う日、秋は1年の収穫に感謝する日となっています。

社日の由来とは?

社日は、古代中国で土地神を祀っていた習慣に由来し、日本に伝来して習慣化したものです。

もともと「社」という字は「土地の守護神」「土の神」を表しており、「やしろ」と読むと「神が降臨する所」「神を祀る建物」という意味になります。

 

「社日」という言葉自体が「土地神を祀ること」を表しており、古代中国でも同じような文化が存在していたようです。

この文化が日本各地の農耕神(田の神・農神・作神・百姓神など)と習合し、さらに地神信仰と融合して定着したものと見られています。

 

もちろん起源は中国にありましたが、社日はあくまで日本独自に設けられた雑節の1つです。

雑節とは?
旧暦(太陰太陽暦)時代に、月日の移り変わりを正確に把握するために二十四節気や五節句以外に設けられた特別な暦日のことです。節分・お彼岸・土用・八十八夜・半夏生・入梅・二百十日・二百二十日なども雑節になります。

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社日の日付の決め方

春と秋の社日の日付は土の神に由来し、それぞれ「春分・秋分に最も近い戊(つちのえ)の日」とされています。

ただし、古代中国で生まれた陰陽五行思想の「十干(じっかん)」で日付を決めているため、注意点もあります。

 

十干とは五行思想の5種類の元素(木・火・土・金・水)を、陰陽思想の「陽=兄(え)」「陰=弟(と)」に分けて順番に並べたものです。

「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類ですが、以下のように「兄(え)」と「弟(と)」が交互になるよう配列してあります。

元素 兄(え) 弟(と)
木(もく) 甲(きのえ) 乙(きのと)
火(か) 丙(ひのえ) 丁(ひのと)
土(と) 戊(つちのえ) 己(つちのと)
金(きん) 庚(かのえ) 辛(かのと)
水(すい) 壬(みずのえ) 癸(みずのと)

問題点とされるのが、春分・秋分の日が「癸(みずのと)」の日になることですが…

社日の日とされる戊(つちのえ)の日が春分・秋分の日の5日前なのか、5日後なのか判断が難しくなります。

 

そのため、春分(太陽黄経0度)の瞬間が午前中に来れば、5日前の戊の日を社日とし…

午後に来れば、5日後の戌の日を社日とするという決まりになっています。

 

秋の社日も同様に、秋分(太陽黄経180度)の瞬間が午前中に来るか、午後に来るかで日付が10日ほど変わることになります。


社日2023年はいつ?

社日 2023年 いつ

2023年(令和5年)の社日(春と秋)の日付は以下グラフの通りです。

(※日の干支(えと)と春分・秋分の日も併せてチェックしてくださいね!)

社日 日付 日の干支 春分・秋分の日
春社 3月21日(火) 戊寅 3月21日(火)
秋社 9月27日(水) 戊子 9月23日(土)

春の社日(春社)の干支は「戊寅(つちのえとら)」で、春分の日(祝日)当日になります。

秋の社日(秋社)の干支は「戊子(つちのえね)」で、秋分の日の4日後となっています。

 

2023年の春・秋のお彼岸と照らし合わせると…

  • 春社=お彼岸の中日(なかび・ちゅうにち)
  • 秋社=彼岸明け(お彼岸の最終日)の翌日

という巡り合わせになっていますね!

 

ちなみに、日に割り振られた干支(えと・かんし)は…

前述した十干と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の組み合わせにより全60通りあります。

 

年や月、日、方位などに割り振られていますが、60年で1周する「還暦」が有名ですね。

社日に当てられる「戊」といっても、干支で見ると「戊辰・戊寅・戊子・戊戌・戊申・戊午」の6種類がありますので、覚えておくと便利ですよ!

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社日のお供え物は?

社日 お供え物

社日のお供え物は地域によっても異なるため、代表的なものをご紹介しますね!

産土神を祀る地元の神社の他、家庭では家の床の間などにお供えします。

【春社のお供え物】

  • 五穀(米・麦・あわ・きび・豆)の種
  • その他の野菜などの種
  • ぼたもち
  • お酒


【秋社のお供え物】

  • 初穂(収穫前に神様への供物用に刈り取った稲穂)
  • お米(新米)
  • おはぎ
  • お酒

春社は種まき時期に当たるため、五穀をはじめとする農作物の種が主流です。

その他、お彼岸でも定番のぼたもちや、お銚子に入れたお酒を用意します。

 

秋社は収穫時期に当たるため、神に捧げる初穂は収穫への感謝の意を表すのに最適ですね!

その年に採れた新米を小皿に入れたり、一升瓶に詰めてお供えする地域も多いです。

 

秋は新鮮な小豆を使ったおはぎや、春と同じくお酒も定番となっています。

お供え物にはタブーも存在し、土に関係のない肉や魚介類はNGとなりますのでご注意くださいね。

ひとくちメモ
春の社日にお供えするお酒を「治聾酒(じろうしゅ)」と呼び、飲むと耳が良くなるという言い伝えがあります。お酒自体は一般的な日本酒なので、特別なものではありません。

社日にやってはいけないことは?

社日 やってはいけないこと

社日には、やってはいけないとされる禁忌(タブー)も存在します。

もともと土の神である産土神を祀る日なので、「土いじり」はNGとされてます。

 

土を掘り起こしたり、田畑を耕したりする行為は産土神を怒らせてしまうため、回避した方がよさそうです。

もともと社日祭を行うために農作業を休む日でもあるため、農家にとっては丁度よいのかもしれませんね!

 

また、その他の神事や婚礼もよくないとされる地域もありますが、はっきりした由来はわかっていません。


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社日とは?2023年はいつ?お供え物ややってはいけないことは?のまとめ

社日とは「土の神」「土地の神」を意味する産土神を祀る日のことで、日本独自の雑節の1つです。

2023年は春が3月21日(火)、秋が9月26日(水)となっています。

 

「春社は豊作祈願を行う日」「秋社は1年の収穫に感謝する日」と覚えておきたいですね。

今では馴染みの薄い暦日になりましたが、お近くの神社にお参りするのもよいと思いますよ。

 

社日の日取りは五行説の元素の「土」に由来するため、農作業などもお休みにした方がよさそうですね!