社日とは?2023年はいつ?お供え物ややってはいけないことは?
日本の暦の中にある雑節の1つで、特に農家と深い関わりを持つ日とされる「社日」。
日付が毎年固定ではないため、2023年はいつなのか気になる人も多いかもしれませんね。
今では馴染みの薄いマイナーな暦日という印象は拭えませんが…
社日とはどんな意味や由来を持つ日なのか、知っておいて損はありませんよ!
また、日付の決め方やお供え物、やってはいけないことなどもまとめてみましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
そこで今回は、社日とは?2023年はいつ?お供え物ややってはいけないことは?というテーマでご紹介します。
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社日とは?
社日(しゃにち)とは、旧暦(太陰太陽暦)の時代に設けられた雑節の1つで…
私たちが生まれた土地の守護神とされる「産土神(うぶすながみ)」を祀る日のことです。
産土神は「地神(じがみ)」と同義として捉えられ、「土の神」「土地の神」「農業の神」「百姓の神」として崇められる存在でもあります。
お彼岸と同様、社日は春と秋の年2回巡ってきますが、それぞれの呼び名や日付は以下の通りです。
季節 | 社日 | 読み | 日付 |
---|---|---|---|
春 | 春社 | しゅんしゃ はるしゃ |
春分に最も近い戊の日 |
秋 | 秋社 | しゅうしゃ あきしゃ |
秋分に最も近い戊の日 |
※「戊」は十干の1つで「つちのえ」と読みます
地神は「春の社日に地上に降りられ、秋の社日に天に帰られる」といわれており…
春は「地神降り(じがみおり)」、秋は「地神昇り(じがみのぼり)」と別称で呼ぶこともあります。
昔から「春は種まき、秋は収穫」の時期なので、社日は特に農家や農業関係者にとって重要な1日とされてきました。
当日は農作業を休んで土地の産土神に参拝し、春は豊作祈願を行う日、秋は1年の収穫に感謝する日となっています。
社日の由来とは?
社日は、古代中国で土地神を祀っていた習慣に由来し、日本に伝来して習慣化したものです。
もともと「社」という字は「土地の守護神」「土の神」を表しており、「やしろ」と読むと「神が降臨する所」「神を祀る建物」という意味になります。
「社日」という言葉自体が「土地神を祀ること」を表しており、古代中国でも同じような文化が存在していたようです。
この文化が日本各地の農耕神(田の神・農神・作神・百姓神など)と習合し、さらに地神信仰と融合して定着したものと見られています。
もちろん起源は中国にありましたが、社日はあくまで日本独自に設けられた雑節の1つです。
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社日の日付の決め方
春と秋の社日の日付は土の神に由来し、それぞれ「春分・秋分に最も近い戊(つちのえ)の日」とされています。
ただし、古代中国で生まれた陰陽五行思想の「十干(じっかん)」で日付を決めているため、注意点もあります。
十干とは五行思想の5種類の元素(木・火・土・金・水)を、陰陽思想の「陽=兄(え)」「陰=弟(と)」に分けて順番に並べたものです。
「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10種類ですが、以下のように「兄(え)」と「弟(と)」が交互になるよう配列してあります。
元素 | 兄(え) | 弟(と) |
---|---|---|
木(もく) | 甲(きのえ) | 乙(きのと) |
火(か) | 丙(ひのえ) | 丁(ひのと) |
土(と) | 戊(つちのえ) | 己(つちのと) |
金(きん) | 庚(かのえ) | 辛(かのと) |
水(すい) | 壬(みずのえ) | 癸(みずのと) |
問題点とされるのが、春分・秋分の日が「癸(みずのと)」の日になることですが…
社日の日とされる戊(つちのえ)の日が春分・秋分の日の5日前なのか、5日後なのか判断が難しくなります。
そのため、春分(太陽黄経0度)の瞬間が午前中に来れば、5日前の戊の日を社日とし…
午後に来れば、5日後の戌の日を社日とするという決まりになっています。
秋の社日も同様に、秋分(太陽黄経180度)の瞬間が午前中に来るか、午後に来るかで日付が10日ほど変わることになります。
社日2023年はいつ?
2023年(令和5年)の社日(春と秋)の日付は以下グラフの通りです。
(※日の干支(えと)と春分・秋分の日も併せてチェックしてくださいね!)
社日 | 日付 | 日の干支 | 春分・秋分の日 |
---|---|---|---|
春社 | 3月21日(火) | 戊寅 | 3月21日(火) |
秋社 | 9月27日(水) | 戊子 | 9月23日(土) |
春の社日(春社)の干支は「戊寅(つちのえとら)」で、春分の日(祝日)当日になります。
秋の社日(秋社)の干支は「戊子(つちのえね)」で、秋分の日の4日後となっています。
2023年の春・秋のお彼岸と照らし合わせると…
- 春社=お彼岸の中日(なかび・ちゅうにち)
- 秋社=彼岸明け(お彼岸の最終日)の翌日
という巡り合わせになっていますね!
ちなみに、日に割り振られた干支(えと・かんし)は…
前述した十干と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の組み合わせにより全60通りあります。
年や月、日、方位などに割り振られていますが、60年で1周する「還暦」が有名ですね。
社日に当てられる「戊」といっても、干支で見ると「戊辰・戊寅・戊子・戊戌・戊申・戊午」の6種類がありますので、覚えておくと便利ですよ!
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社日のお供え物は?
社日のお供え物は地域によっても異なるため、代表的なものをご紹介しますね!
産土神を祀る地元の神社の他、家庭では家の床の間などにお供えします。
【春社のお供え物】
- 五穀(米・麦・あわ・きび・豆)の種
- その他の野菜などの種
- ぼたもち
- お酒
【秋社のお供え物】
- 初穂(収穫前に神様への供物用に刈り取った稲穂)
- お米(新米)
- おはぎ
- お酒
春社は種まき時期に当たるため、五穀をはじめとする農作物の種が主流です。
その他、お彼岸でも定番のぼたもちや、お銚子に入れたお酒を用意します。
秋社は収穫時期に当たるため、神に捧げる初穂は収穫への感謝の意を表すのに最適ですね!
その年に採れた新米を小皿に入れたり、一升瓶に詰めてお供えする地域も多いです。
秋は新鮮な小豆を使ったおはぎや、春と同じくお酒も定番となっています。
お供え物にはタブーも存在し、土に関係のない肉や魚介類はNGとなりますのでご注意くださいね。
社日にやってはいけないことは?
社日には、やってはいけないとされる禁忌(タブー)も存在します。
もともと土の神である産土神を祀る日なので、「土いじり」はNGとされてます。
土を掘り起こしたり、田畑を耕したりする行為は産土神を怒らせてしまうため、回避した方がよさそうです。
もともと社日祭を行うために農作業を休む日でもあるため、農家にとっては丁度よいのかもしれませんね!
また、その他の神事や婚礼もよくないとされる地域もありますが、はっきりした由来はわかっていません。
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社日とは?2023年はいつ?お供え物ややってはいけないことは?のまとめ
社日とは「土の神」「土地の神」を意味する産土神を祀る日のことで、日本独自の雑節の1つです。
2023年は春が3月21日(火)、秋が9月26日(水)となっています。
「春社は豊作祈願を行う日」「秋社は1年の収穫に感謝する日」と覚えておきたいですね。
今では馴染みの薄い暦日になりましたが、お近くの神社にお参りするのもよいと思いますよ。
社日の日取りは五行説の元素の「土」に由来するため、農作業などもお休みにした方がよさそうですね!
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