クリスマスに七面鳥をなぜ食べる?感謝祭に由来!日本ではチキンの理由も!
欧米を中心にクリスマスの定番料理の食材となっている七面鳥。
聖なる夜に1羽を丸焼きにしたローストターキーを大人数で囲んでいる印象も強いですね!
ただ、クリスマスに七面鳥をなぜ食べるのか、疑問に思ったことはありませんか?
実はアメリカの感謝祭に由来するという説が濃厚です。
日本ではチキンを食べる習慣の方が強く根付いていますが、その理由も気になりますよね。
そこで今回は、クリスマスに七面鳥をなぜ食べる?感謝祭に由来!日本ではチキンの理由も!というテーマでご紹介します。
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クリスマスに七面鳥をなぜ食べる?
クリスマスに七面鳥を食べるのは、17世紀中頃から「縁起のよい鳥」とされているからです。
もともと北アメリカ原産の七面鳥は、アメリカ、カナダ南部、メキシコに分布していました。
アメリカ先住民族のインディアンは家禽として家畜化し、貴重なタンパク源としていたのです。
大航海時代の1519年になると、スペイン人が七面鳥を母国に持ち帰り、ヨーロッパに伝わったといわれています。
しかし、この時代のクリスマスの定番料理はガチョウ料理がメインで、牛肉や豚肉なども食べていました。
1620年には、イギリスのピューリタン(清教徒)がアメリカ大陸に移住し、七面鳥と運命の出逢いを果たします。
この出来事がアメリカの感謝祭(11月の第4木曜)発祥の由来となり…
「七面鳥=縁起のよい鳥」として、クリスマスだけでなく結婚式などのおめでたいシーンで食べられるようになりました。
現在ではローストターキーはクリスマス料理の定番となりましたが…
もともとは感謝祭発祥にまつわる、とある出来後によって定着した食文化の1つです。
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クリスマスに七面鳥を食べるのは感謝祭に由来!
もともとはクリスマスではなく、アメリカの感謝祭に食べられるようになった七面鳥。
由来となった出来事とは、イギリスから移民したピューリタンと先住民族のインディアンの交流から始まっています。
イギリスに君臨していたジェームス1世の弾圧を恐れたピューリタンは…
1620年にメイフラワー号に乗り込み、新天地となるアメリカ大陸北部のプリマス植民地に移住。
「巡礼始祖」を意味する「ピルグリム」からピルグリム・ファーザーズと呼ばれる人たちです。
彼らは農作業や家畜によって生活するつもりでしたが、アメリカの気候と風土に合わず大失敗。
さらに1620年の冬は寒さが一段と厳しく、完全に食糧難に陥り、餓死者も出してしまいました。
それを見兼ねた近隣のインディアン・ワンパノアグ族は七面鳥を贈り、多くの命を救っています。
また、トウモロコシの栽培技術などを教え、ピルグリムは翌1621年に大収穫に成功しました。
その年の秋には感謝の意を込めてワンパノアグ族を招待し、逆に七面鳥を贈り、収穫物でご馳走を振舞ったといわれています。
この出来事から2年後にはプリマス植民地で初の感謝祭が行われ…
現在11月の第4木曜とされるアメリカの感謝祭発祥の由来となりました。
インディアンの施しにより多くの命を救った七面鳥は縁起物とされ、特にアメリカでは感謝祭だけでなくクリスマス料理の定番となりました。
その後、この習慣はヨーロッパを経由して世界中に広まったといわれています。
日本のクリスマスでは七面鳥よりチキンを食べる理由!
1960年代の日本でも、クリスマスに七面鳥を食べる習慣が一時的に流行しています。
ただ、残念ながら定着することはなく、現在ではチキンがメインディッシュとなっていますよね。
日本のクリスマスで七面鳥が定着しなかった理由として、以下の5点が挙げられます。
- 七面鳥の肉は大きく、焼けるオーブンが普及していなかった
- そもそも数が少なく、入手困難だった
- チキンより高価で、一般市民は購入しようと思わなかった
- 筋肉質な肉で脂肪分が少なく、パサパサとして美味しくなかった
- ケンタッキーフライドチキンのクリスマス商戦でチキンが流行した
まず七面鳥はキジ目キジ科最大の鳥で、体重は3~9kgにもなります。
丸焼きにするには大き過ぎて、日本製のオーブンで焼くことは困難だったとされています。
当時は輸入量や飼育量も少ない上、高価で美味しくなければ定着しないのも無理はありません。
七面鳥はチキンより脂肪分が少ないため、旨味の少ないプレーンなお肉という印象です。
焼く前にお肉に野菜などの詰め物を入れるスタッフィングをする上に…
白ワインやオリーブオイルを使ったグレービーソース、クランベリーを使ったクランベリーソースがないと味気なく感じます。
当時の日本のクリスマスで、七面鳥の肉が定番となるにはハードルが高過ぎましたね!
加えて、ケンタッキーフライドチキンのクリスマスキャンペーンにより、チキンが大流行。
日本では1970年の万国博覧会に実験店をオープンしていますが、今ではクリスマス専用のパーティーバーレルが大人気ですね。
もともと舌の肥えた日本人と七面鳥の愛称も悪く、クリスマス料理といえばチキンが定番です。
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そもそも七面鳥ってどんな鳥?
日本人には馴染みの薄い七面鳥ですが、以下に基本データをまとめてみました。
七面鳥 | |
分類 | キジ目キジ科シチメンチョウ属 |
学名 | Meleagris gallopavo Linnaeus, 1758 |
英名 | Wild turkey Common turkey |
原産 | 北アメリカ |
体長 | オス:100~125cm程度 メス:70~90cm程度 |
体重 | オス:5~9kg程度(最大11kg) メス:3~5.5kg程度 |
走力 | 32km/h |
飛行能力 | ほとんど飛ばないが、ごくわずかの距離なら飛べる |
食性 | 種子、果実、昆虫、両生類などを食べる雑食性 |
和名の由来 | 興奮すると頭部が赤、ピンク、紫、青などに変色するため、七面鳥と呼ばれる |
七面鳥のオスの特徴として、鳥類が警戒した時に発する鳴き声(アラームコール)が挙げられます。
アラームコールの声量が大きく、テレビ番組などにもよく取り上げられています。
人の呼びかけに過剰反応する七面鳥群のおもしろ動画を観る(YouTube)
七面鳥を英語でターキーと呼ぶ理由!
七面鳥は英語で「ターキー(turkey)」と呼ばれています。
これは西アジアと東ヨ―ロッパが融合する国「トルコ」を表す英語表記と全く同じです。
もともとイギリスにはアフリカ原産の鳥・ホロホロチョウがトルコ経由で輸入されていました。
次に、アメリカから七面鳥が入って来た時、容姿がそっくりだったため、ホロホロチョウの輸入元だったトルコ(turkey)の名がそのまま付けられ定着したものです。
七面鳥を表すボウリング用語・ターキーの由来!
ボウリングで3連続ストライクを決めることを「ターキー」や「トリプル」と呼びます。
これは実際に、ターキーを決めた人に七面鳥が贈られていたことに由来します。
昔のボウリング場はレーンの完成度が低く凸凹としていたため、ストライクを決めること自体が難しかったようです。
ちなみに、ターキーにあやかり、4連続ストライクなら…
- 「フォーバーガー(4つのハンバーガー)」
- 「ハムボーン(骨付き肉)」
などと、後付け感満載のネーミングがボウリング用語にはたくさんありますね
七面鳥の恩赦とは?
アメリカ大統領が感謝祭の前に行う恒例行事に「七面鳥の恩赦」があります。
一般的に恩赦とは、裁判で確定した罪人の刑罰を軽くすることを呼びますよね。
七面鳥の場合は丸焼きなどの料理にされることを免れ、余生を全うすることができます。
ジョン・F・ ケネディ大統領に食べてほしいと贈られてきた七面鳥を、大統領が食べなかったことに由来する行事です。
以降、歴代の大統領が行っており、現バイデン大統領も感謝祭前の昨年11月19日、2羽の七面鳥に恩赦を出しています。
縁起の良いとされる七面鳥は感謝祭やクリスマスの定番食材ですが、それほどアメリカにとって大切な鳥という訳です。
アメリカの国鳥の有力候補の1つでしたが、惜しくもハクトウワシ(白頭鷲)に敗れています。
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クリスマスに七面鳥をなぜ食べる?感謝祭に由来!日本ではチキンの理由も!のまとめ
クリスマスの定番食材となっている七面鳥ですが、もともとはアメリカの感謝祭に由来しています。
先住民族インディアンが多くの命を救ったことで、縁起のよい鳥とされてきました。
日本のクリスマスといえばチキンが定番ですが、今でも七面鳥料理を作る主婦の方も多いです。
ネット通販やコストコなどでは確実に手に入りますので、一度は挑戦してみるのもよいでしょう!
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