新緑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
新緑の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
「緑」の文字が含まれていますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、誤用して「常識のない人」と思われる心配も無用です。
新緑の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等の締めくくりとなる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと重宝しますよ!
そこで今回は、新緑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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新緑の候を使う時期はいつ?
新緑の候を使う時期は、例年5月5日頃~5月31日頃です。
明確にいつからいつまでといった決まりはありませんので、あくまで目安として考えてくださいね!
以下に、旧暦の夏を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
春 | 晩春 | 5 | 清明 | 3月節 | 4月5日頃 |
6 | 穀雨 | 3月中 | 4月20日頃 | ||
夏 | 初夏 | 7 | 立夏 | 4月節 | 5月5日頃 |
8 | 小満 | 4月中 | 5月21日頃 | ||
仲夏 | 9 | 芒種 | 5月節 | 6月6日頃 | |
10 | 夏至 | 5月中 | 6月21日頃 | ||
晩夏 | 11 | 小暑 | 6月節 | 7月7日頃 | |
12 | 大暑 | 6月中 | 7月23日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
二十四節気(旧暦)の夏は「初夏・仲夏・晩夏」の3つ季節(三夏)に分けられています。
その中で、新緑の候を使う時期は、初夏(前半の節気と後半の中気)の大半を占めます。
使い始めは、立春から数えて7番目に巡ってくる節気「立夏」の初日にあたる5月5日頃。
使い終わりは、同じく8番目に巡ってくる中気「小満」の中頃にあたる5月31日頃です。
6月に入ると木々の葉の色が新緑より濃い緑を表す「深緑(青葉)の季節」に移り変わります。
すると、新緑の候を使う時期から外れてしまうため、5月末までの使用にとどめておきます。
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新緑の候の読み方は?
新緑の候の読み方は「しんりょくのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
新緑単体でも訓読みすることはなく、「しんりょく」として俳句の初夏の季語になっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
新緑の候の意味は?
新緑の候は「木々の初々しい若葉が眩しい季節を迎えましたが…」という意味です。
そもそも新緑とは、「初夏に見られる瑞々しい若葉やその立ち木」を表しています。
冬の間は枯れているように見える落葉樹も、4月頃の陽気に誘われ光合成が活発になります。
そして、一斉に木々の若葉が芽吹き、初夏の頃には自然を淡い緑色へと染めていきます。
一年を通して緑の葉をキープしている常緑樹も、新しい若葉が芽吹き成長を続ける頃です。
5月頃になると、瑞々しい葉の香りを含んだ南風(薫風)が吹くともいわれていますね!
新緑の候には「初夏の爽やかな季節に入り、徐々に暑さが増していく」というニュアンスも含まれています。
また、「候」は暑さ寒さといった気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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新緑の候の使い方の例文と結び!
では、新緑の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね。
漢語調の時候の挨拶の前提として「深緑の候」「新緑の折(おり)「新緑の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
拝啓 新緑の候、〇〇様にはお健やかにお暮しのことと存じます。
拝啓 新緑の候、皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
謹啓 新緑の候、皆様にはいよいよご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
謹啓 新緑の候、ご家族様にはますますご清栄の趣大慶に存じます。
恭敬 新緑の候、ご一同様におかれましては益々ご清適の段慶祝の至りに存じます。
新緑の候に引き続き、相手の健康を祝う言葉を入れておきましょう!
宛名の部分には「○○様」「皆様」「皆々様」「ご家族様」「ご尊家様」「ご一同様」「ご家族の皆様」などが使えます。
【結び】
- 季節の変わり目でございます。どうぞご自愛専一にてご精励ください。敬具
- 風爽やかな好季節、皆様ますますのご活躍をお祈り申し上げます。敬白
- 当地でも若葉が輝いておりますので、ぜひ足をお運びください。敬白
- 日中はうっすら汗をかく陽気です。何卒ご無理なさらずお健やかにお過ごしください。謹白
- 薫風のみぎり、皆様おそろいで若葉を季節を満喫なさってください。かしこ
結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉や幸福を祈る言葉を入れておくと好印象です。
「5月の爽やかな季節を満喫してください」といった内容もオススメですよ!
また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
最もポピュラーな頭語は「拝啓」ですが、「謹啓」「謹呈」などはより丁寧な印象になります。
ビジネスレターの例文と結び
【結び】
- 拝啓 新緑の候、貴社ますます繁栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 新緑の候、貴社いよいよご隆昌ことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 新緑の候、貴社にはますますご盛栄の由承り、大慶の至りに存じます。
- 謹呈 新緑の候、貴店におかれましてはいよいよご盛業の御事慶祝の至りに存じます。
- 粛啓 新緑の候、貴店におかれましては益々ご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行は貴行)
「お慶び・お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀」「慶祝」なども便利です。
【結び】
- 今後とも変わらぬご高配を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご報告まで。敬具
- 今後とも尚一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、お礼とご挨拶まで。敬具
- 今後とも格別のお力添えを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬白
- 立夏の折、皆様のご健勝とご活躍を弊社一同心よりお祈り申し上げます。まず、書中にて深謝申し上げます。拝具
- 初夏の候、貴社ますますのご盛栄を社員一同衷心より祈念致します。略儀ながら、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。謹白
結びには「相手の会社のさらなる発展」や「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。
「格別の」「より一層の」「倍旧の」などを使って、協力を強調しておきたいですね!
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新緑の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 新緑の候を使う時期は例年5月5日頃~5月31日頃が目安
- 現在の自然の様子に合わせ、4月終盤や5月頭から使ってもよい
- 読み方は「しんりょくのこう」
- 意味は「木々の初々しい若葉が眩しい季節を迎えましたが…」
- 「初夏の爽やかな季節に入り、徐々に暑さが増していく」というニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
新緑の候は、初夏のやや汗ばむ陽気の頃に使う時候の挨拶です。
知人・友人への季節の挨拶状やビジネスレターなどにぜひご活用くださいね!
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