仲春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月23日2022年6月25日はがき・手紙のマナー

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つに「仲春の候」があります。

暖かい春を連想させる言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておくと、誤用して「常識のない人」と思われる心配も無用です。

仲春の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等の締めとして重要な「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、仲春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

仲春の候を使う時期はいつ？

仲春の候を使う時期は、例年3月6日頃～4月4日頃です。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「啓蟄」～「春分」の約30日間になります。

 

以下に、旧暦の春に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
春	初春	1	立春	1月節	2月4日頃
		2	雨水	1月中	2月18日頃
	仲春	3	啓蟄	2月節	3月6日頃
		4	春分	2月中	3月21日頃
	晩春	5	清明	3月節	4月5日頃
		6	穀雨	3月中	4月20日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています

二十四節気（旧暦）の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節（三春）に分けられています。

その中で、仲春の候を使う時期は、仲春全般（前半の節気と後半の中気）です。

 

使い始めは、立春から数えて3番目の節気「啓蟄」の初日にあたる3月6日頃。

使い終わりは、同じく4番目の中気「春分」の最終日にあたる4月4日頃となっています。

 

次の節気で4月5日頃の「清明」を迎えると、季節は晩春に移り変わります。

すると、仲春の候を使う時期から外れてしまうため、前日4月4日頃までの使用にとどめます。

仲春の候の読み方は？

仲春の候の読み方は「ちゅうしゅんのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

仲春単体でも訓読みにすることはなく、「ちゅうしゅん」として季節を表す言葉となっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

仲春の候の意味は？

仲夏の候は「暦の上では春の中頃を迎えましたが…」という意味です。

そもそも仲春とは、前述した通り、春の3ヶ月の真ん中で陰暦2月を表しています。

 

新暦においては主に3月頃なので、前半はまだ肌寒い日が多い印象も強いですね。

ただ、桜や菜の花のつぼみも膨らみ、暖かい地域では開花時期を迎える所もあります。

 

ウグイスの鳴き声が聴こえてきたりと、春の陽気が強まるごとに自然も活気づく頃です。

さらに、年度末にもあたるため、卒業や転勤、人事異動などの節目のシーズンに入りますよね。

 

仲春の候には「すべてが春めく頃で、春爛漫の季節は目前」といったニュアンスも含まれています。

また、「候」は、暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

仲春の候の使い方の例文と結び！

では、仲春の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね！

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「仲春の候」「仲春の折（おり）」「仲春の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　仲春の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
• 拝啓　仲春の候、皆様ますますご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。
• 啓上　仲春の候、皆様にはいよいよご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます
• 謹啓　仲春の候、ご家族様にはますますご清適のことと承り、大慶に存じます。
• 謹啓　仲春の候、ご一同様におかれましては益々ご清福の趣慶祝の至りに存じます。

 

仲春の候だけで季節感は伝わりますので、相手の健康を祝う言葉を入れておきましょう！

「～のことと」より「～のことと拝察し」「～のことと承り」の方が丁寧な印象を受けます。

 

【結び】

• 春寒の折から、どうぞお体大事にお過ごしください。敬具
• 朝夕は寒さが残る時節柄、何卒ご自愛専一にてご活躍ください。敬具
• 花冷えのする季節でございますので、皆様暖かくしてお過ごしください。かしこ
• 年度末のお忙しい時期かと存じます。くれぐれもお体をおいといください。拝具
• 春暖の折、新生活が実り多きものになりますよう、心よりお祈り申し上げます。敬白

 

結びの挨拶には、相手の健康を気遣う言葉や幸せを祈る言葉入れておきます。

年度をまたぐこともあり、新生活の門出にエールを送るような文章もオススメですよ！

 

また、冒頭の頭語と最後を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

より改まった印象にしたい場合、頭語は「拝啓」より「謹啓」「謹呈」などを選びましょう。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　仲春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
• 拝啓　仲春の候、貴社いよいよご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　仲春の候、貴社にはますますご盛栄の段大慶に存じます。
• 謹啓　仲春の候、貴店におかれましてはいよいよご盛業の由慶賀の至りに存じます。
• 恭敬　仲春の候、貴店におかれましては益々ご隆昌ことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社の敬語「貴社」を使います。（お店は貴店、銀行は貴行）

「お慶び」「お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀の至り」「慶祝の至り」なども便利です。

 

【結び】

• 今後とも格別のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
• 新年度も倍旧のお引き立てを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
• 本年度も尚一層のご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。略儀失礼ながら、ご報告とご挨拶を申し上げます。敬白
• 本年度も貴社ますますのご隆盛を社員一同衷心より祈念致します。まずは、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。敬白
• 浅春の折、皆様のご健勝とご活躍を弊社一同心よりお祈り申し上げます。まずは、書中にて厚く御礼申し上げます。謹白

 

結びには「相手の会社の発展」や「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「格別の」「倍旧の」「より一層の」「尚一層の」などを使って、力添えを強調しておくとよいですね！

仲春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ