盛夏の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
手紙などに季節感を与えるための時候の挨拶の1つに盛夏の候があります。
夏という文字を含む言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか少し難しいですよね。
読み方や意味を理解しておけば、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。
盛夏の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめていますので参考にしてくださいね。
手紙の最後を締めくくる結びの挨拶と合わせ、今一度確認しておきましょう!
そこで今回は、盛夏の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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盛夏の候を使う時期はいつ?
盛夏の候を使う時期は、7月中旬~8月6日頃となっています。
ただし、真夏を連想させる時候の挨拶なので、相手の方のお住まいの地域が梅雨明けしてから使います。
以下に、旧暦の夏を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
夏 | 初夏 | 7 | 立夏 | 4月節 | 5月5日頃 |
8 | 小満 | 4月中 | 5月21日頃 | ||
仲夏 | 9 | 芒種 | 5月節 | 6月6日頃 | |
10 | 夏至 | 5月中 | 6月21日頃 | ||
晩夏 | 11 | 小暑 | 6月節 | 7月7日頃 | |
12 | 大暑 | 6月中 | 7月23日頃 | ||
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 7月節 | 8月7日頃 |
14 | 処暑 | 7月中 | 8月23日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
旧暦時代に作られた二十四節気の夏は「初夏・仲夏・晩夏」の3つに分けられています。
盛夏の候が使えるのは、晩夏にあたる「小暑」の後半~「大暑」の時期です。
8月7日頃の「立秋」を迎えると暦の上では秋を迎えますので、その前日までしか使えません。
また、グラフ上の晩夏とはあくまで旧暦の表現なので、新暦の現在では8月中旬~下旬を表します。
例年の梅雨明けに関しては、沖縄で6月21日頃、東北北部だと7月28日頃に迎えるようです。
盛夏の候はどの地域も7月中旬頃からしか使えませんが、特に北の地域ほど使用時期も短い傾向があります。
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盛夏の候の読み方は?
盛夏の候の読み方は「せいかのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は、漢字の部分を音読みにすることがほとんどです(※一部例外もあります)
盛夏単体で見ても「もりなつ」など訓読みにすることはありません。
「せいか」として俳句の夏の季語に使われています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
盛夏の候の意味は?
盛夏の候は「暑い夏の盛りを迎えましたが…」という意味です。
そもそも盛夏とは真夏と同義とされていますので、1年で最も暑い時期を迎えたことを表しています。
実際に梅雨が明けると気温がぐんぐん上昇し、猛暑日や熱帯夜が増え始めます。
日本は特に湿度も高いことから、部屋の中にいても熱中症になるケースも多いですよね。
そのため、盛夏の候には「茹(う)だるような暑い季節になった」という、ややネガティブなニュアンスも含まれています。
暑中見舞いを送り合う習慣があるのも、相手の健康を気遣ってのことですしね…。
また、「候」は、暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象などが見られる頃などを意味します。
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盛夏の候の使い方の例文と結び!
では、盛夏の候の使い方の例文をご紹介します。
お世話になっている方への季節の挨拶状と、ビジネスレターに分けてまとめています。
末文となる結びの挨拶も重要な役割を持ちますので、ぜひチェックしてくださいね!
尚、漢語調の時候の挨拶は「○○の候」「○○の折(おり)」「○○の砌(みぎり)」のうち、どれを使ってもOKです。
「○○の季節になりましたが…」といった口語調(和文調)の挨拶より、改まった印象も強いと思います。
季節の挨拶状の例文と結び
- 拝啓 盛夏の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 拝呈 盛夏の候、○○様にはますますご壮健にてご活躍のこととお慶び申し上げます。
- 啓上 盛夏の候、皆様にはますますご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 盛夏の候、ご家族様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 恭敬 盛夏の候、ご一同様にはますますご清適の段慶祝の至りに存じます。
盛夏の候だけで季節感を演出できるため、その他は夏らしい言葉を無理に入れる必要はありません。
続いて、相手の健康を気遣う・祝う文章でまとめるとよいでしょう!
- 寝苦しい夜が続きます。体調には十分ご留意くださいませ。敬具
- 厳しい暑さが続きますが、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。敬白
- 炎暑での激務でお疲れかと存じます。なにとぞお身体大切にお過ごしください。拝具
- ご家族様がお健やかに夏を乗り切られますよう、ご祈念いたします。かしこ
- 大暑のみぎり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。謹白
結びの挨拶にも相手の健康を気遣う・祈る言葉を入れておきます。
尚、書き出しの頭語と文章を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
一般的な例 | 拝啓・拝呈・拝白・啓上 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首 |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
最もポピュラーな頭語は「拝啓」ですが、より改まった印象にする際は「謹啓」「謹呈」などを使います。
ビジネスレターの例文と結び
- 拝啓 盛夏の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
- 拝呈 盛夏の候、貴社いよいよご清栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 盛夏の候、貴社いよいよご盛栄の由大慶に存じます。
- 謹呈 盛夏の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお喜び申し上げます。
- 恭敬 盛夏の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは、相手の会社の敬語「貴社」を使います。(※会話・電話などでは御社)
「さらに」「より一層」を表す「ますます」「いよいよ」はどちらでも構いません。
- まずは書中をもちましてご挨拶申し上げます。敬具
- まことに略儀ではございますが、書中をもちまして厚く御礼申し上げます。敬白
- 末筆ではございますが、貴社ますますのご繁栄を心よりお祈り申し上げます。拝具
- 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。謹白
- 炎暑の折から、皆様方にはくれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。謹言
結びの挨拶には、相手の会社の繁栄や今後のご愛顧を祈願する言葉を入れておきます。
ご挨拶やお礼、お詫びなども入れることが多いですね!
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盛夏の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 盛夏の候を使う時期は7月中旬頃~8月6日頃(梅雨明けしていることが前提)
- 読み方は「せいかのこう」
- 意味は「暑い夏の盛りを迎えましたが…」
- 「うだるような暑い季節になった」というニュアンスを含む(※冷夏以外)
- 漢語調の時候の挨拶は、主に改まった相手に使用されることが多い
盛夏の候は文字通り、夏の盛りの暑い時期に使用される時候の挨拶です。
お中元の添え状やお礼状などにも利用できますので、ご活用くださいね!
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