早秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!

2022年6月19日はがき・手紙のマナー

早秋の候 時期 いつ 読み方 意味 例文 結び

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つに「早秋の候」があります。

文字を見ると秋を連想させますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!

 

読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

早秋の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重視される「結びの挨拶」とセットでマスターしておくと便利ですよ!

そこで今回は、早秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。

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早秋の候を使う時期はいつ?

早秋の候 時期 いつ

早秋の候を使う時期は、例年8月7日頃~9月7日頃となっています。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「立秋」~「処暑」の約30日間です。

 

以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!

季節 二十四節気 旧暦月 新暦初日
晩夏 11 処暑 6月節 7月7日頃
12 大暑 6月中 7月23日頃
初秋 13 立秋 7月節 8月7日頃
14 処暑 7月中 8月23日頃
仲秋 15 白露 8月節 9月8日頃
16 秋分 8月中 9月23日頃
晩秋 17 寒露 9月節 10月8日頃
18 霜降 9月中 10月23日頃

※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています

二十四節気(旧暦)における秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節(三秋)に分けられています。

その中で、早秋の候を使う時期は、初秋全般(前半の節気と後半の中気)となっています。

 

使い始めは、立春から数えて13番目の節気となる「立秋」の初日にあたる8月7日頃。

使い終わりは、次の14番目の中気となる「処暑」の最終日にあたる9月7日頃になります。

 

9月8日頃の節気「白露」を迎えると、季節は初秋から仲秋に移り変わります。

すると、早秋の候を使う時期から外れてしまうため、前日7日頃までの使用にとどめます。

ひとくちメモ
二十四節気は1番目の立春を含む奇数番を節気偶数番を中気と呼びます。これを交互に繰り返して1年(24の季節)を構成しますが、上記グラフの初秋の旧暦月は7月を指しています。つまり初秋と早秋はほぼ同義で陰暦7月を表す言葉です。

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早秋の候の読み方は?

 

早秋の候 読み方

早秋の候の読み方は「そうしゅうのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)

 

早秋単体でも訓読みにすることはなく、「そうしゅう」として俳句の初秋の子季語になっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

早秋の候の意味は?

早秋の候 意味

早秋の候は「暦の上では秋の初めを迎えましたが…」という意味です。

そもそも早秋とは初秋と同義とされており、他にも新秋孟秋などと言い換えることもできます。

 

季節としては8月7日頃からの約1ヶ月間になりますので、前半は残暑が厳しい日が続きます。

お盆(旧盆)を過ぎた頃からやや気候が変化し、朝夕はやや涼しさを感じる頃です。

 

早秋の後半は8月23日頃の「処暑」になりますが、新暦における夏が終わる頃に入ります。

9月上旬の「白露」までには涼しさも増し、まさに季節の変わり目といえますね!

 

早秋の候には「残暑や涼を感じながら、本格的な秋に向かう頃」といったニュアンスが含まれています。

また、「候」は暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。


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早秋の候の使い方の例文と結び

早秋の候 例文 結び

では、早秋の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね!

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「早秋の候」「早秋の折(おり)」「早秋の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。

口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

  • 拝啓 早秋の候、お元気でお過ごしのことと存じます。
  • 拝啓 早秋の候、皆様ますますご清適のこととお喜び申し上げます。
  • 拝呈 早秋の候、皆様にはいよいよご壮健のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 謹啓 早秋の候、ご家族の皆様にはますますご清福の御事慶賀の至りに存じます。
  • 恭敬 早秋の候、ご尊家様にはいよいよご清祥の趣大慶に存じます。

 

時候の挨拶に続き、相手の健康を祝う言葉を入れおくのがマナーです。

「~のことと」の代わりに「~の段」「~の由」「~の御事」「~のことと承り」なども使えます。

チェック!
相手の健康を祝う言葉には「お元気」「お健やか」「お変わりなく」「ご清適」「ご壮健」「ご清祥」「ご健勝」「ご活躍」「ご清栄」「ご勇健」などがあります。また、幸福を祝う意味の「ご清福」も利用できます。「ご壮健」は主に目上の年配者宛、「ご勇健」は男性宛限定として使用します。

 

【結び】

  • 相変わらずの厳しい残暑が続いております。皆様どうぞご自愛専一にてご活躍ください。敬具
  • そろそろ夏のお疲れが出る頃と存じます。くれぐれもご無理なさらずお健やかにお過ごしください。敬白
  • 朝夕はしのぎやすくなりましたが、ご油断なくお過ごしくださいますようお願い申し上げます。拝具
  • 秋暑のみぎり、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。かしこ
  • 処暑の折、皆様おそろいで残り少ない夏休みを楽しくお過ごしください。謹白

 

結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう!

時節柄、夏バテや夏風邪を気に掛けるような文章もオススメですね。

 

また、冒頭の頭語と最後の締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

頭語 結語
一般的な例 拝啓・拝呈・啓上・啓白 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ)
改まった例 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ)

(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)

最もポピュラーな「拝啓」+「敬具」の組み合わせでも十分敬意は伝わります。

さらにフォーマルな印象にしたい時は、「謹啓」+「敬白」などでもよいですね!

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

  • 拝啓 早秋の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 早秋の候、貴社いよいよご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 謹啓 早秋の候、貴社にはますますご盛栄の段大慶に存じます
  • 謹呈 早秋の候、貴店におかれましてはいよいよご清栄の由慶祝の至りに存じます。
  • 恭敬 早秋の候、貴店におかれましては益々ご盛業のことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは、相手の会社の敬語「貴店」を使用します。(お店なら貴店、銀行なら貴行)

「貴社におかれましては」の省略形となる「貴社」「貴社には」でも失礼にはあたりません。

チェック!
相手の会社の繁栄を祝う言葉として「ご隆昌」「ご隆盛」「ご盛栄」「ご清栄」「ご盛業」「ご繁栄」「ご発展」などがあります。「ご清栄」は私的な挨拶状にも使えて便利です。「ご隆昌」「ご隆盛」は意味合い的にはビジネス向きです。

 

【結び】

  • 今後ともより一層のご助力を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
  • 今後とも尚一層のご贔屓を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。まずは、お礼かたがたご挨拶申し上げます。拝具
  • 引き続き末永くご厚誼を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。取り急ぎ、ご報告とお礼まで。敬白
  • 立秋の折、貴社ますますのご繁栄を社員一同衷心より祈念致します。略儀ながら、書中にて厚く御礼申し上げます。頓首
  • 新秋のみぎり、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。略儀失礼ながら、書中にてご報告申し上げます。謹言

 

結びには「相手の会社の繁栄」「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「まずは」「取り急ぎ」「書中にて」「略儀ながら」などを使って丁寧に締めることも多いです。

チェック!
相手の会社に支援を願う言葉として「ご助力」「ご贔屓」「ご厚誼」「ご支援」「ご高配」「ご指導」「ご鞭撻」「ご愛顧」「ご厚意」「お力添え」「お引き立て」「お付き合い」などがあります。それぞれ多少意味が異なりますが、ビジネスレターでよく見かける表現ですね!

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早秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ

  • 早秋の候を使う時期は例年8月7日頃~9月7日頃
  • 二十四節気の「立秋」~「小暑」の約30日間使える
  • 読み方は「そうしゅうのこう」
  • 意味は「暦の上では秋の初めを迎えましたが…」
  • 「残暑や涼を感じながら、本格的な秋に向かう頃」というニュアンスを含む
  • 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される

 

早秋の候を使用するのは、一般的に初秋といわれる時期です。

季節の変わり目でもありますので、お世話になった方への挨拶状などにご活用くださいね!