新秋の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月18日2022年6月27日はがき・手紙のマナー

新秋の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。

秋という字が含まれていますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味をマスターしておくと、誤用する心配も無用です。

新秋の候の使い方として私的な季節の挨拶状とビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等を締めくくる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、新秋の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

新秋の候を使う時期はいつ？

新秋の候を使う時期は、例年8月7日頃～9月7日頃となっています。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「立秋」～「処暑」の約30日間です。

 

以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
夏	晩夏	11	処暑	6月節	7月7日頃
		12	大暑	6月中	7月23日頃
秋	初秋	13	立秋	7月節	8月7日頃
		14	処暑	7月中	8月23日頃
	仲秋	15	白露	8月節	9月8日頃
		16	秋分	8月中	9月23日頃
	晩秋	17	寒露	9月節	10月8日頃
		18	霜降	9月中	10月23日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています

二十四節気（旧暦）における秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節（三秋）に分けられています。

その中で、新秋の候を使う時期は、初秋いっぱいとなっています。

 

使い始めは、立春から数えて13番目の節気「立秋」の初日にあたる8月7日頃。

使い終わりは、14番目の中気「処暑」の最終日にあたる9月7日頃です。

 

次の節気で9月8日頃の「白露」を迎えると、季節は仲秋の前半に移り変わります。

すると、新秋の候を使う時期から外れてしまうため、前日9月7日頃までの使用にとどめます。

新秋の候の読み方は？

新秋の候の読み方は「しんしゅうのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

新秋単体でも訓読みにすることはなく、「しんしゅう」として季節を表す言葉になっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

新秋の候の意味は？

新秋の候は「暦の上では秋の初めを迎えましたが…」という意味です。

そもそも新秋は、前述した通り旧暦7月の異称で、暦の上での初秋を表しています。

 

新暦8月7日頃の立秋を迎えると季節は夏から秋に移り変わります。

体感的には最も暑さが厳しい頃ですが、あくまで「残暑（秋に残る暑さ）」という表現を使いますね！

 

新涼の季節は約30日間もありますので、お盆（旧盆）を過ぎた頃から秋の気配を感じることも多くなります。

8月後半くらいから朝夕はやや涼しくなり、9月上旬頃までには台風シーズンを迎えます。

 

新秋の候には「残暑が次第に落ち着く頃で、本格的な秋への過渡期に入った」といったニュアンスも含まれています。

また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

新秋の候の使い方の例文と結び！

では、新秋の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね！

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「新秋の候」「新秋の折（おり）」「新秋の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　新秋の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
• 拝啓　新秋の候、皆様いよいよご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。
• 謹啓　新秋の候、皆様にはますますご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　新秋の候、ご尊家様にはいよいよご清適の段大慶に存じます。
• 恭敬　新秋の候、ご家族様におかれましては益々ご壮健の由慶賀の至りに存じます。

 

新秋の候だけで季節感は伝わりますので、引き続き相手の健康を祝う言葉を入れておきます。

宛名を表す部分には「○○様」「皆様」「ご家族様」「ご尊家様」「ご一同様」「ご家族の皆様」などが使えます。

 

【結び】

• いつになく厳しい残暑が続いております。皆様お体大事にお過ごしくださいませ。
• 夏のお疲れが出る時節でございます。くれぐれもご自愛専一にてお過ごしください。
• ようやく残暑も落ち着き始めたようです。皆様おそろいで実り多き秋をお迎えください。
• 今年は台風の発生が多いようでございます。何卒ご留意の上ご活躍ください。
• 新涼のみぎり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

 

結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておきたいですね。

別の漢語調の時候の挨拶を使い、文章を構成する方法もあります。

 

また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

より改まった印象にしたい時は、頭語に「謹啓」「謹呈」などを使うことをオススメします。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　新秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
• 拝啓　新秋の候、貴店いよいよご隆昌のことと存じ、お慶び申し上げます。
• 謹啓　新秋の候、貴社にはますますご盛業のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　新秋の候、貴店にはいよいよご盛栄のことと承り、大慶に存じます。
• 恭敬　新秋の候、貴社におかれましては益々ご清栄の御事慶祝の至りに存じます。

 

ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。（銀行は貴行）

「お慶び」「お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀の至り」「慶祝の至り」なども便利です。

【結び】

• 早涼の折、貴社ますますのご盛栄を社員一同衷心より祈念致します。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
• 初秋のみぎり、皆様のさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。取り急ぎ、お礼とご挨拶まで。敬白
• 今後とも倍旧のお力添えを賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。拝具
• 今後とも格別のお引き立てを賜りますよう、謹んでよろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。謹言
• 引き続き末永くご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。誠に略儀ではございますが、書中にて厚く御礼申し上げます。謹白

 

結びには「相手の会社のさらなる発展」と「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「お力添え」などの上に入る言葉には「より一層の」「尚一層の」「倍旧の」「格別の」などがあります。

新秋の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ