鯉のぼりの吹き流しの色と順番!意味や由来は?矢車や回転球は?

2021年4月4日行事・カレンダー

鯉のぼり 吹き流し 色 順番 意味

5月の風物詩として、端午の節句に合わせて飾られる「鯉のぼり」

よく見ると、真鯉の上にカラフルな「吹き流し」が付いていますよね。

 

普段はあまり気にもかけない人も多いと思います。

実は、吹き流しの色や順番にも深い意味や由来があるのをご存じですか?

 

また、鯉のぼりを飾るポールのテッペンには矢車や回転体もありますよね。

どんな意味が込められているのか、併せてご紹介しますね!

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鯉のぼりの吹き流しの意味と由来!

鯉のぼり 吹き流し 意味 由来

鯉のぼりに飾られているヒラヒラとした五色の飾りのことを「吹き流し」といいます。

その意味はズバリ「魔除け」とされており、邪気を祓うための結界となっています。

 

端午の節句とは、男の子の健やかな成長と立身出世を願うための行事で、もともと中国から伝わったものです。

そして吹き流しも、中国の春秋戦国時代頃に誕生した「陰陽思想」と「五行思想」を組み合わせて出来た「陰陽五行思想」に由来しています。

 

そもそも鯉のぼりは「幟(のぼり)」という表現が使われていますが、「鯉の吹き流し」という呼び方もあります。

奈良時代の武家屋敷では鯉のいない幟や旗を端午の節句に飾る習慣があり、それが今日の鯉のぼりの原型となっています。

 

では、陰陽五行思想に基づく吹き流しの色や順番についてチェックしてみましょう。

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鯉のぼりの吹き流しの色と順番は?

鯉のぼり 吹き流し 色 順番

五行相生(相手を強める働きの連鎖)

鯉のぼりの吹き流しに取り入れられている陰陽五行思想。

この思想の中で、すべてのものは 「木、火、土、金、水」の5つの元素から作られており、互いに影響し合うことで変化と循環を繰り返すとされています。

 

それぞれの元素に対応する色と影響し合う順番も決まっており、それが吹き流しにも反映されています。

順番 元素
1 または
2
3
4
5 または

鯉のぼりの吹き流しは上記「五行相生(陽)」に基づき、「青」→「赤」→「黄」→「白」→「黒」という色の順番になります。

五行相生とは、相手を強める影響を与える関係性となっているのが特徴で、黒まで行くと再び青に戻ります。

 

ケースによっては「1番の青が緑に」「5番の黒が紫」になることもあります。

また、「五行相克(陰)」の場合、相手を弱める影響を与える関係性ですが、決して悪い意味ではありません。

鯉のぼり 吹き流し 色 順番

五行相克(相手を弱める働きの連鎖)

鯉のぼりの吹き流しに使われている色と順番は、陰陽五行思想の中でも「五行相生(陽)」が反映されています。

したがって、大抵は以下のイラストのどちらかになります。

鯉のぼり 吹き流し 色 順番

「五行相生(陽)」と「五行相克(陰)」はどちらも元素を順番に繋ぐと「一筆書き」ができますよね。

そのため、「邪気が入り込む隙間が無い」という状態になっています。

 

もともと鯉のぼりは、中国の故事で立身出世の象徴とされる「鯉の滝登り」に由来するものです。

ただし、昔は栄養豊富な食事や発達した医療もない時代でしたので、吹き流しには初節句を迎えた男児を厄災から守ろうとする強い願いが込められていたようです。

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鯉のぼりの矢車の意味は?

鯉のぼり 矢車 意味

鯉のぼりを飾るポールの上部には、矢のついた1対の車輪のようなモノが付いています。

これを「矢車(やぐるま)」といいますが、円形や六角形、八角形などの種類があります。

 

風が吹くと回転してカラカラと音を鳴らすため、吹き流しと同じく「魔除け」の意味を持っています。

矢車を飾ることで、どこらか魔物が近づいてきても射抜くというイメージで作られたモノと考えられています。

 

また、縁起の良い意味では「幸運を射止める」といった願いも込められています。

男児の立身出世を願う鯉のぼりに相応しい飾りの1つです。

 

最近では騒音対策で回らない工夫がされているモノもありますが、日本の住宅事情の問題ですので仕方が無いのかもしれませんね。

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鯉のぼりの回転球(天球)の意味は?

鯉のぼり 回転球 天球 意味

「回転球(天球)」とは、鯉のぼりを飾るポールの最上部にある煌びやかな玉のような飾りのことです。

矢車の一部としての考え方もありますが、説明のために区別しています。

 

昔は、矢車(回転球)は無かったようで、竹の棒の先端に赤や黄色の布切れを付けただけの「招代(おぎしろ)」と呼ばれるものが飾られていました。

その後、「榊の葉」「柏の葉」「杉の葉」を飾るように変化しています。

 

さらに江戸末期になると「駕籠玉(かごだま)」と呼ばれる球状の駕籠を付け、現在のキラキラした回転球(天球)の原型となったようです。

「招代」とは神様を迎え入れるための飾りで、神霊が憑依する場所のことを意味します。

 

お正月の門松や鏡餅と同じような存在で、招く側からは「依(よ)り代」、招かれる側からは「招代」と呼びます。

鯉のぼりの最上部に回転球を設置することで「神様に見つけてもらいやすい」というメリットもあります。

 

5月5日の端午の節句を過ぎると鯉のぼりも下げてしまいますが、それまでの間は神様が憑依されている神聖な飾りですね。

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鯉のぼりの吹き流しの色と順番!意味や由来は?矢車や回転球は?のまとめ

鯉のぼりの吹き流しの色と順番には中国の陰陽五行思想が取り入れられています。

「木、火、土、金、水」という5つの元素を、対応する色で表したもので構成されていますね。

 

もともと端午の節句や鯉のぼりも中国由来で、日本に伝わったのちに進化していったようです。

あまり吹き流しや矢車、回転球(天球)に目が行くこともありませんが、もし飾ってあるのを見かけたらぜひ注目してみてくださいね。

 

鯉のぼりには、男の子の健やかな成長と立身出世を願う意味の飾りが豊富に取り付けられていることがわかると思います。

陰陽五行思想も私たちの生活に色々と関わっていますので、調べてみるとおもしろいかもしれませんね!