忌中と喪中の違い!神社参拝や結婚式参列などやってはいけないこと!
身内の誰かが亡くなった場合、「忌中(きちゅう)」や「喪中(もちゅう)」という言葉を使う機会が増えますよね。
ただ、両者の違いがよくわからず、曖昧だと感じている人も多いのではないでしょうか?
忌中と喪中では範囲や期間、神社参拝や結婚式参列などの「やってはいけないこと」が異なるケースも多々あります。
人の死に関わることですし、当事者も周囲の人間も様々な配慮が必要になってきますね。
知らなかったでは大人としての常識を疑われる結果に繋がりやすいため、しっかり区別しておくことが大切です。
そこで今回は、忌中と喪中の違い!神社参拝や結婚式参列などやってはいけないこと!というテーマで詳しくご紹介してます!
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忌中と喪中の違い!
「忌中」と「喪中」は、どちらも親族(近親者)の死去に際し、身を慎み喪に服す期間を指しています。
両者を合わせて「忌服(きぶく)」または「服忌(ぶっき)」といいます。
もともと明治7年の太政官布告による「服忌令(ぶっきりょう)」において、故人との関係(親等)や服喪(喪に服すこと)の期間に明確な違いが定められていました。
しかし、明治29年の民放公布により親族の定義と服喪の関係性が消滅し、昭和22年には「服忌令」もすべて廃止されています。
つまり「忌中」と「喪中」の定義は曖昧なものになりましたが、現在一般的に使われている意味や違いを理解しておけば、「常識のない人」と非難されることもないでしょう!
忌中とは?
忌中とは、親族(近親者)が亡くなってから四十九日法要が行われるまでの期間となります。
仏式の四十九日法要には別名として「七七日忌(なななのかき)」「満中陰(まんちゅういん)」「大練忌(だいれんき)」などがあります。
法要が終われば「忌明け」となり、忌中の期間が終了したことになります。
神道(神式)では「五十日祭」、キリスト教のカトリックでは30日目の「追悼ミサ」、プロテスタントでは1ヶ月後の「召天記念日」を過ぎると忌明けとされています。
(※キリスト教に本来「忌」「忌中」といった概念はなく、日本の風習に寄り添ったものだと思われます)
そもそも「忌中」とは日本古来の宗教「神道」の考え方に基づくもので、亡くなった方への祈りを捧げる期間といわれています。
また、神道では「死=穢れ(けがれ)」と捉えるため、遺族は極力外部との接触を避け、穢れを移さないようにするのが忌中の意図やマナーであるともいわれています。
現在、忌中の範囲は故人から見て…
- 1親等:実両親・実子・養両親・養子・義両親
- 2親等:祖父母・兄弟姉妹・孫・義祖父母・義兄弟姉妹
- 親等なし:配偶者・実子や養子の配偶者
- その他:同世帯の曾祖父母ほか、同居している親族
などになりますが、地域や家庭でも考え方はそれぞれです。
喪中より範囲が狭いイメージもありますので、故人と同居していた人に限られるケースもあります。
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喪中とは?
喪中とは、親族(近親者)が亡くなった日から1年間を指すことが多くなっています。
こちらも明治の「服忌令(ぶっきりょう)」で細かく設定されていましたが、現在は1周忌が終わるまでの期間と考えられています。
忌中より長く設定されており、故人を追悼する意味で遺族は行動を慎しむ習慣が根付いています。
喪中とは儒教の訓えに基づく風習とされており、「残された者の哀しみを癒すための期間」でもあります。
また、他宗教や宗派ではそもそも喪中の概念がなかったり、細かい設定はあるものの、仏式に合わせて1年間とすることがほとんどです。
範囲についても忌中と大きな違いはありませんが、地域によっては世帯が異なる場合、年賀状欠礼なども「1親等まで」「2親等まで」などと変わって来るようです。
あえて忌中と喪中の相違点を挙げるとすれば、期間が異なるだけという考え方もあります。
ただし、1年間という長さを考慮すると、過ごし方は多少制限が甘くなるとの見方が強いと思われます。
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忌中と喪中の違い!やってはいけないことは?
忌中と喪中はよく期間の違いだけといわれることがあります。
しかし、実際の過ごし方では微妙に異なる点も多く、やってはいけないことも家庭や個人の判断に任される部分も多いです。
たとえば、忌中に神社参拝はNGでも、お寺は初七日法要や四十九日法要のために訪れる機会もありますよね。
地域ごとに考え方が異なる場合もありますが、一般的な忌中と喪中のNGとなる行為を整理しておきましょう!
忌中にやってはいけないこと
まずは忌中にNGとされていることを見ていきましょう!
- 神社に立ち入ること(初詣、お宮参り、七五三参り、安産祈願など)
- 神棚を普段通りにしておくこと
- 新年のお祝い(正月飾りやおせちなどのご馳走)
- 年賀状のやり取り
- 暑中見舞いや寒中見舞いを送る(残暑見舞いや余寒見舞いを含む)
- お中元やお歳暮を贈る
- 結婚式参列や披露宴などへの出席
- 忘年会や新年会などへの参加(お祝いパーティーを含む)
- 飲み会への参加
- 地鎮祭・新築・引っ越し
- 旅行に出かける
- 入籍・結婚・プロポーズ
- ゴルフ(※仕事上の付き合いを除く)
- お子様の初節句(※時期を少しずらす)
- 家族での誕生パーティー(※微妙なライン)
- その他の慶事や神事全般
前述した通り、忌中は神道に基づくもので、死は「穢れ」と考えられています。
神社の神聖な場へ「穢れ」を持ち込むこともできませんし、他人との接触もお仕事以外は極力避けなければなりません。
家の中の神棚にはお札や半紙を貼って、忌明けまで「神棚封じ」を行います。
忌中にやってはいけないことは多い印象がありますが、季節の挨拶や贈り物は時期をずらして別物として贈ることも可能です。
ほとんどの慶事や遊び事となるものを避け、慎んだ生活を送りましょう!
喪中にやってはいけないこと
一方、喪中にNGとされることも見てみましょう!
- 新年のお祝い(正月飾りやおせちなどのご馳走)
- 年賀状のやり取り
- お祝いパーティーへの出席
意外と少ないと驚かれた方も多いと思います。
最近では忌中に比べ、行っても問題ないとされることが増えています。
神社に初詣に出かけてもよいですし、結婚式や披露宴などに出席される方も多いといわれています。
それだけ社会での考え方が柔軟になってきている証拠ですね。
もちろん宗教や地域、家庭での考え方でも異なりますので、ためらう様なことがあれば年長者の意見を聞いてみるのもオススメです。
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浄土真宗には忌中や喪中の概念がない!
仏教の中でも特殊な宗派と考えられているのが「浄土真宗」です。
大乗仏教の1つで、浄土宗の開祖・法然(ほうねん)の教えを継いだ、鎌倉時代の僧・親鸞(しんらん)が宗祖となっています。
この浄土真宗にはそもそも「忌」「喪」という概念がありませんので、当然ながら「忌中」「喪中」の概念もありません。
「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えれば、すべての死者は阿弥陀如来のいる「極楽浄土」に辿り着き、仏様に生まれ変わると考えられています。
亡くなった方はすぐさま成仏することになるため、四十九日法要などの必要性もありません。
遺族としてもすぐに普段通りの生活に戻れるわけですので、年賀状やお正月、結婚式への参列などの慶事についても「やってはいけないこと」はとくありません。
ただ、浄土真宗の方も他の宗派の方も、どちらも「常識のない人だ」と誤解することのないような配慮が必要です。
キリスト教なども含め、「忌中」「喪中」の概念があるかどうかは意外と見落としがちですので、遠い親戚などの場合は事前に確認しておくことが大切ですね!
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忌中と喪中の違い!神社参拝や結婚式参列などやってはいけないこと!のまとめ
知っていそうで意外と知らない「忌中」と「喪中」の違いについてご紹介しました。
一般的には四十九日法要が終わるまでを忌中、個人の命日から1年間を喪中といいます。
それぞれで「許されていること」「やってはいけないこと」がある程度決められています。
あまり逸脱した行為は「常識がない人」と判断されてしまいますので、くれぐれもご注意くださいね。
また、仏教の中でも浄土真宗には「忌中」「喪中」といった概念がありません。
身内が亡くなっても遺族はすぐに普段通りの生活に戻られますので、誤解の無いようにしたいですね!
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