精霊馬とは?読み方や意味、由来を解説!作り方・飾り方・飾る期間は?

2021年6月19日行事・カレンダー

精霊馬とは 意味 由来

精霊馬とは、なすときゅうりで牛馬をかたどったお盆用の飾り物のことです。

ただ、なんとなく飾ってはいるものの、読み方や意味、由来などをご存じの方は意外と少ないのかもしれません。

 

精霊馬はご先祖様への大切な供物ですので、作り方や飾り方、飾る期間なども知っておきたいですね。

なすときゅうりがあれば簡単に作れますので、完成したら置き方や向きに注意して正しく飾りましょう!

 

そこで今回は、精霊馬とは?読み方や意味、由来を解説!作り方・飾り方・飾る期間は?というテーマでご紹介します。

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精霊馬とは?読み方や意味は?

精霊馬とは 読み方 意味

精霊馬とは、お盆にご先祖様の魂が帰って来られる際の乗り物として用意する飾りのことです。

読み方は「しょうりょううま」ですが、精霊とは「亡くなった方の霊魂」を表す言葉です。

 

なすときゅうりで牛馬を模した飾り(供物)を用意するのは、それぞれ以下のような意味があります。

  • きゅうり(走るのが速い馬):お盆にご先祖様をいち早くお迎えに行く
  • なす(ゆっくりと歩く牛):お盆後に風景を眺めながらあの世へのんびりと帰っていただく

一般的にはこの牛馬2頭を合わせて「精霊馬」を指すことも多いですが、牛単体のことを「精霊牛」と呼ぶこともあります。

また、ご先祖様にはお土産(供物)をたくさん持ち帰っていただくため、力が強い牛を用意するという説もあります。

 

もともとお盆(盂蘭盆会)とは、祖先が私たちの生活に影響を与えているという「祖霊信仰」に加え、「仏教」が交わってできた年中行事です。

ご先祖様を供養・お祀りするためになすときゅうりで送迎用の精霊馬を作り、最大限のおもてなしをする意味で行われている風習の1つですね。

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精霊馬の由来!なぜなすときゅうりで作る?

精霊馬 由来

精霊馬は日本独自のお盆の風習で、もともとは平安時代の貴族たちが瓢箪(ひょうたん)麦わらで牛馬を作っていたことに由来します。

江戸時代になると広く一般庶民にも普及し、なすときゅうりで作るようになったといわれています。

 

なぜなすときゅうりなのかという理由については・・・

  • お盆の時期に入手しやすい夏野菜であること
  • 旬の美味しい夏野菜をご先祖様への供物とする
  • 形が精霊馬の牛馬を作るのに適している
  • ご先祖様に「今年も農作物が順調に育っています」という報告を兼ねる

といったことが挙げられます。

 

そもそもお盆に精霊馬を飾る風習は、江戸の街を中心に広まったものです。

主に農家や商人にとって比較的簡単に入手しやすい夏野菜であれば、身分の差に関係なく先祖供養ができると重宝されたようです。

精霊馬の作り方は?

精霊馬 作り方

一般的に普及している精霊馬の作り方はとても簡単です。

材料も足用に割り箸(※爪楊枝でも)があればできますので、ぜひ先祖供養の意味を込めて作ってみてくださいね!

【材料】

  • なす
  • きゅうり
  • 割り箸(2膳)、または爪楊枝8本

【作り方】

  1. 割り箸を利用する場合は、2膳をそれぞれ離してすべて半分に折っておく(8本になる)
  2. なすときゅうりのヘタの部分を頭に見立て、割り箸をそれぞれ4か所に刺して足を作る

※小ぶりのなすときゅうりであれば、爪楊枝で足を作る

少し曲がったなすときゅうりを利用すると、首が反った形の動物らしい精霊馬を作ることができますよ。

また、トウモロコシのヒゲ(めしべ)を使って、馬のたてがみやシッポを付けるのもオススメです。

 

爪楊枝やお箸などできゅうりに穴を開けてヒゲを差し込むだけですし、簡単にシッポも作れますね!

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精霊馬の飾り方!向きや置き場所は?

精霊馬 飾り方 向き 置き場所

精霊馬が完成したら、飾ってみましょう!

飾り方にもルールがありますので、特に向きには注意しておきたいですね。

 

置き場所は精霊棚(盆棚)が一般的ですが、仏壇にのせたり、玄関や門に飾る場合もあります。

地域や宗派によっても異なるため、あらかじめ親戚の方や菩提寺のお坊さんに聞いておくのがベストです。

 

特に精霊棚の上にもフルーツやそうめんなどが飾られますので、置き場所に困ったら玄関などに飾ってもよいか確認しておきましょう!

では、一般的によく見られる精霊馬の飾り方や向きを3パターンご紹介します。

お盆はじめは内向きでお盆終わりは外向き!

最も多い飾り方としては、ご先祖様をお迎えする時は精霊馬を内向きに、お見送りする時は外向きに飾ります。

13日のお盆はじめには、牛馬ともに家の内側へ向けておきます。

 

16日のお盆終わりの日には、逆に牛馬ともに家の外側(玄関の方向など)を向け、ご先祖様をお見送りする形に変えます。

盆期間中に向きを変えることになりますので、特に最終日は忘れないように注意しましょう!

きゅうりは内向きでなすは外向き!

また、きゅうりで作った精霊馬を内向きに、なすで作った精霊牛を外向きに飾ることもあります。

お迎え用とお見送り用で、向きが異なる飾り方です。

 

お盆期間中に移動させることもありませんので、固定の方法となります。

飾った後は手間が掛かりませんが、お盆が終わったら処分を考えておきましょう!

きゅうりは西向きでなすは東向き!

ご先祖様は東から帰って来られるといわれるため・・・

きゅうりの精霊馬は西向きに、なすの精霊牛を東向きに飾ることもあります。

 

こちらも牛馬の向きが逆になるケースで、お盆期間中は固定になります。

自宅の中で真東や真西は意外とわかりづらいため、方位磁針などがあれば利用しましょう!

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精霊馬を飾る期間はいつからいつまで?

精霊馬 飾る時期

お盆の時期も全国各地で異なりますので、精霊馬を飾る期間もいつからいつまでか地域によって差があります。

ただし、お盆初日に飾り、お盆最終日に処分するというのはどの地域でも同じです。

  • 新暦7月15日のお盆(東京が中心):7月15日が中心で前後の土日にズレることもある
  • 旧盆・月遅れ盆(全国的に普及):8月13日~16日
  • 旧暦7月15日のお盆(沖縄や奄美地方):旧暦7月15日で毎年日付が変化

主に精霊馬を飾る地域は発祥とされる東京がメインとなりますが、全国的に少しずつ普及してきています。

特に西日本の方でも飾りたいという場合、8月13日~8月16日が目安となります。

 

あまり早めに準備すると、割り箸を刺したところから腐敗するケースがあります。

ご紹介したように精霊馬は簡単に作れますので、なるべくお盆初日の朝に作って飾るのがオススメです。

まとめ

精霊馬は全国的に普及しているわけでもありませんので、東京に来て初めて見る方も多いと思います。

お盆に飾ってみるとご先祖様も喜ばれると思いますので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。

 

今では変わり種の野菜で作ったり、バイクなどの乗り物を作る方も増えていますよね。

アレンジも色々できて、先祖供養にもなりますので、お子様と一緒に楽しみながら作るのも良さそうです。