しめ飾りの意味と由来!しめ縄との違いや材料となる縁起物は?
正月飾りの1つとして家庭の玄関などに飾られるしめ飾り。
毎年見てはいるものの、その意味や由来について知っている人は意外と少ないようです。
ただの縁起物と思っている人もいますが、しめ飾りには大切な役割があります。
また、似た言葉に「しめ縄」がありますが、違いがよくわからない人も多いですね。
しめ飾りの材料として使われる縁起物もまとめてみましたので、疑問はすべて解消してしまいましょう!
そこで今回は、しめ飾りの意味と由来!しめ縄との違いや材料となる縁起物は?というテーマでご紹介しますね。
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しめ飾りの意味!
しめ飾りとは、主に稲藁(いなわら)をねじるように編み込んだ縄に…
裏白(うらじろ)、楪(ゆずりは)、橙(だいだい)、紙垂(しで)などの装飾を付けた正月飾りの1つです。
しめ飾りは、1年の幸福を運んでくる年神様を迎える神聖で清浄な場所であることを示し…
玄関に飾ることで、悪いもの(厄災)を家に寄せ付けず、祓う結界としての意味を持ちます。
元日の朝に年神様が家の中に入られると、たちまちそこは神の領域となります。
そして、年神様の依り代となる鏡餅に1年を生き抜く御魂(みたま)を宿し、松の内が明けると帰って行かれます。
しめ飾りは単なる縁起物ではなく、神域と俗世(現世)を分ける境界を意味し、邪悪なものを防ぐバリアのような効力を持っています。
しめ縄との違いとは?
しめ縄も稲藁をねじるように編み込んだ縄ですが、一般的にほとんど装飾の無いものを呼びます。
最も有名なものは出雲大社神楽殿の「大しめ縄」で、全長13.6m、重さは5.2トンといわれています。
もともと正月用のしめ飾りは、しめ縄をベースとした形態なので、大きな違いはありません。
その他で例を挙げると…
- 神社の御神木
- 巨大な石
- 大滝
- 海の中から出ている巨岩
- 正月の神棚
などにもしめ縄が巻かれ、神の領域や依り代であることが示されています。
大相撲の最高位に当たる力士が白くて太いしめ縄(=横綱)を巻いて土俵入りするのも有名ですよね。
これらはすべてしめ飾りの原型とされるもので、玄関に飾る正月飾りと区別されているだけです。
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しめ飾りの由来!
しめ飾りは、日本神話に登場する天照大神(アマテラスオオミカミ)の岩戸隠れに由来します。
日本最古の書物で歴史書の古事記によると…
普段から乱暴者だった建速須佐之男命(タケハヤスサノオノミコト)のせいで天の服織女が亡くなったことに腹を立てた天照大神は、天岩戸に引き籠ってしまいました。
そのため、高天原をはじめとする世界は闇に覆われ、八百万の神々が集まり解決策を講じます。
八咫鏡(やたのかがみ)などを駆使して、なんとか天照大神を岩戸の外へ引きずり出した際…
岩戸の入り口にしめ縄を張り、「もう中に入らないでください」と懇願し、世界に光が戻ったといわれています。
まさしく結界の役割を果たしたしめ縄は、現在の正月には欠かせないしめ飾りへと派生しています。
しめ飾りの材料となる縁起物!
正月を彩るしめ飾りは全国でも様々な種類があり、材料となる縁起物も多数あります。
また、年々華やかな装飾が施されたしめ飾りが登場していますが、縁起物としての意味も合わせて知っておくと便利ですよ!
裏白(うらじろ)
しめ飾りに使われるウラジロ科ウラジロ属の裏白は、文字通り葉の裏側が白くなっています。
葉の裏側は人の内面や心を表すとされ、「裏表のない清らかな心」を象徴するシダ植物です。
また、一対の葉が左右対称に育つ様子から「夫婦円満の象徴」ともされており…
「共に白髪になるまで一緒に暮らしたい」といった願いも込められています。
楪(ゆずりは)
ユズリハ科ユズリハ属の楪は、若葉が出てから古い葉が譲るよう落葉するため…
「世代交代」の願いや意味を持つ植物とされています。
「世代交代=家系が絶えることがない」という縁起物として、しめ飾りの材料となっています。
裏白同様、楪は鏡餅などにも使われていますね!
橙(だいだい)
ミカン科ミカン属の橙の実はしめ飾りだけでなく、鏡餅のてっぺんに載っていますよね。
橙の実はなかなか木から落ちることが少なく、1株に様々な年代の実が同時に成ります。
そのため、「代々栄える」という意味で「子孫繁栄の象徴」とされています。
楪同様、子宝に恵まれ、子孫や家系が絶えないという意味を持つ縁起物ですね!
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紙垂(しで)
しめ飾りの材料として、特殊な折り方をした白い紙でできた紙垂が使われることも多いですね。
紙垂の形状は、雷による稲妻がモチーフとなっており、邪悪なもの(厄災や疫病など)を祓う神聖なものとされています。
玉串や御幣に取り付けると祓いの道具となり、しめ縄に取り付けると聖域を表す道具となります。
神社では至る所で見かけますが、正月のしめ飾りに使うことにより結界を作る意味があります。
御幣(ごへい)
御幣とは、木や竹に切り込みを入れて作った幣串に、2本の紙垂を挟んだものを呼びます
しめ飾りでは紙垂と見分けが付きにくいですが、御幣が使われているものもあります。
もともと神社では神様への捧げものでしたが、神様の依り代の他、御神体そのもの、参拝客への祓具など、様々な意味を持つ神具とされています。
正月に御幣の付いたしめ飾りを飾ると、様々なご利益を受けられそうですね!
稲穂
稲穂は五穀豊穣を祈願するお供え物として、しめ飾りに使われることも多いです。
農耕民族である日本人にとって米は欠かせないもので、豊作祈願などでよく使われています。
ちなみに五穀とは穀物の総称を意味する言葉で、主に米・麦・粟・黍・豆(稗)を指しています。
現在は飽食の時代ですが、農家の人はしめ縄に稲穂を飾ると実りの秋を迎えられるかもしれませんね。
馬酔木(あせび)
ツツジ科アセビ属の馬酔木の葉には毒があり、魔物を寄せ付けないという言い伝えがあります。
春のお彼岸の頃に開花時期を迎えるため、仏花の1つする地域もあるようです。
しめ飾りでは目立ちにくい印象もありますが、「厄災」から守ってくれる貴重な縁起物ですね!
柊(ひいらぎ)
モクセイ科モクセイ属の柊は、葉の縁がギザギザとした棘のような形をしています。
正確には刺状の部分を「鋸歯(きょし)」といいますが、古くから「魔除け」「邪気払い」に利用されてきました。
クリスマスの飾りや節分のひいらぎ鰯などにも使われていますよね。
正月用のしめ飾りにも重宝する縁起物の1つです。
南天
ナギ科ナンテン属の南天の実も、しめ飾りの材料となることがありますよね。
千両の実と同じく、赤い実があるだけで華やかな印象を与えてくれる貴重な存在です。
語呂合わせの「何を転ずる」から、「厄除け」「魔除け」の縁起物として使われています。
しめ飾りを手作りされる方は、おめでたい正月に相応しい南天の赤を取り入れるのもおすすめですよ!
その他の材料となる縁起物
正月用のしめ飾りの材料には、その他にも多数の縁起物が使われています。
ここで一気にご紹介しますので、意味なども覚えておくと便利ですよ!
- 木札:「家内安全」「商売繁盛」「笑門」などと記された札
- 松の葉:健康と長寿の象徴、松竹梅の中でも最も縁起がよい
- 松ぼっくり:子孫繁栄を願う
- 笹の葉:強い生命力・商売繁盛の祈願
- 扇:開いた形が末広がりで縁起がよい
- 宝船:七福神が乗っている帆かけ船の縁起物
- 水引細工:のし紙に使う紅白をイメージさせる
- 昆布を巻いた炭:「たんと喜ぶ」の語呂合わせから
- スルメ:日持ちがよく、幸福が続くという意味
- 干支人形:その年の家内安全を祈願する
- 鶴:長寿の象徴
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しめ飾りの意味と由来!しめ縄との違いや材料となる縁起物は?のまとめ
正月飾りの定番・しめ飾りの意味と由来を中心にご紹介しました。
1年の幸福と生き抜くパワーを与えてくださる年神様のためにも、立派なしめ飾りを用意したいですね!
玄関に飾っておくと厄災から身を守り、1年を健康で楽しく過ごせそうですね。
現在では様々な種類のものがネット通販でも購入できますので、検討してみるのもよいでしょう!
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