晩春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月24日2022年7月3日はがき・手紙のマナー

晩春の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。

「春」という文字が含まれますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

晩春の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、晩春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

晩春の候を使う時期はいつ？

晩春の候を使う時期は、例年4月5日頃～5月4日頃です。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「清明」～「穀雨」の約30日間です。

 

以下に、旧暦の春を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
春	初春	1	立春	1月節	2月4日頃
		2	雨水	1月中	2月18日頃
	仲春	3	啓蟄	2月節	3月6日頃
		4	春分	2月中	3月21日頃
	晩春	5	清明	3月節	4月5日頃
		6	穀雨	3月中	4月20日頃
夏	初夏	7	立夏	4月節	5月5日頃
		8	小満	4月中	5月21日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています

二十四節気（旧暦）の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節（三春）に分けられています。

その中で、晩春の候を使う時期は、晩春全般（前半の節気と後半の中気）です。

 

使い始めは、立春から数えて5番目に巡ってくる節気「清明」の初日にあたる4月5日頃。

使い終わりは、同じく6番目に巡ってくる中気「穀雨」の最終日にあたる5月4日頃となっています。

 

次の節気で5月5日頃の「立夏」を迎えると、季節は夏（初夏）に移り変わります。

すると、晩春の候を使う時期から外れてしまうため、前日5月4日頃までの使用にとどめます。

晩春の候の読み方は？

晩春の候の読み方は「ばんしゅんのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

晩春単体でも訓読みにすることはなく、「ばんしゅん」として季節を表す言葉となっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

晩春の候の意味は？

晩春の候は「暦の上では春の末を迎えましたが…」という意味です。

そもそも晩春とは、前述の通り三春の最後の1ヶ月のことで、陰暦3月を表しています。

 

新暦では主に4月にあたるため、春爛漫のシーズンとなります。

日本ならではのソメイヨシノが満開に咲き誇り、桜吹雪が舞い散る頃という印象も強いです。

 

寒の戻りこそあるものの、普段はポカポカ陽気に包まれ、万物が麗しく感じる好季節といえます。

さらに、私たち人間にとっては新年度を迎える頃なので、新生活のスタートを切る節目となります。

 

晩春の候には「桜花爛漫の後には初夏が迫っている」といったニュアンスも含まれています。

また、「候」は、暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

晩春の候の使い方の例文と結び！

では、晩春の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね！

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「晩春の候」「晩春の折（おり）」「晩春の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　晩春の候、皆様お元気にお過ごしのことと存じます。
• 拝啓　晩春の候、皆様いよいよご清栄のこととお慶び申し上げます。
• 謹啓　晩春の候、皆様にはますますご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます
• 謹啓　晩春の候、ご尊家様にはいよいよご清祥の由承り、大慶に存じます。
• 恭敬　晩秋の候、ご一同様におかれましては益々ご壮健の段慶賀の至りに存じます。

 

晩春の候だけで季節感は伝わりますので、続いて相手の健康を祝う言葉を入れておきます。

「お慶び」の代わりとして「大慶（の至り）」「慶賀の至り」「慶祝の至り」なども便利です。

 

【結び】

• 新生活があなたにとって実り多きものとなりますことをお祈りいたしております。敬具
• 新学期が始まり、新しい環境で慌ただしいことと存じます。どうぞご自愛ください。敬具
• 花冷えの季節、どうか体調を崩されませんように。敬白
• 春風が心地よい季節、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。かしこ
• ゆく春を惜しみつつ、まずはご挨拶申し上げます。謹白

 

結びの挨拶には、相手の健康を気遣う言葉や幸せを祈る言葉を入れておきます。

とくに4月前半は、新天地での活躍を祈るような文章も喜ばれると思います。

 

また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

頭語は「拝啓」「拝呈」より「謹啓」「謹呈」などの方が一層改まった印象が強いです。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　晩春の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
• 拝呈　晩春の候、貴店いよいよご盛栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　晩春の候、貴社にはますますご隆盛の趣大慶に存じます。
• 恭敬　晩春の候、貴店におかれましてはいよいよご隆昌の御事慶祝の至りに存じます。
• 粛啓　晩春の候、貴社におかれましては益々ご盛業ことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。（銀行は貴行）

「～のことと」の代わりとして「～の段」「～の由」「～の趣」「～の御事」なども便利です。

 

【結び】

• 本年度も変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
• 今後ともより一層のお力添えを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。まずは、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。敬具
• 今後とも倍旧のご助力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご報告まで。敬白
• 桜花爛漫の折、皆様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。敬白
• 温暖のみぎり、貴社ますますのご繁栄を社員一同衷心より祈念致します。略儀失礼ながら、深謝申し上げます。頓首

 

結びには「相手の会社の発展」や「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「今年度」より「本年度」の方が相応しいですね。

晩春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ