芒種の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月15日2023年2月6日はがき・手紙のマナー

手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶に「芒種の候」があります。

あまり見慣れない言葉を含みますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

芒種の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、芒種の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

芒種の候を使う時期はいつ？

芒種の候を使う時期は、例年6月6日頃～6月20頃です。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「芒種」の期間で、約15日間になります。

 

以下に、旧暦の夏に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
夏	初夏	7	立夏	4月節	5月5日頃
		8	小満	4月中	5月21日頃
	仲夏	9	芒種	5月節	6月6日頃
		10	夏至	5月中	6月21日頃
	晩夏	11	小暑	6月節	7月7日頃
		12	大暑	6月中	7月23日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています

二十四節気（旧暦）の夏は「初夏・仲夏・晩夏」の3つ季節に分けられています。

その中で、芒種は仲夏の前半にあたり、立春から数えて9番目に巡ってくる節気です。

 

芒種の候を使える時期は、この仲夏の前半に限定されています。

次の節気で6月21日頃の「夏至」を迎えると、季節は仲夏の後半に移行します。

 

すると、芒種の候を使う時期から外れてしまうため、前日6月20日頃までの使用にとどめます。

二十四節気を含む時候の挨拶は、該当する節気（中気）の期間のみ使用可能となっています。

芒種の候の読み方は？

芒種の候の読み方は「ぼうしゅのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

芒種単体でも訓読みにすることはなく、「ぼうしゅ」として俳句の仲夏の季語になっています。

二十四節気の1つですが、意外と読めない人も多いかもしれませんね！

 

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

芒種の候の意味は？

芒種の候は「暦の上では芒種を迎えましたが…」という意味です。

二十四節気の芒種は、「イネ科を中心とした芒（のぎ）を持つ植物の種蒔き時期」を表しています。

 

芒とは、穀物の実の先端にある針状の突起のことで、稲や麦の種（可食部）を守るように生えていますね！

漢字の「禾（のぎへん）」の由来となっており、「禾」という字も「イネ」「ノギ」と読みます。

 

また、芒種の頃のイメージとしては・・・

• 梅雨入りを迎える
• 湿気が多くてカビが生えやすい
• 新暦では田植えの最盛期（旧暦の時期とズレがあります）
• 五月晴れ（さつきばれ）＝梅雨の合間の晴れ間
• 夏至が迫っている
• 米農家の繁忙期
• カエルの大合唱が始まる

などが挙げられます。

 

芒種の候には「田植えの最盛期とともに梅雨入りを迎える頃」といったニュアンスが含まれています。

また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

芒種の候の使い方の例文と結び！

では、芒種の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね。

 

漢語調の時候の挨拶の前提として、「芒種の候」「芒種の折（おり）「芒種の砌（みぎり）」のどれを使っても問題ありません。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　芒種の候、皆々様にはその後いかがお過ごしでしょうか。
• 拝啓　芒種の候、皆様ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
• 啓上　芒種の候、皆様にはいよいよご清福のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　芒種の候、ご家族様にはいよいよご健勝の段慶祝の至りに存じます。
• 謹啓　芒種の候、ご尊家様におかれましては益々ご清適の趣大慶に存じます。

 

芒種の候のみで季節感を与えることができるため、続けて相手の健康を祝う言葉を入れましょう！

宛名を表す言葉には「○○様」「皆様」「皆様には」「皆々様には」「ご家族様には」「ご尊家様には」「ご一同様には」などがあります。

 

【結び】

• 季節の変わり目です。お健やかにお過ごしくださいますよう、お祈り申し上げます。敬具
• 梅雨寒の日もございますので、お風邪などめされませんよう、くれぐれもお気を付けください。敬白
• 田植えなどでお忙しいと存じますが、何卒ご自愛専一にてご精励くださいね。拝具
• 薄暑のみぎり、皆様の一層のご健勝をご祈念致します。かしこ
• あと一種間ほどで梅雨明けの予報です。体調管理に十分ご留意くださいませ。頓首

 

結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。

女性の場合は、結語に「かしこ」を使った方が全体的に柔らかな印象になります。

 

また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

最もポピュラーな「拝啓」+「敬具」の組み合わせでも、十分相手への敬意は伝わります。

さらにかしこまった印象にしたい時は「謹啓」+「敬白」などを使うのもオススメです！

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　芒種の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
• 拝啓　芒種の候、貴社いよいよご盛業のことと存じ、お慶び申し上げます。
• 啓上　芒種の候、貴社にはますますご清栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　芒種の候、貴店にはいよいよご盛栄の御事慶賀の至りに存じます。
• 謹啓　芒種の候、貴行におかれましては益々ご隆盛の趣慶賀の至りに存じます。

 

ビジネスレターでは相手の会社の敬語「貴社」を使用します。（お店は貴店、銀行は貴行）

「より一層の」という意味の「ますます」「いよいよ」はどちらも同様に使えます。

 

【結び】

• 麦秋の折、貴社ますますのご隆昌を社員一同衷心より祈念致します。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
• 梅雨のみぎり、皆様のますますのご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。取り急ぎ、ご報告まで。敬白
• 今後ともより一層のお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。拝具
• 今後とも格別のお引き立てを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。末筆ながら、厚く御礼申し上げます。謹白
• 今後とも倍旧のご贔屓を賜りますよう、くれぐれもお願い申し上げます。略儀ながら、お礼かたがたご挨拶申し上げます。頓首

 

結びの挨拶に「相手の会社の発展」と「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「取り急ぎ」「まずは」「書中にて」「略儀ながら」などを使って最後を締めておくと、より丁寧な印象ですね！

芒種の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ