雨水の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶に「雨水の候」があります。
二十四節気の1つを含む言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。
雨水の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等で重要とされる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、雨水の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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雨水の候を使う時期はいつ?
雨水の候を使う時期は、例年2月18日頃~3月5日頃です。
これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「雨水」の期間で、約15日間になります。
以下に、旧暦の春に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
春 | 初春 | 1 | 立春 | 1月節 | 2月4日頃 |
2 | 雨水 | 1月中 | 2月18日頃 | ||
仲春 | 3 | 啓蟄 | 2月節 | 3月6日頃 | |
4 | 春分 | 2月中 | 3月20日頃 | ||
晩春 | 5 | 清明 | 3月節 | 4月5日頃 | |
6 | 穀雨 | 3月中 | 4月20日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
二十四節気(旧暦)の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節に分けられています。
この中で、雨水は初春の後半にあたり、立春から数えて2番目に巡ってくる節気(中気)です。
雨水の候を使う時期はこの初春の後半に限定されています。
次の節気となる3月6日頃の「啓蟄」を迎えると、季節は仲春の前半に入ります。
すると、雨水の候を使える時期から外れてしまうため、前日3月5日頃までの使用にとどめます。
二十四節気を含む時候の挨拶は、該当する節気の期間のみ使用可能となっています。
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雨水の候の読み方は?
雨水の候の読み方は「うすいのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
そもそも雨水とは二十四節気の1つを指していますので、訓読みの「あまみず」は使用しません。
あくまで「うすい」として俳句の初春の季語となっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
雨水の候の意味は?
雨水の候は「暦の上では雨水を迎えましたが…」という意味です。
二十四節気の雨水とは「冷たい雪が暖かい雨に変わり、雪解けが始まる頃」を表しています。
寒さのピークを過ぎるとともに、山野や田畑も雪解け水で潤される季節です。
北国ではまだ冬のイメージも強いですが、全国的に見ると立春より確実に春らしさを感じる頃になります。
雨水からイメージされることとして…
- 気温上昇により寒さが和らぐ頃
- 梅が満開になり見頃を迎える
- 鶯の鳴き声が聴こえてくる
- ふきのとうの収穫時期
- 菜の花が咲き始める
- 春一番が吹く(立春~)
- 稲作の準備や始まり
- 上巳の節句(ひな祭り)
- 卒業式のシーズンに入る
などが挙げられます。
雨水の候は「徐々に春めいて、自然や人も動き始める頃」といったニュアンスを含んでいます。
また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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雨水の候の使い方の例文と結び!
では、雨水の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶と併せて参考にしてくださいね。
漢語調の時候の挨拶の前提として、「雨水の候」「雨水の折(おり)「雨水の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向があります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 雨水の候、○○様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
- 拝呈 雨水の候、皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 啓上 雨水の候、皆様にはいよいよご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 雨水の候、ご家族様にはますますご壮健の段大慶に存じます。
- 恭敬 雨水の候、ご尊家におかれましては益々ご清適の趣、慶賀の至りに存じます。
雨水の候だけでも季節感は出ますので、続けて相手の健康を喜ぶ言葉を入れておきましょう。
宛名とされる部分には「○○様」「皆様」「皆々様」「ご家族様」「ご一同様」「ご尊家様」などがあります。
【結び】
- 季節の変わり目でございます。お身体大切にお過ごしください。敬具
- 春一番もそろそろかと存じます。くれぐれもお身体ご自愛くださいませ。敬白
- 春はもうそこまで来ています。今しばらくの御辛抱、ご自愛専一を祈念致します。拝具
- 余寒の折、皆様おそろいで本格的な春の到来をお迎えください。かしこ
- 残寒のみぎり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。謹白
結びの挨拶にも、相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。
その他、「本格的な春の到来」「幸多き春の門出」などを使って文章を構成するのもオススメです。
また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
頭語に「謹啓」「謹呈」などを使うと、「拝啓」よりフォーマルな印象が強くなります。
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 雨水の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
- 拝呈 雨水の候、貴店いよいよご盛栄のことと存じ、お慶び申し上げます。
- 謹啓 雨水の候、貴店にはますますご隆盛の趣大慶に存じます。
- 謹呈 雨水の候、貴社におかれましては益々ご隆昌の御事慶祝の至りに存じます。
- 恭敬 雨水の候、貴店におかれましては益々ご清栄ことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行は貴行)
「~のことと」の代用として「~趣」「~の段」「~由」「~の御事」「~のことと承り」なども利用できます。
【結び】
- 貴社ますますのご盛業を心よりお祈り申し上げます。まずは書中にてご挨拶申し上げます。敬具
- 春寒の砌、皆様のご健勝とご活躍を社員一同衷心より祈念致します。末筆ながら、ご報告申し上げます。敬白
- これからも末永くお引き立てを賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。拝具
- 今後ともより一層のご高配を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀失礼ながら、お礼かたがたご挨拶申し上げます。謹言
- 今後とも倍旧のお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。末筆ながら、厚く御礼申し上げます。謹白
結びの挨拶には相手の会社の繁栄や今後のお付き合いを祈願する言葉を入れます。
お力添えなどの上に「格別の」「倍旧の」「より一層の」「尚一層の」などで強調しておくとよいですね!
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雨水の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 雨水の候を使う時期は例年2月18日頃~3月5日頃
- 二十四節気の「雨水」の期間の約15日間使用できる
- 読み方は「うすいのこう」
- 意味は「暦の上では雨水を迎えましたが…」
- 「徐々に春めいて、自然や人も動き始める頃」といったニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
雨水の候は本格的な春を迎える前に使われる時候の挨拶です。
私的な季節の挨拶状やビジネスレターなどにぜひご活用くださいね!
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