煤払いの日とはいつ?意味や由来は?大掃除の道具ややり方も!

2021年9月16日行事・カレンダー

煤払いの日 いつ 意味 由来

毎年12月中旬に入る頃、「煤払い」という言葉を耳にする機会も増えますよね。

ただ、現代では馴染みが薄くなっている風習のため、煤払いの日がいつなのかご存じない方も多いと思います。

 

年末の大掃除の起源といわれているだけに、この日の意味や由来などはぜひ知っておきたいですね。

実は、1年間の感謝を込めて贈る「お歳暮」とも深く関わっていますよ!

 

また、煤払いの日に大掃除をしたいという人のために、必要な道具ややり方などもご紹介します!

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煤払いの日とはいつ?

煤払いの日とは いつ煤払いの日は、毎年12月13日となっています。

勘のいい人であれば「正月事始め」の日と同日だと気付きますよね!

 

もともとは月の満ち欠けを基準にした「太陰暦」や、太陽の動きも取り入れた「太陰太陽暦」の時代から12月13日とされていました。

いわゆる「旧暦」時代の日付が、新暦(太陽暦)となった現在でもそのまま採用された形となっています。

煤払いの日の意味とは?

煤払いの日 意味

煤払いの日とは、1年を過ごす上で天井や壁に付着した煤(すす)を綺麗に落とす日を意味します。

昔から新年を気持ちよく迎えるために、煤などの汚れを掃除する年中行事となっています。

 

煤とは、焚き火などをしている時に顔などについてしまう黒い汚れのこと。

その正体は食料や薪(たきぎ)などを燃やす時に不完全燃焼によって発生する炭素の微粒子です。

 

また、放置していると天井などに溜まる極小の垢(あか)も煤と呼んでおり、昔はどの家庭も煤払いの日に大掃除をする習慣がありました。

ストーブやガスコンロが無かった時代は、家に囲炉裏(いろり)があって暖をとったりしていたため、特に冬の時期は煤が大量に発生していたようです。

 

もちろん換気扇も無い時代でしたので、1年以上も放置すれば家の中は真っ黒になってしまいます。

そういった意味でも、煤払いの日は1年最後の大切な年中行事だったのです。

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年神様を迎えるための準備期間の始まり!

煤払いの日 年神様を迎える準備

一年間に家の中に溜まった煤を綺麗サッパリ取り除く煤払いの日。

年末に設けられているのは、正月に迎えるに当たって「年神様を迎える準備をする」という意味が込められているからです。

 

正月に各家庭を訪れる年神様は門松を目印として家の中に入り、鏡餅を依り代(憑依する場所)にされています。

1年間福をもたらす神様なので、煤払いの日により丁寧に煤を落とすことで「家族に多くの幸運が舞い込む」ともいわれているのです。

 

また、正月事始めの日であることから、門松に利用する竹やお節料理を作るために必要な薪を山に取りに行く「松迎え」も行われていました。

最近では無くなりつつある風習ですが、年神様のために煤払いで家を綺麗にした後、松迎えを行うという神聖な1日でもあります。

 

煤払いの日には竹竿の先に藁(わら)を付けた特別な掃除道具「煤梵天(すすぼんてん)」を用意し、天井や神棚の周辺を念入りに掃除する風習もあります。

掃除が綺麗に終わった後は神棚に赤飯やお神酒などをお供えし、年神様をお迎えする準備期間の初日が終わったことをお祝いする地域もあるようです。

お歳暮を贈る時期の始まりだった!

煤払いの日 お歳暮を贈り始める時期

お歳暮といえば、現在では地域ごとに11月末~12月末と贈る時期も様々です。

ただ、昔は12月13日の煤払いの日から贈る風習がありました。

 

現在のように配送なども無い時代でしたので、お世話になっている方の家に感謝の気持ちを込めた品を持参するのが一般的でした。

煤払いの日に家を綺麗に掃除をするのは、お歳暮のやり取りを気持ちよく行うためという考え方もあったのです。

 

目下の人が品を持ってくるとはいえ、家の中が煤だらけだと恥ずかしいような気持ちにもなりますよね。

また、お歳暮は年神様やご先祖様の霊をお迎えする意味で、年越しや正月料理に欠かせない食品などを贈っていたという説もあります。

 

正月事始めや煤払いの日はお歳暮を贈る初日としての習慣も根付いていたようです。

今では、関西地方のみ12月13日から贈る地域もありますが、全国的に見ると徐々に早まってきていますね!


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煤払いの日の由来とは?

煤払いの日 由来

大掃除の起源ともいわれる煤払いですが、古くは平安貴族の間で行われていたようです。

一般的に広く普及したのは江戸時代のことで、江戸城で12月13日に行われていたものが煤払いの日の由来とされています。

 

当時は中国の占星術や天文学をベースにした「二十八宿」という考えが広まり、毎年12月13日は「鬼宿日」という最上の吉日とされていたのです。

悪さをする鬼が1日中宿にいて街を出歩かないのですから、これ以上の吉日はありませんよね。

 

江戸城では煤払いの日に相応しいとして鬼宿日を採用しましたが、それが江戸庶民の間にも広まり、全国的に普及したといわれています。

また、12月13日の鬼宿日は年神様を迎えるための「物忌み」の期間の始まりとしても採用されています。

 

物忌みとは、普段の生活を規制して家に籠り、「穢れ」を防いだり人や神様に移すのを避ける行為です。

今では年神様といっても信仰心が薄れつつありますが、当時は正月前に行動を慎む期間が設けられ、元日はお祭り騒ぎをしていたようですね。

 

正月事始めの日、煤払いの日、物忌みの開始日が同じというのは、すべて年神様を迎えるための最良の吉日とされていたからです。

今では二十八宿の日付にそれぞれズレが生じていますが、現在でも12月13日をそのまま採用した形となっています。

煤払いの日の大掃除の道具ややり方は?

煤払い 大掃除 道具 やり方

せっかく煤払いの日があるのだから「大掃除をしよう!」という人も多いと思います。

ただし、土日ならともかく平日の場合がほとんどですから、時間的余裕も無いはずです。

 

昔であれば、煤払いの日に松迎えで獲ってきた笹竹の先に藁を取り付けて天井などを掃除していました。

今は煙などによる煤も少ないと思いますので、必要な道具として伸縮式のアルミ製天井箒(蜘蛛の巣取り)などがあれば便利です。

 

先に天井を綺麗にしてしまえば、上から塵が落ちて来ることも少なくなりますよね。

あとは、普段の大掃除のやり方と同じでよいと思われます。

 

まずは神棚や仏壇などを綺麗にしてから、リビングや子供部屋、キッチン、お風呂、トイレ、玄関の順に掃除をすると効率的ですね。

煤払いの日は天井と神棚・仏壇だけで、残りは土日など数日に分けて行う方がオススメです。

 

気持ちよく掃除をするなら道具は新品のものを用意してもよいですが、雑巾やファイバークロスなどを新調するだけでも十分でしょう。

昔は煤払いの日に使用した竹箒などはどんど焼き(左義長)などでお焚き上げする習慣もありました。

 

現在はどんど焼きなども減ってきていますので、何年も使える金属製の長帚の他、便利な電化製品を使う手もありますよね。

掃除の基本である「上から下へ」「奥から手前へ」を意識しておくと、綺麗になって年神様も喜ばれると思います。

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煤払いの日とはいつ?意味や由来は?大掃除の道具ややり方も!のまとめ

昔から煤払いの日は、正月に年神様を迎える意味で大切な行事とされていました。

今では囲炉裏を使う民家も少なく、キッチンには換気扇なども備わっていますので、現代風のやり方でよいと思われます。

 

毎年、年末には寺社仏閣などで行われているニュースが流れますので、その由来だけでも知っておきたいですね。

掃除をしても大晦日を迎える頃には汚れてしまう場合もありますので、クリスマスが終わったら一度チェックしておくとよいでしょう!