節分の柊鰯(ひいらぎいわし)の意味と由来!作り方や飾る場所は?
節分といえば豆まきをしたり、恵方巻きを食べるイメージが強いかもしれませんね。
しかし、柊鰯(ひいらぎいわし)というものを飾る風習があるのをご存知ですか?
せっかくなら意味や由来ををしっかり理解した方が、よりご利益が得られる気がしますよね。
また今まで知らなかった方は、節分に柊鰯を飾る場所についても確認してくださいね。
日本のよい文化を絶やさないためにも、子供に教えられるくらい知識をつけておきましょう。
そこで今回は、節分の柊鰯(ひいらぎいわし)の意味と由来!作り方や飾る場所は?というテーマで詳しくご紹介します!
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節分の柊鰯(ひいらぎいわし)の意味と由来!
節分に柊鰯(ひいらぎいわし)を飾るようになった由来は、平安時代にまで遡ります。
当時は門口に正月のしめ縄を設置し、そこに柊の枝とボラの頭(なよし)を刺していました。
昔はどのように飾られていたのかについては、紀貫之が書いたことで有名な「土佐日記」に記されています。
935年に書かれた書物ですので、1000年以上前からの風習を受け継いでいることになりますね。
どうして節分に柊鰯を飾るようになったのか、その意味は「魔除け」や「厄除け」です。
邪気の象徴である鬼が家に入ってこないようにと願ったことが始まりだと言われていますが、実は2つの説があります。
【鬼を寄せ付けないため】
鰯を焼いた臭いと煙で、鬼を寄せ付けないようにする。
柊のトゲで目を刺して退治する。
【鬼を誘き寄せるため】
鬼が好きな鰯を焼いて、煙を出して臭いで誘き寄せる。
玄関に近づいてきたところを柊のトゲで退治する。
どちらにしても、節分で鬼から家を守る意味があるようです。
捉え方は人それぞれですが、子供に教える際には1つ目の説の方がよいかもしれませんね。
ちなみに節分で登場する「鬼」ですが、何を指しているのかご存知ですか?
こちらもいくつかの説がありますが、主に言われているのは以下の2つです。
【鬼の正体】
- 鬼門と呼ばれる方角
北東の方角を指し、邪気や魔物が入ってくると言われる。
干支で表すと丑と寅になる。
丑には角があり、寅は黒と黄の縞模様があることから現在の鬼のイメージができた。
- 人間の中にいる魔物
仏教では陰陽道に基づく、想像上の怪物のことを指す。
人の欲望や悪い心などの煩悩に住みつき、それが災いとなる。
簡単に説明すると、鬼門から入ってくる邪気や魔物を寄せ付けないようにし、自分の中に住む煩悩を追い払うという意味になります。
このようなことから、節分は「鬼を追い払い、福を内に入れる」という行事になったと考えられます。
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鰯の頭を飾るのはなぜ?
昔から魔除けの力があると昔から考えられてきたのが、臭いものです。
鰯の頭は足が早いため腐りやすく、焼くと臭いが出ることから使われ始めたと考えられています。
しかし、「土佐日記」に記されている節分の柊鰯(ひいらぎいわし)では、ボラが使われていました。
成長と共に名前が変化する出世魚ですので、めでたく縁起がいいものとして飾られていました。
ボラを漢字で書くと「魚へんに留まる(鰡)」になり、このことから「神様を家の中に留める」という意味もあったようです。
いつから現在のような形に変化したのか正確にはわかっていませんが、江戸時代の百科事典「古今要覧稿」では鰯となっていました。
西日本の一部地域では、焼くと嗅ぐを合わせて「焼嗅(やいかがし)」「やいくさし」「やっかがし」「やきさし」と呼ばれることもあります。
鰯の頭を焼く時の煙や臭いも、節分ならではの風物詩であったことがわかりますね。
地域によっては「鰯(いわし)」が「和し(やわし)」と響きが似ているからという考え方もあります。
「家族の和合・家内安全」と重ね合わせているため、節分の飾りになったということですね。
また鰯の頭を食べて、体の中から鬼を追い出すと考えている地域もあります。
「人間の中にいる魔物」という意味もありますので、玄関に飾るよりも理にかなっているのかもしれませんね。
柊の枝を使うのはなぜ?
臭いのあるものと合わせて尖ったものには、魔除けの力があるとされてきました。
節分の柊鰯(ひいらぎいわし)に使われる柊の枝に付いている葉は、チクチクとしたトゲがあります。
鬼を家の中に入れないということで、魔除けとして使われています。
柊の別名は「オニノメツキ(鬼の目突き)」ですので、まさにぴったりの植物だと言えるでしょう。
常緑樹ですので1年中艶やかな緑を保ち、葉のトゲは鋭いため昔から邪気の侵入を防ぐとされています。
このことから節分の柊鰯(ひいらぎいわし)だけではなく、庭木としてもよく使われてきました。
鬼門である北東に柊を植え、裏鬼門にあたる南西に南天を植えることで、鬼門除けになるとも言われています。
また魔除けだけでなく、防犯目的で庭木に選ぶ方も多いようです。
ちなみにキリスト教で出てくる柊のトゲはキリストの受難を表し、赤い実はキリストの血に喩えられています。
このように日本以外の場所で信仰が違っても、特別な木とされていました。
強い魔除けの効果がありそうな柊の枝が、鬼を退散させる節分の飾りに選ばれているのは納得ですね。
地域によっては実を取った大豆の枝である「豆柄」や、「トペラ」と呼ばれる、枝や葉に悪臭がある低木樹を使用することもあります。
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節分の柊鰯(ひいらぎいわし)の作り方!
節分に飾る柊鰯(ひいらぎいわし)の作り方はとても簡単で、焼いた鰯の頭を柊の枝に刺すだけです!
と言ってもさすがにこれだけではわかりにくいと思いますので、詳しくご紹介していきます。
まず用意するものは
- 葉のついた柊の枝:1本
- 頭の付いた鰯:1匹
の2つです。
どちらも節分の時期になると、スーパーでは特設コーナーなどが作られますので簡単に手に入れることができます。
豆や恵方巻きなどと合わせて購入しておくといいですね。
鰯は丸ごと焼き魚にしても、頭を先に取ってからでもどちらでもOKです。
匂いが出るまでこんがりと焼いたら、柊鰯(ひいらぎいわし)には使わない身の方はおいしく食べましょう。
柊の枝は刺しやすいように、先の方の葉を数枚切り落としておきます。
トゲは触るとかなり痛いので、注意しながら切ってくださいね。
あとは胴体と繋がっていた部分から、口か目から柊の枝が出るように刺せば完成です。
これで節分の鬼を追い払う、柊鰯(ひいらぎいわし)ができました。
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節分に柊鰯(ひいらぎいわし)を飾る場所は?
ここからは、節分に柊鰯(ひいらぎいわし)を飾る場所を確認しておきましょう。
意味で確認していただいたように、家の中に鬼を入れないようにするためのものです。
そのため、入り口となる玄関に柊鰯(ひいらぎいわし)を選ぶことが多いようです。
地域によって飾る場所は「鬼門とされる北東」ということもありますので、初めての方は近所の年配の方に聞いてみるといいですね。
ドアや壁などに吊るしたり、テープなどで留めておきましょう。
花瓶に花を生けるように、柊鰯(ひいらぎいわし)を刺しておくのもOKです。
マンションやアパートに住んでいるなど、家庭の事情によって玄関の外には設置できないということもありますよね。
そのような場合は、飾る場所は家の中で構いません。
節分で鬼の侵入を防ぐための風習ですので、室内でもなるべく入り口付近がよいでしょう。
臭いが出るものですので、くれぐれもご近所トラブルにならないよう注意してくださいね。
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節分の柊鰯(ひいらぎいわし)はいつまで飾る?
最後に節分の柊鰯(ひいらぎいわし)は、いつまで飾るのかを見ていきましょう。
こちらも地域によって様々ですが、基本的には立春となる次の日までということが多いようです。
「土佐日記」に記されていた平安時代の頃はお正月から飾る風習でしたが、現在は節分になってからでいいでしょう。
他にも時期はいろいろありましたので、以下でご紹介します!
【柊鰯を飾る時期】
- 翌年の節分まで
- ひな祭りまで
- 2月いっぱい
- 猫やカラスが持って行くまで
飾った後の処分方法は?
節分で柊鰯(ひいらぎいわし)を飾った後の処分方法ですが、大きく分けて4つになります。
「猫やカラスが持って行くまで」以外だと自分で外すことになりますので、覚えておきましょう。
【柊鰯の処分方法】
- 神社でお焚き上げしてもらう
- 玄関先に埋める
- 灰になるまで焼いて玄関先に盛っておく
- 酒と塩で清めてから半紙で包んで捨てる
この中でも一般的なのは、酒と塩で清めてから半紙で包んで捨てる処分方法です。
家庭の事情によっては玄関先に埋めたり、焼いて灰に盛っておくのは難しいでしょう。
邪気を払うために飾った後ですので、単なる生ゴミとして扱うのは避けたいところですね。
「ありがとう」という気持ちを込めて、処分方法にも気を使いましょう。
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節分の柊鰯(ひいらぎいわし)の意味と由来!まとめ
節分では柊鰯(ひいらぎいわし)を、「魔除け」や「厄除け」の意味で玄関に飾ります。
平安時代から始まった1000年以上もの歴史がある風習ですので、今後も残していきたい文化ですね。
使われる鰯や柊の枝にもそれぞれちゃんと意味があり、鬼を退治するために大事な役割を持っています。
柊鰯(ひいらぎいわし)の作り方は簡単ですので、節分に合わせて作って玄関に飾りましょう。
いつからいつまで設置すればいいのかわからない場合は、近所の年配の方に聞くとよいですね。
処分方法は生ゴミのように扱うのではなく、感謝の気持ちを込めて捨てるようにしましょう。
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