立志式の意味と由来!目的や内容、開催地域は?いつから始まった?
中学校の学校行事の1つとして「立志式」があるのをご存じでしょうか?
全く行っていない地域もあれば、毎年欠かせない重要な恒例行事としている地域もあります。
立志式には保護者も参加することが多いため、その意味や由来について学んでおきましょう!
何のために行うのかという目的や、どんなことを行うのかといった内容も知っておくと便利です。
また、開催地域やいつから始まった学校行事なのか、詳しく調査してみました。
そこで今回は、立志式の意味と由来!目的や内容、開催地域は?いつから始まった?というテーマでご紹介します。
Sponsored Link
立志式の意味
立志式とは、数え年で15歳を迎える中学2年生を対象にした学校行事を意味します。
この日に生徒それぞれの将来の夢や目標を発表し、誓いを立てる決意表明の場となります。
参加者としては学校長や先生方、保護者、来賓などが挙げられ、生徒たちの決意を見届け、激励の言葉を贈ります。
また、立志式にはゲストとして有名楽器奏者が演奏したり、著名人が講演をしてエールを送ることもあります。(※ゲストのジャンルは様々です)
文字通り「志を立てる」という意味で「立志式」と呼び、大人たちは祝福と激励の気持ちを伝える日です。
現在は時期が早まり、冬休みが明けた1月13日~1月末に行われることがほとんどです。
立志式の由来
立志式は、天武天皇の在位期間である平安時代の683年に「結髪加冠の制」が定められ…
その際、成人の儀として誕生した「元服の儀」に由来します。
当時は早くて数え年で12歳、遅くとも16歳頃には成人し、男子は家督を継ぐ準備に入っていました。
「元」と「服」にはそれぞれ以下のような意味があります。
- 「元」は首(頭)を表し、頭に冠をかぶること
- 「服」は着服を表し、大人の装いに着替えること
公家の一部などの高い身分であれば冠、武家などでは烏帽子を被っていたといわれています。
その他、昔の高貴な家柄の子には「竹千代」「千代丸」などの幼名がありましたが、これを撤廃。
元服には成人に相応しい名に改名したり、髪型なども変えて大人としての風貌に様変わりする習慣もありました。
また、立志式の由来となった元服は男子だけの儀式ではありません。
当時の女子の元服は「髪上げ」「眉払い」などの呼び名があり…
- 髪上げ=伸ばしていた髪を頭頂部で結い上げて、後ろに垂らすこと
- 眉払い=成人した証として眉毛を剃ったり、抜いたりすること
などを行って、大人の女性としての風貌に切り替えていたといわれています。
立志式を迎える中学2年生といえばまだまだ子供の印象も強いですが、昔は成人していた年齢だったのです。
もともと元服の儀は二十四節気の最初の日(立春)に行われていたことに由来し、現在では「立春式」のほか、「元服式」「少年式」などと呼ぶ地域もあります。
Sponsored Link
立志式の目的
立志式の一番の目的は「将来の夢や目標を立て、それに向けた決意表明を行うこと」です。
志を立てることで、その後の学校生活にも変化が見られます。
ただ、一見隠れた目的も存在し、以下のようなものが挙げられます。
- 産んで育ててくれた両親に感謝すること
- 指導してくれる先生に感謝すること
- 周りの環境や地域住民の有難さを知ること
- 大人としての行動や立ち居振る舞いを身につけること
- 同世代の仲間たちとの団結を図ること
- 1年後に迫る受験に負けない心を養うこと
- 理想の夢が破れても、すぐに新しい夢を見つけらる人になること
どれも人として大切なことですが、1年後に迫る受験に対し、志望校決定の参考になりますよね。
立志式には道徳的な意義も込められており、自分の行動に責任を持ち、人との共存を重視する人間形成なども目的の1つとされています。
立志式の内容
立志式にも中学校ごとに様々な形がありますが、まず一般的な内容をご紹介します。
- 開式のことば
- 国歌斉唱
- 校歌斉唱
- 式辞・来賓祝辞
- 生徒会長の立志文の発表
- 生徒1人1人の立志の誓い(※色紙に決意を込めた漢字を書いて発表)
- 保護者会代表の祝辞
- 生徒たちによる合唱のなどの企画
- 特別ゲストによる講演会や演奏など(※式に先立って行われることも)
- 校長先生の祝辞
- 閉式のことば
順番は多少前後しますが、立志式の一連の流れとしては閉会までに2時間程度の式典となっています。
その後は学級に戻り、生徒一人一人が親への手紙を読み、親からの手紙を贈られることもあります。
また、記念植樹やタイムカプセルなどを埋める学校も多いといわれています。
少し変わった内容ですが、立志式に清掃ボランティア活動、登山、長距離ウォーキング、マラソンなどを行うケースもあります。
修学旅行や卒業式に負けないくらいの思い出ができそうですね!
Sponsored Link
立志式の開催地域
立志式を開催する代表的な地域として…
「栃木」「石川」「愛媛」「熊本」「宮崎」が挙げられます。
全国的には、その他9つの都道府県で開催されている中学校が確認されています。
正確な調査が行われていない地域もありますので、実際にはもっと多くの学校で取り入れられている可能性もあります。
立志式はいつから始まった学校行事?
元服の儀は明治政権下で衰退していますが、立志式は1965年頃から始まった行事です。
現在から見ると60年近い歴史がありますが、その頃はまだごく一部の地域で行われていたようです。
歴史が最も古いのは愛媛県といわれ、1939年に立春の日を「少年の日」と定め…
翌年から県下一斉に立志式の式典を始めたという説が有力視されています。
その他の地域ではいつから始まったのかハッキリしていませんが、古い所で45年程度の歴史があるといわれています。
ただ、大人になって初めて立志式の存在を知る人も多いため、始まった当初の数自体は少なかったと思われます。
Sponsored Link
立志式の意味と由来!目的や内容、開催地域は?いつから始まった?のまとめ
- 立志式の意味は数え年で15歳を迎える中学2年生を祝福する行事
- 将来の夢や目的を発表し、決意表明をする日となる
- 平安時代に完成した「元服の儀」に由来する
- 志を立てると同時に、人として成長することを目的とする
- 式典の内容は中学校ごとに様々な形がある
- 立志式が始まったのは1965年頃の愛媛県が有力視されている
立志式は中学時代には無かったという大人の人も多いと思います。
ただ、親となってからは子供への手紙で苦労する人も多いですね。
参加される際は、面白くて感動できる手紙をプレゼントすると喜ばれるかもしれませんね!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません