ひなあられの色の意味と発祥の由来!関東と関西の違いと理由!

2023年2月16日ひな祭り

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3月3日のひな祭り(桃の節句)に欠かせないカラフルな節句菓子「ひなあられ」

主に3色(ピンク・白・緑)か、黄色を加えた4色がありますが、色の意味をご存じでしょうか?

 

女の子の健やかな成長を祈願するためのお菓子なので、漠然と色付けしているわけではありません。

また、ひなあられはお米を使った米菓に含まれますが、発祥の由来も気になりますよね。

 

関東と関西では見た目や味にも大きな違いがありますが、その理由についてもまとめてみました。

そこで今回は、ひなあられの色の意味と発祥の由来!関東と関西の違いとは?というテーマでご紹介しますね!

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ひなあられの色の意味!

ひなあられ 色 意味

3色のひなあられは、もともと桃の節句の行事食である菱餅を加工した米菓です。

そのため、ピンク(赤)・白・緑の3色の場合、菱餅とほぼ同様の意味が込められています。

【ひなあられ・3色の意味】

  • ピンク(赤):血や命をイメージしたもので、生命エネルギーの象徴。または「魔除け」。
  • 白:雪をイメージしたもので、白く覆われた大地のエネルギーの象徴。または「清浄」。
  • 緑:木々の新芽(新緑)をイメージしたもので、自然エネルギーの象徴。または「健康」。

※ピンクの「魔除け」は桃の花が持つ効力

3色のひなあられは、とくに森羅万象のエネルギーの融合を表しており…

それを女児が取り込むことで「厄災を祓い、健やかに成長する力を得る」という意味があります。

 

また、菱餅が持つ「魔除け」「清浄」「健康」の効果は、ひなあられにも確実に踏襲されています。

これに「黄色」を含めた4色のひなあられもよく見かけますよね。

4色は四季(1年間)を意味する!

ひなあられ 意味 4色

4色のひなあられも「女の子の健やかな成長」を祈願する意味があり、本質に大きな違いはありません。

ただ、そこに四季(1年間)という概念が含まれています。

【ひなあられ・4色の意味】

  • ピンク(赤):桜の花のイメージから春を表す
  • 緑:新緑のイメージから夏を表す
  • 黄:紅葉のイメージから秋を表す
  • 白:雪のイメージから冬を表す

ひなあられの元となった菱餅が現在の形になったのは江戸時代といわれています。

当時は1歳に満たずに早世する子も多かったため、四季(1年間)を生き抜くことも決して容易ではありませんでした。

 

そのため、後から誕生した4色のひなあられも、「女児が病気をせず大人の女性へ成長できますように」という意味を込め、雛飾りのお供え物となったという背景があります。

しかし、現代における日本人女性の平均寿命は約88歳で世界一位です。

 

ひなあられの色や味もお菓子メーカーにより多様化したこともあり、どちらかというと桃の節句の風物詩の1つという意味合いが強くなっているようです。


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ひなあられの発祥の由来!

ひなあられ 発祥 由来

ひなあられの発祥は、江戸時代に流行した「雛の国見せ」という女の子ならではの習慣に由来します。

もともと中国から伝わった「上巳の節句」は、平安貴族の女性の「ひいな遊び(人形遊び)」と融合し、自分の身代わりとして厄を移した人形を川に流す「流し雛」へと進化しています。

 

江戸時代になると幕府より五節句の1つと定められ、ひな祭りに「内裏雛(親王飾り)=男雛と女雛のみのセット」を飾る習慣も生まれています。

雛の国見せとは、晴れた日に家の中に飾ってある雛人形を外に持ち出して、国中の自然の景色を見せてあげるという遊びの文化です。

 

その際、豪華なお弁当と一緒に持って行った「おやつ」が、硬くなった菱餅を砕いて作ったひなあられ(の原型)だったのです。

当時の女の子たちはピクニックや遠足に出掛けるような気分で、ひなあられを食べながら雛人形に山野や海などの風景を見せて回ったといわれています。

 

また、雛の国見せには、雛人形を早世した兄弟姉妹に見立て、世の中の美しい姿を見せて偲ぶという背景もあったようです。

これがひなあられの発祥の由来とされていますが、当時の人形は簡素な造りだったことから、女の子の間で流行した遊びの1つでした。


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関東と関西のひなあられの違いと理由!

関東 関西 ひなあられ 違い 理由

関東と関西のひなあられは、見た目も味も大きな違いがあるといわれています。

関東では米粒を大きくしたような形をしていて、砂糖をまぶすことで甘味を楽しむのも特徴の1つです。

 

一方、関西のひなあられは、直径1cm程度の丸美を帯びた形をしていて、塩や醤油で味付けされています。

味は「しょっぱい」「辛い」と表現されることも多いですが、実際には甘味を付けたあられとのミックスタイプがほとんどです。

 

厳密にいうと、関東と関西のひなあられの違いは全国に波及し…

  • 北海道、東北、関東、中部、四国では甘いのみ
  • 関西、中国、九州の多くの地域では甘いと辛いの両方(ミックス)

と答える人がほとんどだという統計結果も出ています。

 

ちなみに筆者の地元の九州・熊本では、甘いと辛いのミックスのイメージが強いです。

ひなあられの発祥の由来はどちらも同じはずですが、なぜこのような違いがあるのか理由を探ってみました。

関東は縁起物のポン菓子が主流!

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関東のひなあられは、うるち米を爆(は)ぜて作る「ポン菓子」が主流となっています。

ポン菓子とは、回転式の専用圧力鍋を利用して作られる膨化菓子で、加熱しながら圧力をかけ一気に開放することで、米や麦などの穀物を大きく膨張させたものです。

 

蓋を叩いて減圧させる際、ポン(ドン)と爆音が鳴ることからポン菓子やドン菓子、バクダンなど様々な呼び名があります。

食紅などの着色料をお米に混ぜてから作り、砂糖をまぶすことで優しい甘味の関東風のひなあられが完成します。

 

ポン菓子の発祥は1901年、アメリカの大学で穀物の研究中に偶然出来たことで「パフライス」として発売されたようです。

関東のひなあられがポン菓子で作られる理由としては、江戸時代にもち米を炒って作った爆米(はぜ)に由来します。

 

もち米の場合、爆ぜた時にポップコーンのように花が咲いたような状態になることから、豊作祈願の縁起物として正月のお供え物とされていました。

大正時代にポン菓子専用の圧力鍋が日本に導入されたことにより、関東では爆米(はぜ)と同じ原理で作られるひなあられが主流となったようです。

関西は涅槃会の花供曽が主流!

関西 ひなあられ 花供曽 あられ

一方、関西のひなあられは、涅槃会(ねはんえ)のお供え物とされる「花供曽(はなくそ)」が主流になっている説が有力です。

涅槃会とは、お釈迦様が入滅された日を偲ぶ行事で、毎年2月15日(新暦採用では3月15日)に様々な仏教寺院で特別法要が行われています。

 

その際にもち米を原料に作られるあられを「花供曽」と呼び、お供えしたり授かったり購入して食べたりする習慣があります。

もともと仏様へのお供え物は「花供御(はなくご)」と呼ばれていましたが、子どもの悪ふざけから呼び名が採用されたお供え用のあられです。

関西 ひなあられ 涅槃会 花供曽

仏教寺院で授かった花供曽には無病息災のご利益があるといわれており、大きさも直径1cm程度なので、関西のひなあられに通じるものがありますよね。

京都の銘菓としても有名で、味付けは醤油や砂糖の他、沖縄名産の黒糖を使ったものなどがあり、どちらかというと甘辛い印象があります。

 

その後、関西では塩(サラダ)、海苔、海老、マヨネーズ、チョコレート味など、様々なひなあられが販売されており、花供曽からさらに進化している様子もうかがえます。

関東よりも味が豊富ということもあり、関西ならではの欲張り文化の賜物ともいわれていますね。

 

現在のひなあられは多様化が進んでいるため、お住まいの地域によっても様々な特徴を持った節句菓子として認知されているようです。


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ひなあられの色の意味と発祥の由来!関東と関西の違いと理由!のまとめ

ひなあられの色の意味や発祥の由来を中心にご紹介しました。

現在でもピンク(赤)、白、緑の3色や、黄色を加えた4色のあられが多く販売されていますね!

 

関東では雷おこしなどにも使われるポン菓子が主流で、東日本のほとんどの地域は甘いひなあられとなっています。

関西では涅槃絵の花供曽が主流で、その後、様々な風味の商品が売られて多様化していったようです。

 

3月3日のひな祭りの日には、雛の国見せを思い出しながら、お子様と一緒にひなあられを召し上がってくださいね!

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Posted by sonoko0620