清明の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
清明の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
文字を見ると「清く明るい」と書きますが、使う時期はいつ頃なのか確認してきましょう!
読み方や意味を理解しておくと「常識のない人」と思われる心配も無用です。
清明の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、清明の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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清明の候を使う時期はいつ?
清明の候を使う時期は、例年4月5日頃~4月19日頃です。
これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「清明」の期間で、約15日間となります。
以下に、旧暦の春に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
春 | 初春 | 1 | 立春 | 1月節 | 2月4日頃 |
2 | 雨水 | 1月中 | 2月18日頃 | ||
仲春 | 3 | 啓蟄 | 2月節 | 3月6日頃 | |
4 | 春分 | 2月中 | 3月21日頃 | ||
晩春 | 5 | 清明 | 3月節 | 4月5日頃 | |
6 | 穀雨 | 3月中 | 4月20日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
二十四節気(旧暦)の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節に分けられています。
その中で、清明は晩春の前半にあたり、立春から数えて5番目に巡ってくる節気(中気)です。
清明の候を使えるのは、この晩春の前半に限定されています。
次の節気で4月20日頃の「穀雨」を迎えると、季節は晩春の後半に移り変わります。
すると、清明の候を使う時期から外れてしまうため、前日4月19日頃までの使用にとどめます。
二十四節気を含む時候の挨拶は、該当する節気の期間のみ使用可能となっています。
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清明の候の読み方は?
清明の候の読み方は「せいめいのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
清明単体でも訓読みすることはなく、「せいめい」として俳句の晩春の季語になっています。
そもそも二十四節気の1つなので、読み間違いは少ないと思われます。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
清明の候の意味は?
清明の候は「暦の上では清明を迎えましたが…」という意味です。
二十四節気の清明は「万物が清らかで美しく、生き生きして見える頃」を表しています。
晩春になると春の陽気に包まれ、目に映る自然が活気に満ちて美しくなる印象を受けますよね。
例えば・・・
- 桜が満開になる(散り始める地域も)
- 一面に咲く芝桜が鮮やかに染まる
- チューリップ、クレマチス、ラベンダーなどの開花
- ワラビ、ゼンマイなどの山菜が成長する
- 草木の全てに活気を感じる
- 川の流れに陽が映ってキラキラしている(せせらぎも心地よい)
- 空が澄み渡って日光も眩しくなる(現在では黄砂や花粉が飛ぶことも)
- ツバメが飛ぶ様子を見始める
などが挙げられますが、やはり開花時期を迎える花が多いのも特徴的です。
清明の候には「本格的な春の到来により自然が映え、心まで麗ららかになる頃」というニュアンスが含まれています。
また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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清明の候の使い方の例文と結び!
では、清明の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね。
漢語調の時候の挨拶の前提として、「清明の候」「清明の折(おり)「清明の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 清明の候、○○様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
- 拝呈 清明の候、皆様ますますご清適のこととお慶び申し上げます。
- 啓上 清明の候、皆様にはいよいよご清福のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 清明の候、ご一同様にいよいよご清栄のことと承り、大慶に存じます。
- 謹呈 清明の候、ご尊家におかれましては益々ご健勝の由慶祝の至りに存じます。
時候の挨拶のあとに続き、相手の健康を祝う言葉を入れておきましょう。
宛名の部分には「○○様」「皆様」「皆々様」「ご家族様」「ご尊家様」「ご一同様」などが入ります。
【結び】
- 新生活がますます実り多きものになりますよう、ご祈念申し上げます。敬具
- 新天地での更なるご活躍を、かげながらお祈り申し上げます。敬白
- 咲き誇る桜にも負けない華やかなご活躍をお祈り申し上げます。拝具
- 花冷えの日もございます。何卒ご自愛専一にてお過ごしください。かしこ
- 陽春のみぎり、皆様ますますのご健勝とご多幸を家族一同祈念致します。頓首
結びには相手の健康を気遣う言葉や活躍を祈る言葉を入れておきます。
書き出しとは別の漢語調の時候の挨拶を使って、文章を構成するのもオススメですよ!
また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
最もポピュラーとされる「拝啓」+「敬具」の組み合わせでも十分敬意は伝わります。
さらにフォーマルな印象にしたい場合、「謹啓」+「謹白」などを利用する手もあります。
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 清明の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
- 拝呈 清明の候、貴店いよいよご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます。
- 謹啓 清明の候、貴社にはますますご隆盛の御事大慶に存じます。
- 恭敬 清明の候、貴店におかれましては益々ご盛業の由慶賀の至りに存じます。
- 粛啓 清明の候、貴店におかれましては益々ご盛栄ことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。
銀行なら貴行、郵便局なら貴局、社団法人なら貴法人といった具合に「貴」を使うことがほとんどです。
【結び】
- 新年度を迎えお忙しい時期かと存じます。皆様のさらなるご健勝とご活躍を祈念致します。取り急ぎ、ご報告まで。敬具
- 本年度もより一層のご力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。末筆ながら、深謝申し上げます。敬白
- 本年度も倍旧のご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀ながら、お礼かたがたご挨拶申し上げます。拝具
- 今後とも格別のご厚誼を賜りますよう、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。略儀失礼ながら、書中にてご挨拶まで。謹言
- 春暖の折、貴社ますますのご隆盛を社員一同衷心より祈念致します。まずは書中にてご挨拶申し上げます。謹白
結びの挨拶には相手の会社の繁栄と今後のお付き合いを祈願する言葉を入れておきます。
「まずは」「取り急ぎ」「略儀ながら」などで締めておくと、より丁寧な印象になります。
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清明の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 清明の候を使う時期は、例年4月5日頃~19日頃
- 二十四節気の「清明」の期間で約15日間使用できる
- 読み方は「せいめいのこう」
- 意味は「暦の上では清明を迎えましたが…」
- 「本格的な春の到来により自然が映え、心まで麗ららかになる頃」といったニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
清明の候は新年度や入学式シーズンに使う時候の挨拶でもあります。
相手の今後の活躍を願うような季節の挨拶状などにご活用くださいね!
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