厳冬の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
厳冬の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
真冬をイメージさせる言葉ですが、具体的に使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。
厳冬の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等を締めくくる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、厳冬の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマで詳しくご紹介します。
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厳冬の候を使う時期はいつ?
厳冬の候を使う時期は、例年1月5日頃~2月3日頃となっています。
1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「小寒」と「大寒」を合わせた約30日間です。
以下に旧暦の冬を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
冬 | 初冬 | 19 | 立冬 | 10月節 | 11月7日頃 |
20 | 小雪 | 10月中 | 11月22日頃 | ||
仲冬 | 21 | 大雪 | 11月節 | 12月7日頃 | |
22 | 冬至 | 11月中 | 12月22日頃 | ||
晩冬 | 23 | 小寒 | 12月節 | 1月5日頃 | |
24 | 大寒 | 12月中 | 1月20日頃 | ||
春 | 初春 | 1 | 立春 | 1月節 | 2月4日頃 |
2 | 雨水 | 1月中 | 2月18日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
二十四節気(旧暦)の冬は「初冬・仲冬・晩冬」の3つの季節に分けられています。
厳冬の候を使う時期は晩冬の全般で、一般的に寒(かん)、寒中、寒の内とも呼ばれていますね!
使い始めは「寒の入り」とも呼ばれる「小寒の初日」で1月5日頃。
使い終わりは「大寒」の最終日で、「節分」にあたる2月3日頃です。
2月4日頃の「立春=寒の明け」を迎えると、二十四節気が一巡して春(初春)に戻ります。
厳冬の候を使う時期として相応しくありませんので、節分までの使用にとどめます。
また、年賀状のやり取りをする松の内(元日~1月7日)が明けるまではあまり使われていません。
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厳冬の候の読み方は?
厳冬の候の読み方は「げんとうのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
厳冬単体でも訓読みにすることはなく、「げんとう」として季節を表す言葉になっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
厳冬の候の意味は?
厳冬の候は「冬の寒さが最も厳しい時期を迎えましたが…」という意味です。
そもそも厳冬とは「冬の寒さが厳しい頃」を表す言葉なので、そのままという印象ですね!
使用する「寒(かん)」の時期のイメージとして・・・
- 気温の低下が著しい(身も心も凍えるような寒さ)
- 雪国では豪雪による積雪量が増える
- 樹々の樹氷、霧氷の他、湖面の凍結が見られる
- スキーやスノボなど、ウィンタースポーツのシーズン
- 晩秋に日本に飛来する白鳥やカモメなどの冬鳥の見頃
- 寒椿や蝋梅、山茶花などの冬の花の見頃
- 鏡開きに伴う寒稽古(寒中水泳なども)
- 成人の日
- 小正月
- 節分
などが挙げられます。
ただし、厳冬の候という時候の挨拶からは、あまりポジティブな要素は感じられません。
ネガティブ要素が強く、「只々寒くて、春が待ち遠しい」というニュアンスが含まれています。
また、「候」は暑さ寒さといった気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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厳冬の候の使い方の例文!
では、厳冬の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶と併せて参考にしてくださいね。
漢語調の時候の挨拶の前提として、「厳冬の候」「厳冬の折(おり)「厳冬の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向があります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び!
【書き出し】
- 拝啓 厳冬の候、皆様お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 拝啓 厳冬の候、皆様にはますますご健勝にてご活躍のことと存じます。
- 謹啓 厳冬の候、皆様にはいよいよご清祥のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 厳冬の候、ご家族様にはいよいよご清適の趣慶賀の至りに存じます。
- 恭敬 厳冬の候、ご一同様におかれましては益々ご清福の趣、慶祝の至りに存じます。
書き出しには相手の健康を気遣う文章(安否の挨拶)を入れるのが一般的です。
「お慶び」「お喜び」はどちらの漢字も使えますが、「大慶」「慶賀」「慶祝」などの言い換えも可能です。
【結び】
- 酷寒の砌、なにとぞ御体大事にお過ごしくださいませ。敬具
- 大寒の折、くれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。敬白
- 今年の冬は一段と冷えるようでございます。風邪などめされませんようご留意ください。かしこ
- 寒の明けも迫っております。皆様おそろいで厳寒を乗りきられますよう祈念致します。拝具
- 本年も倍旧の厚情を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。謹白
結びの挨拶には相手の健康や幸せを願う言葉を入れておくのがマナーです。
新年の挨拶が終わっていない場合、寒中見舞いでご挨拶する手もありますね!
また、冒頭の頭語と締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
最もポピュラーな組み合わせは「拝啓」+「敬具」ですね。
「謹啓」+「敬白」、「謹呈」+「謹白」などの組み合わせだと、より改まった印象になります。
ビジネスレターの例文と結び!
【書き出し】
- 拝啓 厳冬の候、貴社ますますご隆盛こととお慶び申し上げます。
- 拝啓 厳冬の候、貴社いよいよご隆昌のことと存じ、お慶び申し上げます。
- 謹啓 厳冬の候、貴社にはますますご清栄の由大慶に存じます。
- 謹啓 厳冬の候、貴社におかれましては益々ご盛栄の御事慶賀の至りに存じます。
- 粛啓 厳冬の候、貴店におかれましては益々ご盛業ことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行なら貴行)
「~のことと」の代用として「~の由」「~の段」「~の趣」「~の御事」なども便利ですよ!
【結び】
- 本年も格別のご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。末筆ながら、お礼かたがたご挨拶申し上げます。敬具
- 本年もより一層のお引き立てを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご報告まで。敬白
- 今後とも、尚一層のご贔屓を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは書中にてご挨拶申し上げます。拝具
- 本年も貴社ますますのご盛栄を弊社一同衷心より祈念致します。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。謹白
- 極寒の折、皆様のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げます。略儀失礼ながら、厚く御礼申し上げます。謹白
結びには「相手の会社のさらなる繁栄」と「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。
「ご支援」の上に入る言葉として「格別の」「引き続き」「より一層の」「尚一層の」「倍旧の」などがあります。
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厳冬の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 厳冬の候を使う時期は例年1月5日頃~2月3日頃
- 二十四節気の「小寒」~「大寒」の約30日間(寒の期間)
- 読み方は「げんとうのこう」
- 意味は「冬の寒さが最も厳しい時期を迎えましたが…」
- 「只々寒くて、春が待ち遠しい」というニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
厳冬の候は1年で最も寒さが厳しい頃に使う時候の挨拶です。
普段からお世話になっている方への季節の挨拶状やお見舞い状にご活用くださいね!
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