立秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
立秋の候とは、手紙など季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
二十四節気の立秋を含みますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう。
読み方や意味を理解しておけば、相手に対して失礼に当たるような失敗もありません。
また、立秋の候の使い方として季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
意外と悩みがちな「結びの文章(文末の挨拶)」も参考にしてくださいね!
そこで今回は、立秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
Sponsored Link
立秋の候を使う時期はいつ?
立秋の候を使う時期は8月7日頃~8月22日頃です。
これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の立秋の期間で、約15日間になります。
以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
夏 | 晩夏 | 11 | 処暑 | 6月節 | 7月7日頃 |
12 | 大暑 | 6月中 | 7月23日頃 | ||
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 7月節 | 8月7日頃 |
14 | 処暑 | 7月中 | 8月23日頃 | ||
仲秋 | 15 | 白露 | 8月節 | 9月8日頃 | |
16 | 秋分 | 8月中 | 9月23日頃 | ||
晩秋 | 17 | 寒露 | 9月節 | 10月8日頃 | |
18 | 霜降 | 9月中 | 10月23日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています
二十四節気の立秋は立春から数えて13番目に巡ってくる節気で、初秋の前半に当たります。
8月7日頃といえば真夏のイメージも多いですが、あくまで旧暦(暦の上)に基づく表現です。
次の節気(中気)で8月23日頃の「処暑」になると、立秋の候を使う時期から外れてしまいます。
このように、二十四節気を含む時候の挨拶はすべて約15日間しか使えません。
また、立秋といえば、暑中見舞いから残暑見舞いに切り替わる日です。
立秋の候は、残暑厳しい時期のお見舞い状にも使える時候の挨拶の1つとして重宝しますよ!
Sponsored Link
立秋の候の読み方は?
立秋の候の読み方は「りっしゅうのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は、漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
そもそも二十四節気は全て音読みなので、比較的間違いは少ないと思います。
立秋単体でも訓読みにすることはなく、そのまま俳句の秋の季語として使われています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、音読みで「こう」とします。
立秋の候の意味は?
立秋の候は「暦の上では秋を迎えましたが…」という意味です。
旧暦時代に誕生した二十四節気の立秋は「夏が極まり、秋の気配が立ち始める頃」を表しています。
しかし、新暦8月はうだるような暑さが衰えず、気温40℃を超える地域もあります。
熱中症になる人も増えますし、初秋といわれてもピンと来ないような気候ですよね。
そのため、立秋の候は「秋らしかぬ厳しい暑さが続いている」といったニュアンスを含む時候の挨拶です。
また、「候」は暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
Sponsored Link
立秋の候の使い方の例文と結び!
では、立秋の候の使い方の例文をご紹介します。
日頃お世話になっている方への季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめています。
手紙などの最後を締めくくる「結びの文章」もぜひ参考にして書いてみてくださいね!
尚、漢語調の時候の挨拶は「○○の候」「○○の折(おり)」「○○のみぎり」の3種類のうち、どれを使っても問題ありません。
「○○の季節になりましたが…」といった口語調(和文調)の挨拶より、改まった相手に使用されることが多いです。
相手との関係性によって使い分けるのもオススメですよ!
季節の挨拶状の例文と結び
- 拝啓 立秋の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 啓上 立秋の候、皆様ますますご清適の段、大慶に存じます。
- 拝呈 立秋の候、皆様いよいよご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 立秋の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 恭敬 立秋の候、○○様にはことのほか壮健の由、大慶の至りに存じます。
立秋の候だけで季節感を与えることができるため、以降は無理に秋めいた文章は必要はありません。
続けて、相手の健康を喜ぶ言葉を入れておきましょう。
「皆様」「皆様には」は「皆様におかれましては」の省略形として使われています。
- 夏の疲れが出やすい時期と存じます。皆様お体ご自愛ください。敬具
- ご家族の皆様、夏風邪、夏バテに十分ご注意ください。敬白
- 残暑の中にも秋の気配が感じられるようになりました。ご健勝にてご活躍くださいませ。拝具
- 残夏の折、朝夕はしのぎやすくなりましたが、ご健康には一段とご留意ください。謹白
- 秋暑のみぎり、皆様ご清祥にて実りの秋をお迎えください。かしこ
結びの文章にも相手の健康や活躍を祈願する言葉を入れておきましょう!
残夏の折など、立秋の候以外の漢語調の時候の挨拶を使うこともできますよ。
また、書き出しの頭語と結びの最後に使用する結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
「拝啓」はよく使用される頭語ですが、「謹啓」「謹呈」などはさらに改まった印象を受けますね。
ビジネスレターの例文と結び
- 拝啓 立秋の候、貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
- 拝呈 立秋の候、貴社ますますご隆盛のことと存じ、お慶び申し上げます。
- 謹啓 立秋の候、貴社いよいよご隆昌の由大慶に存じます。
- 謹呈 立秋の候、貴社におかれましては益々ご盛栄のこととお喜び申し上げます。
- 恭敬 立秋の候、貴社におかれましては益々ご盛栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは、相手の会社の敬語「貴社」を使います。(※会話では御社を使用)
「より一層」という意味の「ますます」「いよいよ」は、どちらを使っても問題ありません。
- 末筆ながら、貴社ますますのご盛栄を心よりお祈り申し上げます。敬具
- まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。敬白
- 略儀ではございますが、まずは書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます。拝具
- 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。謹言
- 残炎厳しき折から、皆様方にはくれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。謹白
ビジネスレターの結びでは、あまり季節感を表す言葉を使用しません。
お礼の挨拶のほか、相手の会社の繁栄や今後のご愛顧を祈願するような一文が多いですね!
また、会社宛には女性専用の結語「かしこ」は使うことができません。
Sponsored Link
立秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 立秋の候を使う時期は8月7日頃~22日頃
- 二十四節気の「立秋」と重なる約15日間が目安
- 読み方は「りっしゅうのこう」
- 意味は「暦の上では秋を迎えましたが…」
- 「秋らしかぬ厳しい暑さが続いている」というニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用する
立秋の候は二十四節気を含む時候の挨拶なので、冷夏であっても使用可能です。
お世話になった方への季節の挨拶状(残暑見舞い)やビジネスレターなどにもぜひご活用くださいね!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません