向寒の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文と結び!
向寒の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
読み方や意味は比較的簡単ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
また、向寒の候を使った季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
結びの文章も重要になるため、文書等の締めくくりにご利用ください。
そこで今回は、向寒の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文と結び!というテーマでご紹介します!
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向寒の候とは?
向寒の候とは、主に改まった相手への手紙などに使用される漢語調の時候の挨拶の1つです。
「○○の候」「○○の折(おり)」「○○の砌(砌)」の3種類のうち、どれを使っても問題ありません。
「○○の季節を迎えましたが…」といった口語調(和文調)の時候の挨拶もありますが・・・
より丁寧でフォーマルな印象を与えることができます。
では早速、向寒の候の読み方から見ていきましょう!
読み方は?
向寒の候の読み方は「こうかんのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は音読みにすることがほとんどです。(※一部例外もあります)
向寒単体でも訓読みにすることはなく、そのまま俳句の季語に使用されています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、音読みで「こう」とします。
意味は?
向寒の候は「冬の本格的な寒さに向かう頃ですが…」という意味です。
注目すべきは「今はまだ凍えるような寒さではない」というニュアンスを含む点ですね!
向寒とは本来、1年で最も寒さが厳しい「寒(かん)」の時期に向かうことを表しています。
1年を24等分の季節に分けた二十四節気では「小寒(1月5日頃~)」「大寒(1月20頃~)」を合わせた約30日間のことです。
しかし、現在では「寒」ではなく、単純に「体感的に寒くなる頃」という意味で使われています。
また、「候」は、暑さ寒さを含めた気候や、季節特有の自然現象が見られる頃などを表す言葉です。
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向寒の候を使う時期はいつ?
向寒の候を使う時期に明確な決まりはありませんが、11月7日頃~12月6日頃が目安です。
これは以下グラフの通り、二十四節気の「初冬」に当たる「立冬」と「小雪」を合わせた約30日間です。
冬 | 二十四節気 | 初日 |
---|---|---|
初冬 | 立冬 | 11月7日頃 |
小雪 | 11月22日頃 | |
仲冬 | 大雪 | 12月7日頃 |
冬至 | 12月22日頃 | |
晩冬 | 小寒 | 1月5日頃 |
大寒 | 1月20日頃 |
初冬(冬の初め)ということもあり、まだ寒さが厳しいという印象はありませんよね。
ただ、12月7日頃の「大雪」を迎えると、山の峰が雪に覆われて冬が本格化する頃です。
どんなに長くても12月中旬以降になると、向寒の候を使う時期から外れてしまいます。
本来は小寒の前日(冬至の最終日)を目安としていましたが、現在は主に11月に使用する時候の挨拶となっています。
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向寒の候を使った季節の挨拶状の例文と結び!
では、向寒の候を使った季節の挨拶状の例文をご紹介します。
ビジネスレターでも頻繁に使用されるため、会社宛なども併せてまとめています。
また、文書の最後を締めくくる「結びの文章」もチェックしてくださいね!
季節の挨拶状の例文
- 拝啓 向寒の候、皆様お変わりなくお元気でお過ごしのことと存じます。
- 拝呈 向寒の候、皆様ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
- 啓上 向寒の候、皆様にはますますご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 向寒の候、ご家族様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 恭敬 向寒の候、○○様におかれましてはに益々ご壮健の段、大慶の至りに存じます。
漢語調のメリットとして、向寒の候だけで季節感を与えることができます。
そのため、無理に冬らしい言葉を入れる必要はありませんが、続けて相手の健康を気遣う・喜ぶ言葉を添えておきましょう!
また、「皆様におかれましては」の省略形として「皆様には」「皆様」が使われています。
冒頭の頭語と手紙の最後を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
一般的な例 | 拝啓・拝呈・拝白・啓上 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首 |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
最もポピュラーな頭語は「拝啓」ですが、「謹啓」や「謹呈」などはに改まった印象が強いです。
相手との関係性に合わせて使い分けするのもよいですね!
ビジネスレターの例文
- 拝啓 向寒の候、貴社ますますご盛栄のことと喜び申し上げます。
- 拝呈 向寒の候、貴社ますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます。
- 拝白 向寒の候、貴社いよいよご隆盛の由大慶に存じます。
- 謹啓 向寒の候、貴社におかれましては益々ご隆昌のこととお喜び申し上げます。
- 恭敬 向寒の候、貴社におかれましては益々ご隆昌のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは、相手の会社を表す敬語「貴社」を使います。(※会話では御社を使用)
取引先の個人であれば「○○様」を使っても問題ありません。
「いよいよ」「ますます」は「より一層の」という意味で、どちらを使ってもOKです!
結びの例文
【季節の挨拶状などの結び】
- 日ごとに寒さがつのってまいります。くれぐれもお体大切にお過ごしください。敬具
- 木枯らしの季節、お風邪など引かれませんようご自愛ください。拝具
- 朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。体調を崩されませんようご注意ください。敬白
- 師走に向けて、さぞお忙しい時期をお迎えのことと存じます。ご自愛専一にてご精励ください。謹言
- 小雪のみぎり、皆様のご健勝を心よりお祈り申し上げます。かしこ
結びの文章にも相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう!
「向寒の候」以外の時候の挨拶を使って締めくくる手もありますよ。
【ビジネスレターの結び】
- 末筆ながら、貴社ますますのご盛栄を心よりお祈り申し上げます。敬具
- まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。敬白
- まずは略儀ながら書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます。拝具
- 深秋の折、皆様方にはくれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。頓首
- 立冬のみぎり、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。謹白
ビジネスレターの結びには、相手の会社の繁栄や今後のご愛顧を祈願する言葉を入れておきましょう!
会社宛にする場合、女性用の結語「かしこ」は使えませんので、ご注意くださいね!
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向寒の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文と結び!のまとめ
- 向寒の候とは主に改まった相手への手紙に使用する漢語調の時候の挨拶
- 読み方は「こうかんのこう」
- 意味は「冬の本格的な寒さに向かう頃ですが…」
- 使う時期は11月7日頃~12月6日頃の約30日間が目安
- 二十四節気の「立冬」と「小雪」を合わせた期間
- 最長でも12月中旬まで
向寒の候を使う時期になると、今年も残りわずかという印象も強くなりますね。
日頃よりお世話になった方への手紙などにぜひご活用ください。
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