秋冷の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文と結び!
秋冷の候とは、手紙などに季節感を出すために用いられる時候の挨拶の1つです。
読み方や意味を理解し、使える時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
秋冷の候を使った季節の挨拶状やビジネスレターの例文のほか、結びの文章もまとめています。
日頃よりお世話になっている方への手紙などにご活用ください。
そこで今回は、秋冷の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文と結び!というテーマでご紹介します!
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秋冷の候とは?
秋冷の候とは、主に改まった相手に出す手紙に用いられる漢語調の時候の挨拶の1つです。
「○○の候」「○○の折(おり)」「○○の砌(みぎり)の3種類のうち、どれを使っても問題ありません。
「○○の季節になりましたが…」といった口語調(和文調)の時候の挨拶もありますが・・・
漢語調の方がより丁寧で、フォーマルな印象が強い傾向もあります。
では、秋冷の候の読み方から見ていきましょう!
読み方は?
秋冷の候の読み方は「しゅうれいのこう」です。
漢語調の挨拶の場合、基本的に音読みすることがほとんどです。(※例外もあります)
秋冷単体では、俳句の秋の季語に使われることもあります。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、音読みで「こう」です。
意味は?
秋冷の候は「秋らしい冷気を感じる頃になりましたが…」という意味です。
「秋が深まり少し肌寒いような気候になった」というニュアンスを含んだ表現になります。
秋冷という漢字を見ても、夏の残暑を感じさせるような初秋のイメージはありませんよね。
秋冷の候が与える季節感は、朝夕の冷え込みやそれによって色づく紅葉などを連想させます。
「候」は、季節の区切りや季候を表す言葉で、時候の挨拶では「時節」「時季」「頃」を意味します。
少しわかりづらいため、時候と同義と捉え「四季折々の気候や暑さ・寒さ」と覚えておくのもよいですね!
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秋冷の候を使う時期はいつ?
秋冷の候を使う時期は、9月下旬~10月いっぱいが目安となります。
以下のグラフにまとめた、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「秋の節気」で確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 初日 |
初秋 | 立秋 | 8月7日頃 |
処暑 | 8月23日頃 | |
仲秋 | 白露 | 9月8日頃 |
秋分 | 9月23日頃 | |
晩秋 | 寒露 | 10月8日頃 |
霜降 | 10月23日頃 | |
初冬 | 立冬 | 11月7日頃 |
小雪 | 11月22日頃 |
使い始めは9月下旬なので、仲秋の後半に当たる9月23日頃の「秋分」からがベストでしょう。
10月いっぱいまで使えますので、晩秋の前半の「寒露」を通り越して、後半の「霜降」の中頃までになりますね!
「霜降」の後半は11月に突入しますので、秋冷の候を使う時期から外れてしまいます。
10月終了時~「立冬」までは「晩秋の候」「深秋の候」などを使う手もありますね!
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秋冷の候を使った季節の挨拶状の例文と結び!
では、秋冷の候を使った季節の挨拶状の例文をご紹介します。
ビジネスレターでも使用頻度が高いため、併せてまとめています。
また、書面の最後を締めくくる「結びの文章」もチェックしておいてくださいね!
季節の挨拶状の例文
- 拝啓 秋冷の候、お元気でお過ごしでしょうか。
- 拝白 秋冷の候、皆様お健やかにご活躍のことと存じます。
- 拝呈 秋冷の候、皆様ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 謹啓 秋冷の候、ご家族様にはことのほかご壮健の段、大慶の至りに存じます。
- 恭敬 秋冷の候、ご一同様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
秋冷の候だけで季節感を与える効果があるため、その後は無理に秋の言葉を入れる必要はありません。
どちらかというと、相手の健康を気遣う・喜ぶ文章の方が重要になります。
また、冒頭部の頭語と手紙を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
一般的な例 | 拝啓・拝呈・拝白・啓上 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首 |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
頭語は「拝啓」が使われやすいですが、「謹啓」「謹呈」などはより一層改まった印象になります。
ビジネスレターの例文
- 拝啓 秋冷の候、貴社ますますご隆昌のこととお喜び申し上げます。
- 拝呈 秋冷の候、貴社ますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます。
- 拝復 秋冷の候、貴社ますますご盛栄の由大慶に存じます。
- 謹啓 秋冷の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のこととお喜び申し上げます。
- 謹呈 秋冷の候、貴社におかれましては益々ご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターの場合、相手の会社を表す敬語として「貴社」を使用します。
文書ではなく会話のシーンでは「御社」を使うことが一般的ですね。
結びの例文
【季節の挨拶状などの結び】
- 寒露の折から、くれぐれもご自愛ください。敬具
- 霜降のみぎり、無理をなさらず健やかにお過ごしください。敬白
- 実りの秋を満喫して、どうぞお元気にお過ごしください。拝呈
- 日に日に秋も深まってくるこの頃、体調を崩さぬようお気をつけください。謹呈
- 朝晩はめっきり冷え込むようになりました。お風邪などお召しになりませんよう、お体をおいといください。かしこ
結びの文章に別の時候の挨拶を使う手もあります。
最後に相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう!
【ビジネスレターの結び】
- 紅葉の折、皆様方にはくれぐれもご自愛専一にてご精励ください。敬具
- 錦秋のみぎり、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。敬白
- まずは略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。拝具
- まずは略儀ながら書中をもちましてお礼かたがたご挨拶申し上げます。謹白
- 末筆ながら、貴社のますますのご隆盛を心よりお祈り申し上げます。頓首
ビジネスレターの場合、結びに「今後のご愛顧を願う文章」「相手の会社の繁栄を祈る文章」を入れることも多いです。
冒頭に秋冷の候を入れていますので、最後は無理に季節感を出す必要もないでしょう!
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秋冷の候とは?読み方や意味、時期はいつ?季節の挨拶状の例文と結び!のまとめ
- 秋冷の候とは主に改まった相手に手紙などを出す際に使用される漢語調の時候の挨拶
- 読み方は「しゅうれいのこう」
- 意味は「秋らしい冷気を感じる頃になりましたが…」
- 使う時期は9月下旬~10月いっぱい
- 二十四節気では「秋分」から「霜降」の中頃が目安
秋冷の候は仲秋から晩秋に使われるため、冬の足音を感じさせる時候の挨拶です。
お世話になった方へ、体調への配慮を促すような手紙を出すのもよいでしょう!
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