バニラの名前の由来と花言葉!香り成分や用途は?植物学的特徴も!
お菓子作りに欠かせない香料がとれる植物「バニラ」。
アイスクリームの定番のフレーバーとしてもお馴染みですよね。
日本ではバニラの花を見かける機会は少ないですが、名前の由来や花言葉をご存じでしょうか。
砂糖の甘さを一層引き立てる香り成分が含まれており、その用途も多岐に渡ります。
世界中で愛されている割には、植物学的な特徴を知る人は少ないかもしれませんね。
そこで今回は、バニラの名前の由来と花言葉!香り成分や用途は?植物学的特徴も!というテーマで詳しくご紹介します。
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バニラの名前の由来!
バニラという名前は、スペイン語で「小さな莢(さや)」を意味する「バイナ(vaina)」が語源とされています。
花は短命でわずか1日で萎んでしまいますが、その後、インゲンマメのような莢(実)を作ることに由来しています。
この莢を一般的にバニラビーンズと呼び、中に含まれる砂粒のほど大きさの種をバニラビーンズシードと呼んでいます。
なぜスペイン語がバニラの語源になっているかというと、メキシコが原産国の1つであることも関係しています。
メキシコはアステカ帝国が存在した16世紀初頭から、約300年間に渡りスペインの植民地となっています。
スペイン人により母国に持ち帰られたバニラは、隣国フランスで人工授粉の方法が確立して以来、ヨーロッパから全世界に広まったという歴史があります。
イタリア出身の探検家・コロンブスがバニラビーンズを持ち帰り、ヨーロッパに広まったという説もあります。
いずれにしても大航海時代をきっかけとして、広く普及したことは確かですね!
バニラの花言葉と由来!
大きさ8cmほどの薄い緑色や黄色の花をつけるバニラの花。
その花言葉は「永久不滅」とされています。
これはバニラビーンズの持つ甘い魅惑的な香りが、人々の記憶の中にいつまでも残ることに由来しています。
世界中の人々を魅了する香りは今後も廃れることは無いと予想されますので、最も適した花言葉ですよね!
一方、バニラの花自体は朝に咲き始め、お昼に満開になった後、午後には萎んでしまいます。
永久不滅とは対称的な一面もありますが、花が咲いている間だけが人工授粉のチャンスといわれています。
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バニラの香り成分とは?
人々を惹き付けて止まないバニラの香り成分は、「バニリン」という化合物です。
これは、脳組織の化学成分の研究に尽力した、フランスのセオドア・ゴブリ―という人物が1858年に命名しています。
ゴブリ―は、バニラビーンズに含まれるコニフェリン(有機化合物の配糖体)が発酵により分解してできる結晶を発見した人物です。
この結晶こそがバニラの香り成分とされているバニリンでした。
現在は、リグニンスルホン酸という化合物を酸化させてできるバニリンが世界の主流となっています。
主な特徴として、エタノールなどの有機溶媒に溶けやすいため、様々な食品香料として幅広く使用されています。
つまり、高価なバニラビーンズ由来の商品は減ってきており、合成バニリンを使った商品が全体の99%を占めているといえます。
バニラの主な用途は?
ひとくちにバニラといっても、タイプによって用途も微妙に異なります。
一般的なバニラビーンズは、主に莢の中の黒い粒々(シード=種)を目立たたせたい時に使用します。
【バニラビーンズの用途】
- アイスクリーム、ソフトクリーム
- カスタードクリーム(シュークリームなどに使用)
- プリン、ムース、ババロア
- シフォンケーキ、パウンドケーキ、ホットケーキ、マドレーヌ
- タルトなどのアパレイユ(流動的な生地)
- コンポート
- ミルク、コーヒー、紅茶などの飲み物
- バニラシュガー(砂糖にバニラビーンズを浸けておく)
バニラビーンズだけでなく、以下の製品も販売されていますよね。
- バニラエッセンス=アルコールにバニラの香り成分を抽出したもの(※人工香料の使用あり)
- バニラエクストラクト=アルコールにバニラビーンズを漬けて香り成分を抽出したもの(※天然のみ)
- バニラオイル=オイルにバニラの香り成分を抽出したもの(※人工香料の使用あり)
バニラオイルは油を使っているため、特に焼き菓子に向いているといわれています。
また、お菓子以外の用途として、甘い芳香を利用した香水、タバコのフレーバーなどにも利用されていますね。
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バニラの植物学的特徴!
バニラは、ラン科バニラ属の常緑の蔓性植物で、他の植物に絡まって高さ60cmほどに成長します。
莢やビーンズという言葉からマメ科と思われがちですが、花の形からラン科と判断しやすいです。
原産はメキシコからパナマまでの中央アメリカ。
現在ではマダガスカルやインドネシアなどの熱帯地方が主な産地ですが、中国でもバニラの栽培が行われています。
花や収穫したばかりの莢には特有の芳香はなく、莢をキュアリングすることで甘く優しい香りが生まれます。
前述した通り、莢に含まれるコニフェリンが発酵・分解することで、バニリンという香り成分が生成されるのです。
もともとハリナシバチやハチドリの働きのみで受粉していましたが、現在は花が咲いている内に人工授粉が行われています。
香味料として利用されるのは主に2種類。
アイスクリームなどに使用されるバーボンバニラと、料理などにも利用されるタヒチアンバニラが有名です。
詳細については以下にまとめています。
バニラの基本情報 | |
目 | キジカクシ目 |
科 | ラン科 |
属 | バニラ属 |
学名 | Vanilla planifolia |
英名 | vanilla |
和名 | バニラ(華尼拉) |
原産 | メキシコ・中央アメリカ |
主な産地 | マダガスカル インドネシア メキシコ パプア・ニューギニア 中国など |
草丈(高さ) | 60cmほど |
花の大きさ | 6cm~8cm |
莢の長さ | 最大30cm |
開花時間 | 8時間ほど |
開花時期 | 4月~6月 |
収穫時期 | 10月~4月 |
種類の数 | 100種類以上 |
主な種類 | バーボンバニラ タヒチアンバニラ |
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まとめ
バニラの名前の由来は、スペイン語の「小さな莢」を意味する「バイナ(vaina)」から来ています。
花言葉は「永久不滅」で、一度嗅ぐと忘れられない甘くて優しい香りに由来します。
一方、花は短命で8時間ほどしか咲いていませんが、現在はそのわずかな間に手作業で人工授粉も行われています。
香り成分となるバニリンの合成にはバニラビーンズのキュアリングが必要なこともわかりましたね。
お菓子作りには欠かせないバニラですが、ぜひ名前の由来や花言葉を覚えておいて下さいね!
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