花祭り2022年はいつ?誕生仏に甘茶をかける意味や白い像の由来!
毎年、春になるとお寺などで行われている仏教行事の1つ「花祭り」。
馴染みが薄いイメージもありますが、2022年はいつなのかご存じでしょうか?
花祭りで特に気になるのが、誕生仏に甘茶をかける意味や稚児行列などで見かける白い像の由来ですよね。
また、仏教を開いたお釈迦様に関わる重要な1日になりますので、何をする日なのかも知っておきたいですね。
そこで今回は、花祭り2022年はいつ?誕生仏に甘茶をかける意味や白い像の由来!というテーマで詳しくご紹介します!
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花祭り2022年はいつ?
2022年の花祭りは4月8日(金)に行われます。
ただし、地域によって日付が異なる場合もあります。
例えば、関西では月遅れとなる5月8日(日)に行う習慣があり、全国的な日付とは1ヶ月程ズレるケースも多くなります。
また、新暦ではなく旧暦4月8日に行う地域もあり、2022年は偶然ですが5月8日と重なります。
その他、4月初旬の土日を中心に開催するお寺もあり、一般の方が参加しやすく設定されていることもあります。
テレビのニュースで取り上げられるのは、カレンダー通りの4月8日が一般的です!
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花祭りとは?
花祭りとは、仏教の開祖であるお釈迦様の誕生日をお祝いする仏教行事の1つです。
正式名称は「灌仏会(かんぶつえ)」といいますが、こちらもあまり聞き慣れない言葉だと思います。
もともとは仏教徒により仏像を「灌沐(かんもく)」する儀式のことを呼びます。
噛み砕いていえば、「仏像に水を灌(そそ)いで洗い清める儀式」を「灌仏会」と呼び、その俗称を花祭りといいます。
灌仏会は、他にも地域やお寺などで以下のような呼び名(別名)があります。
- 浴仏会(よくぶつえ)
- 降誕会(ごうたんえ)
- 仏生会(ぶっしょうえ)
- 龍華会(りゅうげえ)
- 花会式(はなえしき)
どれも難しい呼び名ですが、仏教自体にあまり関心がない人は花祭りだけでも覚えておくとよいでしょう!
ちなみに、お釈迦様の呼び名については中学・高校の歴史でも習ったと思いますが・・・
- 北インド(ネパール)で誕生した「ゴータマ・シッダールタ」
- 「仏の悟り」を開いたただ1人の人物という意味で「仏陀(ぶっだ)」
- 聖者を意味する「牟尼」を付けた尊称「釈迦牟尼仏(しゃかむにふつ」
- 漢語訳では「瞿曇悉達多(くどんしっだった)」
などの他にも、様々なものがあります。
昔から花祭りの日にはお寺などに仏教徒が集い、様々なイベントでお釈迦様の誕生日を盛大にお祝いする習慣があります。
キリスト教でいえばイエス・キリストの誕生日を祝う「クリスマス」と同じような1日ですが、なぜか仏教徒の多い日本では存在すら知られていないことも多いですね。
花祭りの起源は?
花祭りの歴史は古く、奈良時代に完成した歴史書「日本書紀」に初めて登場するといわれています。
606年の推古天皇の時代に開かれた「灌仏会」のような儀式に関する記載が最古になります。
そのため、花祭りの起源は飛鳥時代以前ということしかわかっていません。
日本最古の仏生会は、奈良県法隆寺の聖霊会(しょうりょうえ)といわれており、聖徳太子が関わっている可能性が高いと見られています。
ただし、あくまで「記録上の最古」であることから、花祭りの起源に関しては今後も曖昧さを残す形となりそうです。
ちなみに、平安時代になると「灌仏会」として宮中行事の1つに採用され、民間に広まったのは実は大正時代からになります。
花祭りという名前の由来は?
花祭りという名前は、1916年(大正5年)に浄土真宗の僧侶・安藤嶺丸(あんどうれいがん)が提唱し、日比谷公園でお釈迦様の誕生日法要を行ったことに由来します。
4月8日といえば「桜の花が満開を迎える時期」であることから名付けられたもので、その時の法要も「花祭り」という名称でした。
しかし、そのルーツは1901年(明治34年)4月にドイツ・ベルリンのホテルで開かれた「Blumen Fest」だといわれています。
当時、日本人留学生だった近角常観(ちかずみじょうかん)を中心に「仏陀生誕を讃えるイベント」を開き、300人以上のドイツ人も参加して大盛況だったといわれています。
「Blumen Fest」を直訳すると「花祭り」になりますが、日本のニュースでも大きく報じられ、15年後の安藤嶺丸の提唱に影響を与えたものと見られています。
近角常観と同時期にドイツ・ストラスブルグ大学に留学していた渡辺海旭(わたなべかいきょく)が、日比谷公園での法要の実行委員を務めていることからも有力視されています。
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花御堂の誕生仏に甘茶をかける意味!
花祭りのイベントの1つに、お寺の参拝者が花御堂(はなみどう)に安置された誕生仏に甘茶をかける習わしがあります。
これはお釈迦様の誕生日を祝う意味で行われているもので、仏像を洗い清める大切な儀式です。
また、私たちが甘茶をかけることで以下の恩恵を受けられるといわれています。
- あらゆる願い事の成就
- 健康に過ごせるようになる
- 赤ちゃんや子どもの健やかな成長
- 虫除け効果(※昔は虫を媒介とする疫病が多かったため)
なぜ甘茶なのか疑問に思う人も多いと思いますが、とある伝説が由来となっています。
それは、お釈迦様が誕生された時、天に9頭の龍が現れ、浄水のための甘い水(甘露の雨)を注いだというものです。
その甘い水は産湯の役割を果たしたといわれています。
そして、生まれたばかりのお釈迦様はすぐに立ち上がって7歩歩くと、右手で天を、左手で地を指し「天上天下唯我独尊」と言葉を発しておられることは有名ですよね。
つまり、花祭りの日に誕生仏に甘茶をかけるのは、伝説の甘露の雨を再現して誕生日を祝うと同時に、ありがたいご利益を授かるという2つの意味が込められた儀式となっています。
同時に、この世に生まれ仏教の教えと出会えたことに感謝することが、何より大事なこととされています。
花御堂とは?
花御堂とは、花祭りには欠かせない「お釈迦様誕生時の立像」を安置する、花で飾った小さなお堂のことです。
お釈迦様の出世地とされるインド北部のルンビニ―園を模したものになります。
屋根を中心に桜や木蓮の他、様々な草花で豪華な飾り付けをして美しい花園を再現しています。
誕生仏とは?
花御堂に安置される誕生仏(たんじょうぶつ)とは、生まれたばかりのお釈迦様を象った仏像のことです。
大きさは30~40cm程度のものが多く、灌仏会のご本尊にあたります。
「天上天下唯我独尊」の言葉を発した時のポーズをしており、右手人差し指で天を、左手人差し指で地を指しているのが特徴です。
甘茶とは?
誕生仏にかける甘茶とは、アジサイ科の植物「ヤマアジサイの変種」の若葉を摘んでお茶の葉にし、それを煎じたものです。
茶葉作りの工程に「発酵」が含まれるため、緑茶というより「紅茶に近い製法」で作られています。
生の葉にはグルコフィロウルシンという苦み成分が含まれていますが、発酵する過程で加水分解され、砂糖の約1000倍の甘さを持つフィロズルチンに変化します。
砂糖が普及するまでは甘味料として利用されたり、現在も抗菌作用や抗アレルギー作用といった様々な薬効を持つ生薬として利用されています。
お釈迦様誕生時の「甘露の雨」に見立てられており、甘茶は花祭りには欠かせないものとなっていますね。
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稚児行列に登場する白い象の由来!
花祭りでよく見かけるイベントに「稚児行列」があります。
簡単に説明すると、伝統衣装で着飾った子どもたちが、花御堂を背負った「白い象」とともに町内を練り歩くものです。
この白い像は、お釈迦様の生母である「摩耶夫人(まやふじん)=マーヤー」が、懐妊の直前に夢で見たとされる象に由来するものです。
姿形は真っ白で6本の牙を持つ不思議な象というイメージです。
象はインドでは神聖な生き物とされていますので、この白い像がお釈迦様をこの世に誕生させたとも考えられています。
また、誕生仏が安置された花御堂を背負う意味でも、どっしりとしていて絵になりますよね。
ちなみに摩耶夫人はお釈迦様を産んで7日後に亡くなっていますので、大役を果たしてこの世を去ったことになります。
花祭り2022年はいつ?誕生仏に甘茶をかける意味や白い像の由来!のまとめ
- 2022年の花祭りはお釈迦様の誕生日とされる4月8日(金)
- 正式名称は「灌仏会(かんぶつえ)で、他にも様々な呼び名がある
- 月遅れの5月8日、旧暦の4月8日に花祭りを行う地域もある
- 誕生仏に甘茶をかける意味は、甘露の雨を模して洗浄し、お釈迦様の誕生日を祝うもの
- 甘茶をかける人は様々な恩恵を受けられると考えられている
- 白い像はお釈迦様の生母・摩耶夫人が懐妊する直前に夢で見た象に由来する
花祭りは仏教の開祖として知られるお釈迦様の誕生日を祝う大切な行事の1つです。
4月8日はお寺に参拝し、誕生仏に甘茶をかけると願い事が叶うかもしれませんね。
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