鉛筆の濃さの順番と種類!B・H・Fの意味と特徴や用途は?
勉強には欠かせない文房具の鉛筆。
代表的な芯の種類にはB・H・Fなどがありますが、意味や特徴を知っていますか?
鉛筆の濃さは筆圧や用途によって、使い分ける必要があります。
最近ではシャープペンシルを使う人が多い傾向にありますが、芯の種類は知っておいた方がいいですね。
そこで今回は、鉛筆の濃さの順番と種類!B・H・Fの意味と特徴や用途は?というテーマでご紹介します。
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鉛筆の濃さの順番と種類
日本のJIS規格で認められている鉛筆の濃さは、6Bから9Hまでの17種類となっています。
6Bが最も濃くて柔らかく、9Hに近づくほど薄くて硬くなっていきます。
三菱鉛筆ではJIS規格とは別に、以下のように22種類に分けられています。
上から順番に濃くて柔らかい芯、下に行くにつれて薄くて硬い芯となります。
芯の濃さ | 芯の硬さ | 濃度記号 |
濃い
↑ ↓ 薄い |
柔らかい
↑ ↓ 硬い |
10B |
9B | ||
8B | ||
7B | ||
6B | ||
5B | ||
4B | ||
3B | ||
2B | ||
B | ||
HB | ||
F | ||
H | ||
2H | ||
3H | ||
4H | ||
5H | ||
6H | ||
7H | ||
8H | ||
9H | ||
10H |
22種類というのは世界最多だと言われています。
ここまで種類が豊富だと使いこなせるか疑問に思いますが、デザイナー向けに販売されている鉛筆です。
鉛筆の濃さは、200年ほど前にフランス人のニコラス・コンテが考え出し、14種類を作り出したと言われています。
これを基に、現在ではIOSが17種類と決めており、JISもそれにならって順番を定めました。
規格で決められているため、どのメーカーの鉛筆を使っても同じ濃さになります。
順番は決まっていますが、温度や湿度などの条件によっても書き心地は変化するようです。
例えば気温の高い沖縄県では、昔から芯の柔らかい鉛筆が好まれています。
自分にあった濃さの鉛筆を見つけて気持ちよく書ければ、勉強も仕事も捗りますね。
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鉛筆の濃さは黒鉛と粘土の比率で決まる
鉛筆の芯は黒鉛と粘土から作られており。濃さはその比率で決まります。
黒鉛が多く粘度の比率が少ないと、色が濃くなり芯が柔らかくなり、反対に黒鉛が少なく粘度の比率が多いと色が薄くなり芯が硬くなります。
HBの鉛筆の芯だと、黒鉛70%に対して粘土30%となっています。
黒鉛とは?
黒鉛とは、鉛(化学記号:Pb)ではなく、ダイヤモンドや石炭と同じ炭素(化学記号:C)の一種です。
正式には石墨(グラファイト:GRAPHITE)という名前がついています。
石炭などの仲間ではありますが、層状構造をしていて層間が滑りやすいという特徴があります。
これが文字を書くときに滑らかさを与える要因となっているそうです。
黒鉛は日本でも採掘されていますが、鉛筆に使われるものは主に中国から輸入しています。
粘土とは?
粘土は定義が統一されていませんが、地層から採取することができる粘り気のある土のことです。
学術や産業上では、非常に細かい粒子でできた堆積物とされています。
焼き物(陶芸)などに使用されるイメージが強いですが、「粘土は千の利用法がある」と言われるほど多方面で使うことができます。
意外ですが、シャンプーや化粧品、おむつなど、身近なものにも使われています。
日本でも粘土は採れますが、鉛筆に使われているのは主にドイツ産のもので…
- 鉛筆芯の成形に適した性質がある
- 比較的低い温度で結晶化が進んで強さが向上する
- 不純物を含まない
などの理由があると言われています。
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鉛筆のB、H、Fの意味と特徴は?
鉛筆の芯の種類は、代表的なものとしてB、H、Fが挙げられます。
BやHはよく目にすると思いますが、Fの存在は知らない方も多いようです。
ここからは、3つの濃さの意味と特徴を紹介していきます。
Bの意味と特徴
鉛筆の芯の「B」とは英語のBLACKの頭文字から来ています。
これは「黒い」という意味ですので、濃い文字を書くことができるということが想像できますね。
日本のJIS規格に当てはめると6Bから順番に、Bに近づくほど薄い文字になります。
芯の硬さでいうと、黒鉛の比率が高くて柔らかいため折れやすいのが特徴です。
筆圧はそれほどいらないため、小学校低学年などの小さい子どもが使いやすい鉛筆です。
逆に、力を入れすぎて書いてしまうとすぐに芯が折れてしまうので注意しましょう。
Hの意味と特徴
鉛筆の芯の「H」とは英語のHARDの頭文字から来ています。
「硬い」という意味ですので、折れにくく作られているというのがわかるかと思います。
日本のJIS規格で考えるとHから順番に、9Hに近づくほど硬くなります。
黒鉛よりも粘土の比率が高いため、文字が薄くなるという特徴があります。
筆圧は必要になりますが、折れにくいのでスラスラと書き続けたい人におすすめです。
芯の減りが遅く、シャープな線を引くことが可能なため、精密な図面を書く製図などに向いています。
しかし、力を入れて書くことになるため、消しゴムで消しても筆跡が残ってしまいます。
学校によっては、設計製図ではきれいに線を消せるように、Bなどの柔らかい芯を推奨することもあります。
Fの意味と特徴
鉛筆の芯の「F」は英語のFIRMの頭文字です。
「引き締まった」「しっかりした」という意味がありますが、「FINE=細い」という意味も兼ねていると言われています。
日本のJIS規格ではHとHBの間に位置し、文字の濃さも芯の硬さもちょうどよく、書きやすくなっています。
Fという濃度記号は、BとHの間となるHBよりもあとにつくられた、比較的新しい種類です。
日本ではあまり馴染みがなく、知らない人の方が多いかもしれませんが、一般的な事務作業に向いているとされています。
HBやHと同様に、Fもマークシートの試験では推奨されています。
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鉛筆の濃さの使い分けは用途や筆圧による
ここまで紹介してきたように、鉛筆の濃さと硬さは日本JIS規格によって17段階に分けられます。
B、H、Fにはそれぞれ特徴があり、用途や筆圧によって使い分けが必要です。
まず、濃い文字を書くことのできるBは、筆圧の弱い幼稚園生から小学生が使うことが多いです。
小学校に通う前の学習塾などでは、6Bから8Bのさらに柔らかい鉛筆を使わせることもあります。
ひと昔前まで鉛筆の芯の主流はHBとされていました。
しかし、筆圧が低下している傾向にあることから、2BやBを推奨する学校が増えているようです。
文部科学省では鉛筆の濃さについて指定や推奨はしておらず、各々の学校や教育委員会に任せています。
子どもが気持ちよく文字を書け、勉強が捗るようなものを選んであげたいですね。
また、デッサンなどの絵画や、その他美術関係の用途にも6Bなどの濃い芯の鉛筆を使用することが多いです。
JIS規格だけでも17種類、三菱鉛筆なら22種類もあるので、使い分けることでより豊かな表現ができますね。
一般事務や勉強などで使われる鉛筆は、HBやF、Hが多いようです。
文字が濃すぎず薄すぎない、さらに硬さもちょうどいいことから、非常に多くの方が使っています。
HB以上の軟らかさの芯は、マークシート方式の試験でも推奨され、専用の鉛筆も販売されています。
書きやすくて消しゴムで消しても筆跡が残りにくいことから、様々な用途に適していると言えるでしょう。
さらに硬くて薄い線を引くことのできるH以上の鉛筆は、製図などの用途に使用されます。
硬いことで芯の先が丸くなりにくく、シャープな線を引き続けるのには最適です。
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鉛筆とシャープペンシルの芯の違いとは?
鉛筆とシャープペンシルは文字を書くという点では同じですが、芯には違いがあります。
一目見てわかるように、太さが全然違いますね。
鉛筆の芯のほとんどは約2mmです。
一方でシャープペンシルは0.3〜0.5mmがよく使われていますが、一番細いものだと0.2mm、太いものでは2mmと幅広いラインナップがあります。
どうして0.2mmのような細い芯がつくれるのかというと、芯に使われている素材が違うからです。
鉛筆には黒鉛・粘土・水などが使われており、シャープペンシルが作られた1838年当時は同じ成分でした。
そのため柔らかくて強度が弱く、現在とは違い1.0~1.5mmもの太さがあったそうです。
しかし、1962年になるとポリマーを使用した「合成樹脂芯」が開発され、細い芯が作れるようになりました。
粘土の代わりに高分子有機化合物を使うのが特徴ですが、作り方は鉛筆の芯と同じです。
ポリマー樹脂は焼くことで炭素化して炭素100%になるため、硬くて細いシャープ芯を作ることができます。
現在では、シャープペンシルの芯に使うのは合成樹脂芯が主流になりました。
技術の進歩によって細くなりましたが、それがなければ今でも鉛筆のような太い芯を使っていたのかもしれませんね。
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鉛筆の濃さの順番と種類!B・H・Fの意味と特徴や用途は?のまとめ
最近では手書きで文字を書く機会も減り、鉛筆を使用することが少なくなりましたね。
しかし、学校での勉強などでは必須の文房具ですので、子どものためにも芯の濃さの順番や種類は覚えておいた方がいいでしょう。
B、H、Fなどは黒鉛と粘土の比率によって決められており、使用用途や筆圧によって使い分けが必要です。
自分にあった鉛筆を選ぶことで勉強や作業は確実に捗りますので、いろいろな種類を使って確かめてみるといいですね。
シャープペンシルの芯にはポリマーを素材とした、合成樹脂芯が使われていることもわかりました。
技術の進歩に感謝しながら、今後も鉛筆を使い続けていきたいですね。
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