向秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!
向秋の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
「秋」という言葉を含みますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味も理解しておくと、誤用を防ぐこともできますね。
向秋の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、向秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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向秋の候を使う時期はいつ?
向秋の候を使う時期は、8月16日(旧盆明け)~8月31日となっています。
漢語調の時候の挨拶は、主に旧暦(二十四節気)に基づいて使われることが多いです。
しかし、向秋の候に関しては、新暦(グレゴリオ暦)で夏の終わりを迎える8月に使われています。
以下に、新暦の夏を中心としたグラフをまとめていますので、確認してみましょう!
季節(新暦) | 月 | 向秋の時期 | |
---|---|---|---|
夏 | 初夏 | 6月 | |
仲夏 | 7月 | ||
晩夏 | 8月 | 16日~31日 | |
秋 | 初秋 | 9月 | 秋に入るためNG |
※新暦では、春(3月~5月)、夏(6月~8月)、秋(9月~11月)、冬(12月~2月)を表します。
新暦における夏は、一般的に6月~8月の3ヶ月間を指しています。
その中で、向秋の候を使う時期は、間もなく初秋(9月)を迎える晩夏(8月)にあたります。
具体的には、残暑が衰え始めるお盆明け~8月末日となります。
9月になるとすでに秋を迎えていることから、向秋の候を使う時期として相応しくありません。
また、8月7日頃の「立秋」前後は、統計上最も暑い頃といわれています。
そのため、向秋というイメージには不適当で、あくまで8月後半以降となっています。
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向秋の読み方は?
向秋の候の読み方は「こうしゅうのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
向秋単体でも訓読みにすることはなく、季節が移り変わる様子を表す言葉となっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
向秋の候の意味は?
向秋の候は「秋に向かう季節に入りましたが…」という意味です。
そもそも向秋とは、「夏の終わり頃を迎え、秋が迫っていること」を表しています。
暦の上(旧暦)では立秋を迎えると秋ですが、あくまで新暦に基づく秋(9月)に向かっている頃です。
同時期の言葉には「晩夏」「暮夏」「杪夏(びょうか)」などもあります。
季節のイメージとしては・・・
- 残暑がようやく衰え始める
- 朝夕は涼しさを感じる
- 夜はコオロギの鳴き声が聴こえてくる
- 台風シーズンを迎える
- 子ども達の夏休みが終わる
などが挙げられます。
向秋の候には「秋に近づくに連れ、物悲しさを覚える頃」といったニュアンスも含まれています。
また、「候」は暑さ寒さの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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向秋の候の使い方の例文と結び!
では、向秋の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね!
漢語調の時候の挨拶の前提として、「向秋の候」「向秋の折(おり)」「向秋の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 向秋の候、○○様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 拝啓 向秋の候、皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 謹啓 向秋の候、皆様にはいよいよご清適のことと拝察し、お慶び申し上げます
- 謹啓 向秋の候、ご家族様にはますますご健勝の由大慶に存じます。
- 恭敬 向秋の候、ご一同様におかれましては益々ご壮健の趣慶賀の至りに存じます。
向秋の候のみで季節感は伝わりますので、続いて相手の健康を祝う言葉を入れておきます。
「お慶び」「お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀」「慶祝」なども便利です。
【結び】
- 季節の変わり目ゆえ、お体を崩しませぬようご自愛ください。敬具
- いまだ残暑が続いております。夏バテなどならさぬよう十分ご留意ください。敬具
- 朝夕はしのぎやすくなりました。皆様おそろいで実りの秋をお迎えください。敬白
- 早涼の折、さわやかな秋を満喫なさいますようお祈り申し上げます。かしこ
- 晩夏のみぎり、ご家族様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。拝具
結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておきましょう。
書き出しと同じく、漢語調の時候の挨拶を使って文章を構成するのもオススメです。
また、冒頭の頭語と最後の締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
一般的には「拝啓」+「敬具」の組み合わせが多いですね。
より改まった印象にしたい時は、「謹啓」+「敬白」などでもよいでしょう。
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 向秋の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 向秋の候、貴社いよいよご繁栄ことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 向秋の候、貴社にはますますご盛栄の段承り、慶賀の至りに存じます。
- 謹啓 向秋の候、貴店におかれましてはいよいよご隆昌の御事大慶に存じます。
- 粛啓 向秋の候、貴店におかれましては益々ご盛業のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは取引先の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行は貴行)
「~のことと」に続き「拝察し」「承り」を入れると、より一層丁寧な印象になります。
【結び】
- これからも引き続きご支援賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご案内申し上げます。敬具
- 今後とも倍旧のお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。まずは、用件のみにて失礼します。敬具
- 今後ともより一層のご厚誼を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬白
- 暮夏の折、皆様のご健勝とご活躍を弊社一同心よりお祈り申し上げます。略儀ながら、書中にて厚く御礼申し上げます。拝具
- 新涼のみぎり、貴社ますますのご繁栄を社員一同衷心より祈念致します。略儀失礼ながら、お礼かたがたご挨拶申し上げます。頓首
結びには「相手の会社のさらなる繁栄」や「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。
取引先の個人宛の場合、私的な季節の挨拶と同じような文章になることもあります。
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向秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 向秋の候を使う時期は8月16日(お盆明け)~8月31日
- 旧暦ではなく、新暦の秋(9月)を目前に控えた頃
- 読み方は「こうしゅうのこう」
- 意味は「秋に向かう季節に入りましたが…」
- 「秋に近づくに連れ、物悲しさを覚える頃」といったニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
向秋の候は、旧暦を気にせず現在の季節に合わせて使える時候の挨拶です。
季節の変わり目ということもあり、お世話になっている方への季節の挨拶状などにご活用くださいね!
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