季秋の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！

2022年6月21日2022年6月23日はがき・手紙のマナー

季秋の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。

文字を見ると秋を連想させますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！

 

読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

季秋の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！

そこで今回は、季秋の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。

 

季秋の候を使う時期はいつ？

季秋の候を使う時期は、例年10月8日～11月6日頃です。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「寒露」～「霜降」の約30日間になります。

 

以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう！

季節		二十四節気		旧暦月	新暦初日
秋	初秋	13	立秋	7月節	8月7日頃
		14	処暑	7月中	8月23日頃
	仲秋	15	白露	8月節	9月8日頃
		16	秋分	8月中	9月23日頃
	晩秋	17	寒露	9月節	10月8日頃
		18	霜降	9月中	10月23日頃
冬	初冬	19	立冬	10月節	11月7日頃
		20	小雪	10月中	11月22日頃

※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています。

二十四節気（旧暦）の秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節（三秋）に分けられています。

 

その中で、季秋は晩秋と同じ意味で、上記グラフの通り陰暦9月の異称でもあります。

そのため、季秋の候を使う時期は晩秋全般（前半の節気と後半の中気）となっています。

 

使い始めは、立春から数えて17番目の節気「寒露」の初日にあたる10月8日頃。

使い終わりは、同じく18番目の中気「霜降」の最終日にあたる11月6日頃です。

 

11月7日頃の「立冬」を迎えると、季節は秋から冬に移り変わります。

すると、季秋の候を使う時期から外れてしまうため、前日6日頃までの使用にとどめます。

季秋の候の読み方は？

季秋の候の読み方は「きしゅうのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）

 

季秋単体でも訓読みにすることはなく、「きしゅう」として季節を表す言葉となっています。

また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

季秋の候の意味は？

季秋の候は「暦の上では秋の末を迎えましたが…」という意味です。

そもそも季秋とは、前述した通り、秋を3つの季節に分けたうちの晩秋を表しています。

 

陰暦9月の異称でもあり、秋が最も深まり、木々の紅葉が眩しいほどに美しい季節です。

冬に向けて気温も低下する頃なので、季秋後半は冬支度を始める頃でもあります。

 

新暦（グレゴリオ暦）では11月になるため、季節にズレを感じるのも仕方が無いことですね。

季秋の候には「秋が最も深まり、冬が間近に迫っている頃」といったニュアンスも含まれています。

 

また、「候」は、暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

季秋の候の使い方の例文と結び！

では、季秋の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね！

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「季秋の候」「季秋の折（おり）」「季秋の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。

口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　季秋の候、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
• 拝啓　季秋の候、皆様ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
• 謹啓　季秋の候、皆様にはいよいよご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　季秋の候、皆々様にはいよいよご清祥のことと承り、大慶に存じます。
• 恭敬　季秋の候、ご家族様にはおかれましては益々ご清適の趣慶祝の至りに存じます。

 

季秋の候だけで季節感は伝わりますので、その他で無理に秋らしい言葉を入れる必要はありません。

「～のことと」の代わりに「～のことと承り」とすると丁寧な印象を受けますね。

【結び】

• 野山はすっかり秋の装いでございます。どうぞ爽やかな毎日をお過ごしください。敬具
• 朝晩は冷え込む毎日です。風邪などお引きになりませんよう気を付けてください。敬具
• 紅葉に彩られる好季節を、どうかご壮健にてお過ごしくださいませ。かしこ
• 冷気の加わる折から、くれぐれもお体ご自愛くださいますようお願い申し上げます。拝具
• 錦秋のみぎり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。謹白

 

結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。

その他、「実り多き秋を満喫なさってください」といった文章もオススメですね！

 

また、冒頭の頭語と最後の締めとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

	頭語	結語
一般的な例	拝啓・拝呈・啓上・啓白	敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ）
改まった例	謹啓・謹呈・恭敬・粛啓	謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ）

（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）

フォーマルな印象を強めたい時は、頭語に「謹啓」「謹呈」などを使いましょう！

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

• 拝啓　季秋の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
• 拝啓　季秋の候、貴社いよいよご繁栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
• 謹啓　季秋の候、貴社にはますますご隆盛の由大慶に存じます。
• 謹啓　季秋の候、貴店におかれましてはいよいよご盛栄の段慶賀の至りに存じます。
• 恭敬　季秋の候、貴店におかれましては益々ご盛業のことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは、相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。（銀行なら貴行）

「お慶び」「お喜び」の代用として「大慶」「慶賀の至り」「慶祝の至り」なども便利です。

 

【結び】

• 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
• 今後とも格別のお力添えを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。敬白
• 引き続き末永くお付き合いを賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀ながら、ご報告とご挨拶を申し上げます。拝具
• 深秋のみぎり、貴社ますますのご盛栄を社員一同衷心より祈念致します。略儀失礼ながら、ご挨拶申し上げます。謹白
• 紅葉の折、皆様のご健勝とご活躍を弊社一同心よりお祈り申し上げます。取り急ぎ、ご報告まで。謹言

 

結びには「相手の会社のさらなる発展」と「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。

「まずは」「取り急ぎ」「書中にて」「略儀ながら」などを使って結んでおくと丁寧ですね。

季秋の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ