寒露とは?2023年はいつ?七十二候や季語、食べ物、風物詩も!
紀元前4世紀頃の古代中国で作られた暦法・二十四節気の1つに「寒露」があります。
「寒い露(つゆ)」と書きますが、2023年はいつなのか気になる人も多いと思います。
また、「寒露の意味とは?」「七十二候は?」「いつの季語?」といった疑問もありますよね。
その他、寒露に旬を迎える食べ物や季節の風物詩もまとめていますので、過ごし方の参考になれば幸いです。
そこで今回は、寒露とは?2023年はいつ?七十二候や季語、食べ物、風物詩も!というテーマでご紹介しますね!
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寒露とは?
寒露とは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気における17番目の節気です。
読み方は「かんろ」、意味は「秋が深まり、草木に冷たい露が宿る頃」を表しています。
江戸時代に作成・出版された暦の解説書「暦便覧」には…
「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」との記載があり、「冷たい秋気により露が凍りそうになる頃」と解説されています。※陰気=陽気(夏の暑さ)の対義語です
寒露の気候はスッキリした秋晴れが続くことが多いですが、1つ前の節気「秋分」より確実に気温が低下しています。
特に夜間に冷やされた空気中の水蒸気が結露して、冷たい朝露となって草花を濡らしている様子も目に浮かびますね。
また、二十四節気は旧暦最後となった暦法「天保暦」より、黄道上を通る太陽の視位置で日付を決める「定気法」を基準としています。
この定気法によると、寒露は太陽黄経195度に達する瞬間を含む日と定義されています。
さらに、新暦(グレゴリオ暦)とは異なり、寒露は旧暦(太陰太陽暦)では9月前半の節気という意味で「九月節」と呼ばれています。
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寒露2023年はいつ?
2023年(令和5年)の寒露は10月8日(日)となっています。
日本の国立天文台(NAOJ)が発表している、太陽黄経195度に達する時刻は22時16分です。
日付は太陽の周りを公転する地球の位置や閏年(1日多い)の影響を受けるため、毎年固定ではありません。
2023年以降の寒露を見るとしばらくは10月8日が続きますが、この法則性が崩れるのが10月7日となる2052年と予想されています。
(※正式決定はNAOJ作成の暦要項が発表される2月1日時点で「翌年のみの日付」になります)
寒露2023年の期間はいつからいつまで?
寒露は1年を24等分の季節に分けた二十四節気の1つなので、もともと期間を表しています。
2023年の寒露の期間は10月8日(日)~10月23日(月)の16日間になります。
次の中気となる「霜降」が10月24日(火)なので、その前日までですね!
ちなみに、黄道十二星座の天秤座生まれの人は9月23日~10月23日ですが、寒露は天秤座の後半とほぼ重なっています。(※前半に当たる秋分の期間は、今年は9月23日~10月7日です)
寒露の七十二候は?
七十二候とは、二十四節気のそれぞれの節気(中気)をさらに「初候・次候・末候」の3つの季節に分け、その頃の自然の様子を短文にして表したものです。
「24節気×3=72候」という計算式が成り立ちますが、それぞれの期間は約5日間と短いです。
【寒露の七十二候と意味】※日付は変動するため、2023年限定です
★初候:10月8日(日)~10月12日(木)
鴻雁来(こうがん きたる)=雁が飛来し始める
★次候:10月13日(金)~10月18日(水)※6日間です
菊花開(きくのはな ひらく)=菊の花が咲く
★末候:10月19日(木)~10月23日(金)
蟋蟀在戸(きりぎりす とにあり)=蟋蟀が戸の辺りで鳴く
寒露の七十二候には、鳥類の「雁」、植物の「菊」、昆虫の「蟋蟀」が含まれています。
短文に含めることで、節気(中気)全体の季節感も把握しやすくなっていますね。
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寒露はいつの季語?
俳句などを作る際、寒露は晩秋の季語として使用します。
二十四節気(旧暦)における秋は三秋(初秋・仲秋・晩秋)という3つの季節に分けられ、以下3種類の節気と中気(合計6種類)で構成されています。
季節 | 三秋 | 二十四節気 | 期間 | |
---|---|---|---|---|
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 8月08日~8月22日 |
14 | 処暑 | 8月23日~9月07日 | ||
仲秋 | 15 | 白露 | 9月08日~9月22日 | |
16 | 秋分 | 9月23日~10月07日 | ||
晩秋 | 17 | 寒露 | 10月08日~10月23日 | |
18 | 霜降 | 10月24日~11月07日 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準とします
※期間は2023年限定です
上記グラフを見ると一目瞭然ですが、寒露は晩秋の前半の節気に当たります。(※後半の中気は霜降です)
使用時期は寒露の期間内で問題ありませんが、晩秋の季語と理解した上で使いましょう!
また、晩秋とほぼ同じ意味の言葉として「季秋(きしゅう)」を使うこともあります。
「季」は「末(すえ)」を表しており、「季春・季夏・季冬」などにも用いられています。
旧暦に基づくと晩秋(季秋)は秋(7月・8月・9月)の最後の9月のことで、異称として和風月名の「長月(ながつき)」が有名です。
新暦と旧暦の季節感には1~2か月ほどのズレが生じますが、基本的に季語は旧暦に基づいて使用されることも覚えておきたいですね。
ちなみに、寒露の七十二候に登場する雁は晩秋、菊や蟋蟀は秋(三秋)全体の季語となっています。
寒露に旬を迎える食べ物は?
寒露の頃は秋が深まり、特に朝晩は冷え込むことも増えていきます。
昼夜の寒暖差が影響して風邪を引きやすくなるため、旬の食べ物でしっかり栄養補給したいですね。
昔から初物は「縁起が良い」「七十五日寿命が延びる」ともいわれており、食材から体内にプラスエネルギーを充填することも可能です。
ここでは旬の魚介、野菜、果物をまとめていますので、ぜひ食事やデザートに取り入れてくださいね!
【魚介】
サンマ、カツオ、ブリ、ハマチ、マサバ、ゴマサバ、マルアジ、ハモ、タチウオ、カマス、ニシン、ボラ、黒鯛(チヌ)、カサゴ、メバル、フエダイ、アオダイ、キンメダイ、マハタ、キジハタ、クエ(アラ)、イシダイ、イシガキダイ、カワハギ、ウマヅラハギ、コブダイ、マガレイ、イシガレイ、ホシガレイ、ヤリイカ、スルメイカ、コウイカ、アオリイカ、毛蟹、タカアシガニ、イセエビ、クマエビ、シャコ、キタムラサキウニ、マテガイ、イガイ(ムール貝)など。
【野菜】
里芋、サツマイモ、ヤマトイモ、ジャガイモ、ニンジン、葉ニンジン、レンコン、新ショウガ、トマト、落花生、唐辛子、カボチャ、松茸、銀杏、アキシマササゲ、四角豆、アロエベラ、食用菊、チンゲン菜、大阪しろ菜、スイスチャード、サイシン、カイラン、パクチョイ、セロリ、ミョウガ、紫バジル、、タイム、パセリ、マコモダケなど。
【果物】
リンゴ、梨、洋梨、ブドウ、柿、栗、カリン、マルメロ、ナツメ、クランベリー、グミ(茱萸)ザクロ、イチジク、プルーン、温州ミカン、レモン、スダチ、柚子、シークワーサー、ライム、カボス、スターフルーツ、グリーンパパイヤなど。
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寒露の風物詩といえば?
最後に、寒露の頃の季節の風物詩をご紹介しますね。
秋のお彼岸から10日以上が経過していますので、秋真っ只中というイメージです。
- 秋晴れ(空気が澄んでいて抜けるような青空)
- 台風
- 行楽シーズン(紅葉狩り、味覚狩り、バーベキュー、国内旅行)
- 稲刈り
- 秋の夜長
- 秋の鳥(雀、ムクドリ、ヒヨドリ、カワラヒラ、モズ、アオバト、ルリビタキなど)
- 渡り鳥の飛来(ツグミ、シロハラ、オオバン、雁など)
- 秋の花(秋桜、バラ、ダリア、マリーゴールド、藤袴、芙蓉、サルスベリ、ガーベラ、パンジー、シクラメン、サザンカ、金木犀など多数)
- 秋の虫(スズムシ、コオロギ、マツムシ、クツワムシ、キリギリス、イナゴ、ショウリョウバッタ、トノサマバッタ、オオカマキリなど)
- 食欲・スポーツ・読書の秋
- スポーツの日(今年は10月9日)
- 伊勢神宮の神嘗祭(かんなめさい)※10月15日~17日
- 日本三大くんち(長崎・佐賀・福岡)※日程は寺社により異なる
寒露の頃は紅葉が見頃を迎えるところも多く、本格的な紅葉狩りシーズンに入ります。
台風の襲来は少し気がかりですが、爽やかな秋にレジャーを満喫したいですね!
寒露とは?2023年はいつ?七十二候や季語、食べ物、風物詩も!のまとめ
- 寒露とは1年を24等分の季節に分けた二十四節気における17番目の節気
- 「秋が深まり、草木に冷たい露が宿る頃」を意味する
- 天文学に基づく定気法では太陽黄経195度に達する瞬間を含む日
- 2023年の寒露は10月8日(日)で、正確な時刻は22時16分
- 期間は10月8日(日)~10月23日(月)の16日間
- 七十二候は初候「鴻雁来」、次候「菊花開」、末候「蟋蟀在戸」
- 寒露は晩秋(季秋)の季語として使用する
- 食欲の秋に相応しく、旬の食べ物も豊富
- 紅葉狩りなどのレジャーも季節の風物詩の1つ
二十四節気の寒露の頃は、秋の移動性高気圧の影響で晴れやすく、過ごしやすい気候です。
ぜひ「天高く馬肥ゆる秋」を満喫してくださいね!
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