トウモロコシの名前の由来と花言葉!別名や歴史と基本データ!
近年、甘い品種が続々と開発され、焼いても茹でても美味しいトウモロコシ。
ただ、名前の由来や花言葉を知っている人は意外と少ないようです。
漢字では「玉蜀黍」と書きますが、初見ではなかなか読めませんよね!
また、トウモロコシには別名もありますが、地域ごとに呼び名も変わってきます。
世界三大穀物の1つとされており、その歴史を見ると実におもしろい植物ですよ!
そこで今回は、トウモロコシの名前の由来と花言葉!別名や歴史と基本データ!というテーマでご紹介します。
トウモロコシの名前の由来
トウモロコシという名前は、異国から伝わった「モロコシに似た植物」に由来します。
モロコシ(蜀黍:唐黍)とは、イネ科モロコシ属の植物で、世界第5位の生産量を誇る穀物です。
別名を高黍(たかきび)とも呼びますが、よく知られている名はコーリャンです。
植物としての特徴(茎や葉、花、種子の形状)がトウモロコシによく似ていたため、「唐」の字を加えて語源となっています。
ちなみに、トウモロコシの「トウ」はもともと「唐」という漢字が使われていましたが・・・
これは中国の唐代のことではなく、「舶来(はくらい)=異国から渡来するもの)」という意味です。
似たような意味の言葉に「南蛮」「南蛮渡来」がありますよね!
モロコシは中国経由で室町時代に日本に伝わっため「唐土(もろこし)」から来ていますが、トウモロコシの渡来には諸説あります。
そもそも、モロコシは「唐黍」と書くこともありますので、「唐唐黍」と被ってしまいますよね!
現在の表記は「玉蜀黍」となっていますが、これはトウモロコシの別名「玉黍(たまきび)」に由来します。
「玉」の字は「種子が黄金色で美しく並んでいる様子」を表しており、より相応しい印象もありますね!
トウモロコシの花言葉
「豊富」「財宝」は、包葉をめくると黄色い穎果(えいか)に粒(実)がびっしりと並ぶ様子に由来します。
もともと米や小麦に比べると価値が低かったトウモロコシですが・・・
黄金色に輝く綺麗な粒が所狭しと並ぶ様子から、金銀財宝をイメージさせたようです。
「洗練」は、粒が整列しているかのように綺麗に並ぶ様子や、インディアンの時代から数千年をかけて品種改良が繰り返されてきた歴史にちなんでつけられた花言葉です。
今では、甘くて美味しいスイートコーンが開発され、「おおもの」「ドルチェヘブン」など糖度が20度もある品種も登場しています。
「同意」は、まだ建国前のアメリカで、トウモロコシが通貨代わりに利用されていたことに由来します。
イギリスから渡った人たちは当然商売を知っていましたが、契約の同意に不可欠な通貨不足に陥っていたといわれています。
「仲たがい」はトウモロコシの折れた茎に由来し、田畑を荒らすような醜い戦争を連想させる花言葉です。
一説にはトウモロコシの茎の頂上に伸びる雄花と、実の成る低い所に咲く雌花の距離が離れていることに由来するともいわれています。
トウモロコシの別名
トウモロコシには全国の地域ごとに260種類を超える別名があるといわれています。
同じ植物(穀物)でありながら、これほど呼び名が多いのも珍しいようです。
すべて挙げるとキリがありませんので、有名なものや変わったものをまとめてご紹介しますね。
同じ都道県でも様々な別名があるため、下記はその一部地域と考えてください。
トウモロコシの別名 | |
トウキビ トーキビ |
主に全国 |
ナンバン ナンバンキビ |
近畿地方 愛知 岡山 山口 徳島 |
タカキビ | 鹿児島県種子島 |
トウタカキビ | 香川県高見島 |
コウライキビ | 愛知 岐阜 |
コウライ | 岐阜 福井 三重 滋賀 |
コーリャン | 香川 |
トウキミ | 北海道 山形 福島 群馬 |
キミ | 北海道(アイヌを含む) 青森 岩手 |
キビ | 長野 高知 鳥取 |
モロコシ | 長野 山梨 |
トウミギ | 宮城 福島 栃木 茨城 |
マメキビ | 新潟 岐阜 長崎 |
グシントージン | 沖縄 |
全国的に最も有名なのは「トウキビ」「トーキビ」で、「唐黍」という字が当てられています。
次いで、近畿地方などの「ナンバン」「ナンバンキビ」も有名で、「南蛮渡来」という意味を含みます。
「タカキビ」「トウタカキビ」「モロコシ」「コーリャン」は、「トウモロコシ」の名前の由来となった「モロコシ(たかきび)」から来ている別名のようですね!
「コウライ」は、おそらく朝鮮王朝の「高麗」から来ていると思われます。
北海道を中心に「トウキミ」「キミ」とも呼ばれていますが、「キビ」の派生形と考えられています。
ちなみに、筆者の出身地・熊本の一部では「サンカク」と呼ばれているそうですが、地元では聞いたことがありません。汗
トウモロコシの歴史
トウモロコシの歴史を紐解くと、その起源は9200年前のメキシコ周辺といわれています。
その後、主に南北アメリカに拡大し、本格的に栽培が始まったのは紀元前2000年より前のことです。
大航海時代の1492年、イタリアのジェノバ出身のコロンブスが新大陸を発見した際・・・
キューバ島からトウモロコシを持ち帰り、ヨーロッパに伝播しています。
16世紀になると全世界に伝わり、極東の日本には1570年以降、ポルトガル人が長崎に持ち込んだという説が有力視されています。(※諸説あり)
明治時代には、アメリカの開拓使が北海道にトウモロコシの改良品種を持ち込んだことで栽培が本格化。
以降、北海道から東北や関東へと広がり、全国でも食用や飼料として大規模栽培が始まったといわれています。
甘くて美味しいスイートコーンが誕生したのも、4000年以上をかけた品種改良の賜物ですね!
トウモロコシの基本データ
トウモロコシ | |
学名 | Zea mays L. subsp. mays |
英名 | corn(米)、maize(英) |
原産 | 熱帯アメリカ |
分類 | イネ科トウモロコシ属 |
品種の数 | 数千種(食用は数百種) |
茎丈 | 最大2mほど |
花の特徴 | ※雌雄同株 茎の頂上に雄花(雄小穂) 茎の下部に雌花(雌小穂) |
受粉方法 | 風に頼る風媒花 |
果穂の長さ | 20cmほど |
可食部の名称 | 子実/種子/穎果(えいか) |
ひげの名称 | 雌しべ/絹糸(けんし) |
主な用途 | 食用(コーンスターチや油を含む) 生薬 飼料 肥料 工業用デンプン(製紙などに利用) 燃料(バイオマスエタノールの原料) |
トウモロコシの名前の由来と花言葉!別名や歴史と基本データ!のまとめ
- トウモロコシの名前の由来は、舶来の「モロコシに似た植物」
- 花言葉は「豊富」「財宝」「洗練」「同意」「仲たがい」
- 別名は全国各地で260種類以上
- 「トウキビ(唐黍)」「ナンバンキビ(南蛮黍)」などが有名
- 9200年の歴史を持つ植物
- 日本への渡来は1570年以降
- 明治時代から大規模栽培が始まった
トウモロコシといえば、最近は実が白いホワイトコーンの人気が高まっています。
甘くて生で食べられる品種なども増えていますね!
名前の由来は比較的わかりやすいと思いますが、花を見かけたらぜひ花言葉を思い出してくださいね!
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