寒露の候を使う時期はいつ?読み方と意味は?使い方の例文と結び!
寒露の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つでよす。
「寒」という字を含みますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、「常識のない人」と思われる心配も無用です。
寒露の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等で重視される「結びの挨拶」とともにセットで覚えておくと便利ですよ!
そこで今回は、寒露の候を使う時期はいつ?読み方と意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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寒露の候を使う時期はいつ?
寒露の候を使う時期は、例年10月8日頃~10月22日頃です。
これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「寒露」の期間で、約15日間になります。
以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 7月節 | 8月7日頃 |
14 | 処暑 | 7月中 | 8月23日頃 | ||
仲秋 | 15 | 白露 | 8月節 | 9月8日頃 | |
16 | 秋分 | 8月中 | 9月23日頃 | ||
晩秋 | 17 | 寒露 | 9月節 | 10月8日頃 | |
18 | 霜降 | 9月中 | 10月23日頃 | ||
冬 | 初冬 | 19 | 立冬 | 10月節 | 11月7日頃 |
20 | 小雪 | 10月中 | 11月22日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています。
二十四節気(旧暦)の秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節(三秋)に分けられています。
その中で、寒露は晩秋の前半にあたり、立春から数えて17番目に巡ってくる節気です。
寒露の候を使える時期は、この晩秋の前半に限定されます。
次の節気で10月23日頃の「霜降」を迎えると、季節は晩秋の後半に移り変わります。
すると、寒露の候を使う時期から外れてしまうため、前日10月22日頃までの使用にとどめます。
二十四節気を含む時候の挨拶は、該当する節気(中気)の期間のみ使用可能となっています。
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寒露の候の読み方は?
寒露の候の読み方は「かんろのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
寒露単体でも訓読みすることはなく、「かんろ」として俳句の晩秋の季語になっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
寒露の候の意味は?
寒露の候は「暦の上では寒露の時期を迎えましたが…」という意味です。
二十四節気の寒露は「草木に宿る露が秋の冷気により凍りそうになる頃」を表しています。
露(つゆ)が降り始める頃といえば、9月8日頃の節気「白露」からといわれています。
夜間に空気中の水蒸気が冷やされることで、草木などの植物にも結露が見られます。
さらに、9月23日頃の「秋分」から秋冷(秋の冷気)が加わり・・・
晩秋の寒露の頃に入ると、露の雫が今にも凍結しそうに感じられるようになります。
寒露の候には「秋が深まり、冷気が一層強まる頃」というニュアンスが含まれています。
また、「候」は暑さや寒さなどの気候や季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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寒露の候の使い方の例文と結び!
では、寒露の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶も併せて参考にしてくださいね。
漢語調の時候の挨拶の前提として「寒露の候」「寒露の折(おり)「寒露の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 寒露の候、○○様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 寒露の候、皆様いよいよご健勝にてご活躍こととお慶び申し上げます。
- 謹啓 寒露の候、皆様ますますご清適のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 寒露の候、ご家族様におかれましては益々清福の段大慶に存じます。
- 恭敬 寒露の候、ご一同様にはことのほかご清栄の由慶賀の至りに存じます。
漢語調の時候の挨拶のメリットとして、寒露の候だけで季節感は伝わります。
その他は無理に秋らしい言葉を入れず、相手の健康を祝う言葉を入れておきましょう!
【結び】
- 秋たけなわの好季です。ますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。敬具
- 朝夕は意外なほど冷え込む日もありますので、風邪など召されませんようにお気を付けください。敬具
- 昼夜の寒暖差が大きい時期ですので、体調を崩されませんようお祈り申し上げます。敬白
- 紅葉の折、ご壮健にて実り多き秋を満喫なさってください。かしこ
- 晩秋のみぎり、くれぐれもご自愛専一にてご精励ください。謹白
結びの文章には、書き出しで未使用の漢語調の時候の挨拶を使うこともできます。
加えて、相手の健康や活躍などを祈願する言葉を入れておくのが一般的ですね!
また、書き出しの頭語と手紙を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・拝白・啓上 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・粛啓・恭敬 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
頭語は「拝啓」でも十分敬意は伝わりますが、「謹啓」「謹呈」などはより丁寧な印象を受けますね!
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 寒露の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 寒露の候、貴店いよいよご隆盛のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 謹啓 寒露の候、貴社にはいよいよご盛栄の趣慶祝の至りに存じます。
- 謹啓 寒露の候、貴店におかれましては益々ご盛業の御事慶祝の至りに存じます。
- 粛啓 寒露の候、貴社におかれましては益々ご清栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターの場合、相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。
「~のことと」の代わりとして「~の段」「~由」「~の趣」「~の御事」なども便利です。
【結び】
- 末筆ながら、貴社のますますのご隆盛を心よりお祈り申し上げます。敬具
- 秋冷の折、皆様のご健勝とご活躍を社員一同衷心より祈念致します。取り急ぎ、ご報告まで。敬具
- 今後とも格別のご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。敬白
- 今後とも倍旧のご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀失礼ながら、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。拝具
- 紅葉の折、今後とも変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げます。まずは、書中にて深謝申し上げます。謹白
結びには相手の会社の発展や、今後の支援を祈願する文章が望ましいです。
「まずは」「取り急ぎ」「略儀ながら」などを使い、丁寧に結んでおくと好印象ですね!
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寒露の候を使う時期はいつ?読み方と意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 寒露の候を使う時期は例年10月8日頃~10月22日頃
- 二十四節気の「寒露」の期間の約15日間使える
- 読み方は「かんろのこう」
- 意味は「暦の上では寒露の時期を迎えましたが…」
- 「秋が深まり、冷気が一層強まる頃」というニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
寒露の候は、秋が深まり過ごしやすい季節に使われる時候の挨拶です。
お世話になっている方への季節の挨拶状やビジネスレターにぜひご活用くださいね!
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