初秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!

2022年1月23日はがき・手紙のマナー

初秋の候 時期 いつ 読み方 意味 例文 結び

初秋の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。

秋という文字を含みますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!

 

読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。

初秋の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。

 

文書等で重要視される「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ!

そこで今回は、初秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。

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初秋の候を使う時期はいつ?

初秋の候 時期 いつ

初秋の候を使う時期は、例年8月7日頃~9月7日頃となっています。

これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「立秋」~「処暑」の約30日間です。

 

以下に、旧暦の秋を中心とした二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!

季節 二十四節気 旧暦月 新暦初日
晩夏 11 処暑 6月節 7月7日頃
12 大暑 6月中 7月23日頃
初秋 13 立秋 7月節 8月7日頃
14 処暑 7月中 8月23日頃
仲秋 15 白露 8月節 9月8日頃
16 秋分 8月中 9月23日頃
晩秋 17 寒露 9月節 10月8日頃
18 霜降 9月中 10月23日頃

※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています

二十四節気(旧暦)の秋は「初秋・仲秋・晩秋」の3つの季節(三秋)に分けられています。

その中で、初秋の候を使う時期は、初秋全般(前半の節気と後半の中気)となっています。

 

使い始めは、立春から数えて13番目に巡ってくる節気「立秋」の初日にあたる8月7日頃。

使い終わりは、同じく14番目に巡ってくる中気「処暑」の最終日にあたる9月7日頃です。

 

次の節気で9月8日頃の「白露」を迎えると、季節は仲秋の前半に移り変わります。

すると、初秋の候を使う時期から外れてしまうため、前日9月7日頃までの使用にとどめます。

ひとくちメモ
二十四節気では1番目の立春を含む奇数番を節気偶数番を中気と呼び、これを交互に繰り返して1年(24の季節)を構成しています。上記グラフの旧暦月を見るとわかりますが、初秋=陰暦7月の異称とされています。

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初秋の候の読み方は?

初秋の候 読み方 

初秋の候の読み方は「しょしゅうのこう」です。

漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)

 

初秋単体に限定すると訓読みで「はつあき」とも読み、俳句の初秋の季語になっています。

ちょっと紛らわしいですが、読み間違いにご注意くださいね!

 

また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。

初秋の候の意味は?

初秋の候 意味

初秋の候は「暦の上では秋の初めを迎えましたが…」という意味です。

そもそも初秋とは、旧暦(陰暦=太陰太陽暦)の秋のはじめの1ヶ月間を表しています。

 

その後の「仲秋」「晩秋」と合わせて「三秋」と呼ばれています。

また、同時期を指す類義語として「孟秋・新秋・早秋」があります。

 

初秋といっても「立秋」前後が最も暑い時期なので、しばらくは厳しい残暑の日々が続きます。

旧盆を過ぎた頃から朝夕はやや涼しくなり、「処暑」から9月上旬にかけて秋めいて来る印象もあります。

 

初秋の候には「残暑の衰えとともに秋の気配が漂う頃」といったニュアンスが含まれています。

また、「候」は、暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。

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初秋の候の使い方の例文と結び!

初秋の候 例文 結び

では、初秋の候の使い方の例文をご紹介します。

私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね!

 

漢語調の時候の挨拶の前提として「初秋の候」「初秋の折(おり)」「初秋の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。

口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。

私的な季節の挨拶状の例文と結び

【書き出し】

  • 拝啓 初秋の候、○○様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
  • 拝啓 初秋の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
  • 謹啓 初秋の候、皆様にはいよいよご健勝のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 謹啓 初秋の候、ご家族様にはいよいよご清栄の段大慶に存じます。
  • 謹呈 初秋の候、ご一同様におかれましては益々ご壮健の由慶賀の至りに存じます。

 

時候の挨拶のあとは、相手の健康を祝う言葉を入れておくのが一般的です。

「より一層」を表す「ますます」「いよいよ」はどちらも同様に使えますよ!

チェック!
相手の健康を祝う言葉として「お変わりなく」「お健やかに」「お元気に(で)」「ご清祥」「ご健勝」「ご清栄」「ご壮健」「ご清適」「ご活躍」「ご勇健」などがあります。「ご勇健」は男性宛限定、「ご壮健」は主に目上の年配者宛に使用します、また、幸福を祝う意味の「ご清福」も便利です。

【結び】

  • 厳しい残暑ももひと息。どうぞお体を大切にお過ごしください。敬具
  • 夏のお疲れがでませんよう、くれぐれもご自愛専一に。敬具
  • 残暑に負けず、御みでに残る夏休みをお過ごしください。かしこ
  • 朝夕は涼しくなってまいりましたので、お風邪など引かれませんようご注意ください。敬白
  • 晩夏のみぎり、皆様より一層のご健勝とご活躍を祈念致します。謹白

 

結びの挨拶には、相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。

ただ、「夏休みを満喫してください」といった内容でも問題ありません。

 

また、冒頭の頭語と最後の締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。

頭語 結語
一般的な例 拝啓・拝呈・啓上・啓白 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ)
改まった例 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ)

(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)

最もポピュラーな頭語と結語の組み合わせは「拝啓」+「敬具」ですね。

「謹啓」+「敬白」などを選ぶと、よりフォーマルな印象が強くなります。

ビジネスレターの例文と結び

【書き出し】

  • 拝啓 初秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  • 拝啓 初秋の候、貴店いよいよご隆昌のことと拝察し、お慶び申し上げます。
  • 謹啓 初秋の候、貴社にはますますご盛業のことと承り、大慶の至りに存じます。
  • 謹啓 初秋の候、貴店におかれましてはいよいよご隆盛の御事慶祝の至りに存じます。
  • 恭敬 初秋の候、貴社におかれましては益々盛栄ことと拝察し、お慶び申し上げます。

 

ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行は貴行)

「~のことと」より、「~のことと拝察し」「~のことと承り」の方が丁寧な印象になります。

チェック!
相手の会社の発展を祝う言葉として「ご清栄」「ご隆昌」「ご盛業」「ご隆盛」「ご盛栄」「ご発展」「ご繁栄」などがあります。「ご隆昌」「ご隆盛」は意味合い的にはビジネス向きですが、「ご清栄」は私的な挨拶状にも使えて便利です。

 

【結び】

  • 今後ともより一層のご厚誼を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
  • 今後とも尚一層のご高配を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。敬具
  • 引き続き末永くご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。略儀失礼ながら、ご挨拶申し上げます。敬白
  • 残暑のみぎり、皆様のご健勝とご活躍を社員一同衷心より祈念致します。まずは、書中にて厚く御礼申し上げます。敬白
  • 新秋の折、貴社一層のご隆盛を心よりお祈り申し上げます。まずは、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。謹言

 

結びの挨拶は「相手の会社のさらなる発展」「今後の支援」を祈願する文章にします。

「より一層の」「尚一層の」「格別の」「倍旧の」などで、支援を強調しておくとよいでしょう。

チェック!
相手の会社に支援を願う言葉として「ご厚誼」「ご高配」「ご支援」「ご指導」「ご鞭撻」「ご助力」「ご贔屓」「ご愛顧」「ご厚意」「お引き立て」「お力添え」「お付き合い」などがあります。それぞれ多少意味は異なりますが、ビジネスレターでよく使われる表現です。

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初秋の候を使う時期はいつ?読み方や意味は?使い方の例文と結び!のまとめ

  • 初秋の候を使う時期は、例年8月7日頃~9月7日頃
  • 二十四節気の「立秋」と「処暑」を合わせた約30日間が目安
  • 読み方は「しょしゅうのこう」
  • 意味は「暦の上では秋のはじめを迎えましたが…」
  • 「残暑の衰えとともに秋の気配が漂う頃」というニュアンスを含む
  • 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される

 

初秋の候は、立秋後の残暑厳しい時期から使える時候の挨拶です。

日頃よりお世話になっている方への季節の挨拶状(お見舞い状)などにぜひご活用ください。