葉牡丹を正月に飾る意味と由来!時期や場所、寄せ植えに使う植物は?
「冬の薔薇」とも呼ばれ、寒い冬にも私達を楽しませてくれる葉牡丹。
正月に飾ることでも有名ですが、縁起物としての意味や由来をご存じでしょうか…。
新年を迎えるに辺り、飾る時期や場所なども知っておいて損はありませんよね。
また、葉牡丹の寄せ植えに相性のよい植物を知っておくと、綺麗で立派な正月飾りの1つとなります。
植物としての特徴や花言葉などもまとめていますので、ぜひチェックしてくださいね。
そこで今回は、葉牡丹を正月に飾る意味と由来!時期や場所、寄せ植えに使う植物は?というテーマで詳しくご紹介します。
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葉牡丹を正月に飾る意味と由来
葉牡丹を正月に飾る意味は、縁起が良く、めでたい植物の象徴とされているからです。
ただし、そのルーツを辿ると中国原産で瑞花(めでたい花)として有名な″牡丹の花”に由来すると言われています。
モデルになった牡丹はもともと薬用として利用されていましたが、盛唐(7世紀)の時代になると「百花の王」として愛でられるようになります。
まだ花言葉も存在しない時代でしたが、大輪の花を咲かせる凛とした姿は「豪華」「幸福」「高貴」「富貴」を象徴する花と意味付けられ、日本には7世紀頃伝わりました。
日本でも正月に牡丹が飾られていましたが、入手困難な上に高価ということもあり、江戸時代になると安価で寒さにも強い葉牡丹が飾られるようになりました。
もちろん、葉牡丹の名前の由来は、大きな葉を牡丹の花に見立てたことから来ています。
今では、南天、千両、万両、プリムラ、シクラメン、シンビジウムなどとともに正月に飾る植物の代表格となって定着しています。
しかし、真の由来を探ってみると、海外から入ってきたキャベツやケールに似た植物に『葉牡丹』と名付け、縁起物としての意味を持たせた感は否めません。
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葉牡丹を正月に飾る時期はいつまで?
縁起の良い植物として正月に飾る風習が定着した葉牡丹ですが、飾る時期は「いつからいつまで?」と考えたことはありますか?
本来、正月飾りとして門松などにも利用されていますので、12月28日~1月15日頃を目安にすべきものです。
つまり、年末から松の内が終わる頃までという考え方もできますね。
関東では1月7日まで、関西では1月15日までということになりますが、特に「迎春」などと書かれた正月用オーナメントを外してしまえば、冬の観葉植物として飾っておくことができます。
「賀正」「謹賀新年」などの賀詞が無ければ、寄せ植えなどをインテリアとして飾ることもできますので、あまり正月(松の内)だけといった期間を意識する必要は無いでしょう。
基本的に、葉牡丹をはじめ寒さに強い植物を集めて寄せ植えにすることが多いため、枯れたり腐敗しない限り飾っておくことができますね。
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葉牡丹を正月に飾る場所は?
最近では、ボール型のテラコッタ(陶器鉢)などに様々な植物と一緒に寄せ植えされることが増えた葉牡丹。
一般家庭で正月に飾る場所を調べてみると、コレといった決まり事はありませんでした。
冬の寒さにも強く、11月中旬以降色付き始める葉牡丹は、ガーデニング愛好家の中でも人気が高いですね。
クリスマスリースのような壁掛けにしたり、高い所から吊り鉢にすることも増えてきています。
あくまで正月飾りとしての概念に収める場合、下記の場所もオススメです。
玄関脇やシューズクローゼットの上
正月飾りの代表格でもある注連縄(しめなわ)は玄関外の高い所に固定しますよね。
葉牡丹も寄せ植えにしたものを玄関脇に置いて飾っても良いですし、場所が低いと思う場合は、フラワースタンドやプランターテーブルを用意して、その上に飾るのもオススメです。
グラスファイバー、陶器、プラスチック、木製など、様々な鉢なども飾ることができますね。
正月の玄関脇に飾っておくと映えますし、来訪者の目にも留まって印象も良くなります。
また、家の中で場所を探すなら、玄関内の低いシューズクローゼットの上などに置くのも目立ちますし、広さに余裕があれば小型のフラワースタンドを置いて飾るのも良いですね。
玄関は外でも内でも家族や来訪者の目に留まりやすいため、正月ムードが高まりますね!
リビングや床の間
リビングなど家族が集まる場所に置くのもオススメです。
葉牡丹のみ、または南天や千両、万両など様々な花を利用した寄せ植えを作り、正月に飾るとおめでたい雰囲気に包まれます。
松の内が終わっても、そのままインテリアとして室内のアクセントにもなりますね。
玄関同様、親戚などの来訪者の目に留まりやすくなりますので、リビングも適した場所の1つです。
また、家庭に和室があるという場合、床の間に飾ると正月らしい雰囲気を醸し出してくれます。
鏡餅を飾ることも多い場所ですが、ゴージャスなアレンジの葉牡丹の寄せ植えを置いておくにも最適といえます。
葉牡丹の寄せ植えに利用される他の花も、寒さに強いもので構成されることが多いため、松の内が過ぎたら玄関脇やベランダなどに出してあげてもいいですね!
門松に利用されることも
正月には家の門前に門松を置かれる家庭も多いと思います。
購入したものであれば、松や葉牡丹、千両など縁起のよい植物が使われているケースも多いですね。
門松は主に竹や松を利用して作られ、年神様を迷わせることなく家に招き入れるための目印の役割を持っています。
日本では竹の方が目立つようになりましたが、主役は神様が宿る場所になる松になります。
ご自分で門松を作るという方も、松だけでなく葉牡丹や見栄えの良い花を使って作ると、世界に1つだけのアレンジができますね。
あまりゴージャス過ぎると神様の依り代として違和感がありますので、葉牡丹を添えながら松を目立つように工夫するのがオススメです。
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葉牡丹と一緒に正月の寄せ植えに使う植物は?
ガーデニング愛好者の方であれば、正月に葉牡丹を利用した寄せ植えを飾ることも多いでしょう。
ただし、初心者の場合、一緒に使う植物などを知らないこともありますよね。
まずは、縁起物として一般的に利用されることの多い植物からご紹介していきますね。
葉牡丹だけでも綺麗ですが、様々な花や葉を活かした寄せ植えするとバランスも良く、ゴージャスになりますよ!
南天(ナンテン)
「正月といえば南天」と呼ばれるくらい有名で、葉牡丹とともに縁起のよい植物です。
一緒に寄せ植えにされることも多く、日本の正月を彩るには最高の組み合わせの1つですね。
南天はメギ科ナンテン属の常緑低木で、冬には丸くて赤い実を付けるため、庭に植えているという家庭も多いと思います。
「難(ナン)を転(テン)じる」という語呂合わせから「災い転じて福となす」という意味を持たせたようです。
葉は咳止めや解熱の効果を持つ生薬とされ、昔から民間療法などで利用されてきました。
葉牡丹とともに正月の縁起物の1つである門松にも使われていますし、寄せ植えするにも相性抜群ですね!
千両(センリョウ)
千両は「仙蓼」とも書くセンリョウ科の常緑小低木で、その名前から正月の縁起物として欠かせない存在になりました。
南天と同じく、冬に赤くて丸い実を付けるため、葉牡丹との寄せ植えにも相性がよい植物です。
千両は、日本では関東~沖縄の比較的暖かい地域に自生しており、東北や北海道の方には馴染が薄いかもしれませんね。
江戸時代には庭木として親しまれていましたが、縁起物として本格的に栽培し始めたのは大正時代になります。
万両との区別も付きにくいですが、赤い実がなる低木は昔から縁起物とされていたようですね。
なかなかお金に縁がないという方は、正月用の葉牡丹の寄せ植えに利用するのもオススメですよ!
万両(まんりょう)
万両はサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木の1つで、こちらも名前から正月の縁起物となりました。
南天や千両と同じく、秋~冬に赤くて丸い実を付けますので、葉牡丹の寄せ植えにも利用できる植物ですね。
関東~沖縄に生息する点も千両に似ており、10月~2月頃に実を付ける点もソックリです。
強いて異なる点を挙げるとすれば、千両が葉の上に実を付けるのに対し、万両は葉の下に実を付けるという特徴があります。
昔から赤くて丸い木の実はお金に例えられていたようで、たわわに実る姿は「お金持ち」を連想させたようです。
金額的には千両の10倍の価値があるとも取れますので、葉牡丹の寄せ植えに使えば大富豪になれるかもしれませんね。
ちなみに、万両の中には緑ではなく、砂子斑(すなごふ)入りの赤葉が生えるものがあり、「紅孔雀」というさらに縁起のよさそうな種類もあります。
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葉牡丹の寄せ植えにオススメの植物一覧
ここでは、葉牡丹と一緒に正月用の寄せ植えができるオススメの植物をご紹介します。
花だけでなく葉を楽しむものも多いため、少し調べてから購入してくださいね。
ポイントは、鉢の高さと植物の高さを最初に把握しておくことです。
また、寄せ植えにする際は虫が付くことがあるため、「オルトラン」などの殺虫剤を土に混ぜておく方が良いでしょう。
ぜひ、葉牡丹を活かしながらオリジナルの綺麗な正月飾りを作ってみてください。
プリムラ・ジュリアン
ピンク・黄色・白、斑模様など。冬場は型崩れせず、春ごろに花が咲く。種類も非常に多い。
モンシュシュ、イエローフリルリング、ウィンターイルミネーションはオススメ。
ビオラ
スミレ科スミレ属の植物で、冬から春まで長く楽しめる人気の花。
新品種も続々開発されており、ミステリアスバニー(紫色の花)はオススメ。
スイート・アリッサム
冬の寒さにも強く、小花がたくさん咲き誇る。
寄せ植えの引き立て役としても有名で、葉牡丹との相性も良い。
ソフォラ・リトルベイビー
マメ科クララ属の植物で「メルヘンの木」の異名を持つ。枝葉は神秘的な美しさ。
基本的に寒さに強いが、寒過ぎると弱ることもある。
ヒューケラ
様々な葉色の園芸品種ができ、カラーリーフプランツとして人気。
紫色のカラーリーフなども綺麗。
斑入りヤブコウジ
人工の赤い実が付いているものが多い。
寒さに強いが高さは出ない。お正月の寄せ植え以外でも葉が綺麗で映える。
オレアリア・リトルスモーキー
常緑性低木の多年草。葉を鑑賞するのが目的。
ガーデン・シクラメン
めでたい紅白の色が映えるシクラメンで、葉牡丹との相性も良い。
品種改良で耐寒性に優れており、冬の寄せ植えの定番の花となる。
八重咲きシクラメン・フェアリーピコ・ダブル
妖精のような可愛らしさの半八重咲きのミニシクラメン。
白とピンクの花が映えて正月に相応しい。
エリカ
ツツジ科の植物で700種類にも及ぶ。寒さに非常に強く、扱いやすい。
バレリグリフィス、セッシリフローラ、ダーレンシスは葉牡丹との寄せ植えにもオススメ。
ネメシア
園芸品種は60種類以上。紫色の花が綺麗。
ピンクレモネードは芳香を放つ。メーテル・ミステリックブルーはスミレの香り。
ゴールテリア・ホワイトベリー
白実のチェッカーベリーが特徴的で、インパクトも十分。
草丈は低いが、密に茂るため寒さにも強い。リング仕立ての花材や寄せ植えに向いている。
ハゴロモジャスミン・ミルキーウェイ
冬は葉、春は花を楽しめる羽衣ジャスミン。
寒さに強く、根がしっかり張っていれば雪が降っても耐えられる品種。
西洋イワナンテン・レインボー
アメリカイワナンテンとも呼ばれ、年間を通してグランドカバーとして利用される。
レインボーは白斑入りの品種で、葉の美しさは正月の寄せ植えにピッタリ。
コニファー・サルフレア
クリスマスツリーのイメージが強いが、正月飾りにも利用できる。
日に当たると独特の色が出て綺麗だが、寒さに弱いため室内向き。
ヘデラ・アイビー・天使の翼
ヘデラは様々なバリエーションの葉が楽しめる品種。
葉牡丹の花言葉と由来
では、葉牡丹の花言葉やその由来について見ていきましょう。
昔から縁起のよい植物として正月に飾られてきた歴史がありますので、おめでたいイメージの言葉もありますよ。
『愛を包む』
『慈愛』
『祝福』
『利益』
『物事に動じない』
※品種改良により様々な種類の葉牡丹が誕生していますが、色別などの花言葉はありません。
花言葉の由来
『愛を包む』『慈愛』『祝福』は、葉牡丹の中心の花の部分を″赤ちゃん”に見立て、これを優しく包み込むような葉っぱの形状に由来しています。
また、紅白の葉が正月に相応しいめでたい色として、『祝福』という意味が込められたとする説もあります。
『物事に動じない』も、基本的には中心部の花を守るために幾重にも重なった葉っぱの姿を形容しています。
『利益』の由来には2説あります。
1つは、葉牡丹の見た目がキャベツによく似ていることから、キャベツと同じ花言葉がつけられたという説。
もう1つは、中国三国志時代の武将・諸葛孔明が赴いた戦場でキャベツを栽培し、兵団の食料として取り入れた故事にちなむという説です。
葉牡丹はフォルムがキャベツにも似ていますので、食べていたという歴史もあるようです。
ただし、観葉植物としてのみ愛されていますので、決して美味しいものではありません。
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葉牡丹の特徴
葉牡丹はキャベツやケールと同じく、アブラナ科アブラナ属の多年草です。
原産はヨーロッパの地中海沿岸に近い地域といわれており、主に食用として栽培されていました。
非結球性のキャベツやケールが品種改良されたもので、日本に渡来したのは江戸時代。
当初から食用より観賞用として改良を重ねられるようになり、現在の葉牡丹の原型が誕生したのは園芸ブームだった江戸中期以降とされています。
紅(赤紫)と白の組み合わせは縁起がよいとして、正月には門松に利用されたり、寄せ植えとして飾られるようになりました。
現在では様々な品種が登場していますが、主に下記4種から派生しています。
【葉牡丹の代表的な系統】
- 東京丸葉(江戸時代からの直系)
- 名古屋縮緬(東京丸葉に縮緬性のケールを再交配させたもの)
- 大阪丸葉(戦後、大阪で新しく改良された丸葉系)
- 切れ葉系(ギザギザした葉が特徴)
- サンゴ系(丸葉系とロシアの切れ葉系を交配させたもの)
種蒔きの時期は真夏の7月~8月で、寒くなって色付く11月~翌2月が見頃となっています。
見頃といっても葉を観賞するのがメインで、年越し後の春(3月~4月)が開花時期です。
栽培時に月に1回程度「葉かき」を行うことで、茎が細長くて強くなり、背の高い葉牡丹に成長します。
この特徴を活かして、正月の切り花や寄せ植え用(根っこごと)に出荷される品種も多いです。
個人的には、切れ葉系の神戸ジェンヌ葉牡丹『パラマウント』や、フリル系の葉弁が美しい『ファルダノエル』などがお気に入りです。
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葉牡丹を正月に飾る意味と由来!時期や場所、寄せ植えに使う植物は?のまとめ
葉牡丹を正月に飾る意味や由来を中心にご紹介しました。
もともと葉牡丹は、中国から渡来した牡丹の代用品という位置付けでした。
しかし、主に日本で品種改良を重ね、江戸時代以降は正月に欠かせない縁起物の1つとして定着しています。
比較的安価ということもあり、ぜひ寄せ植えなどにして飾ってみてくださいね。
松の内などにはどこに飾っても良いと思いますが、せっかくなら来客などの目に留まりやすい所がオススメです。
花が落ちた後のお手入れによっては、くねくねした長い茎の先端に咲く「踊り葉牡丹」も楽しめますよ!
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