早春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！
早春の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
文字を見ると春を連想させますが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう！
読み方や意味を理解しておくと、相手に対して失礼にあたるような失敗もありません。
早春の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等の締めくくりとなる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと便利ですよ！
そこで今回は、早春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！というテーマでご紹介します。
Sponsored Link
早春の候を使う時期はいつ？
早春の候を使う時期は例年2月4日頃～3月20日頃が目安となっています。
これは、1年を24等分の季節に分けた二十四節気の「立夏」～「啓蟄」の期間です。
ただし、あくまで目安となっていますので、以下の二十四節気表で確認してみましょう！
| 季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 冬 | 晩冬 | 23 | 小寒 | 12月節 | 1月5日頃 |
| 24 | 大寒 | 12月中 | 1月20日頃 | ||
| 春 | 初春 | 1 | 立春 | 1月節 | 2月4日頃 |
| 2 | 雨水 | 1月中 | 2月18日頃 | ||
| 仲春 | 3 | 啓蟄 | 2月節 | 3月6日頃 | |
| 4 | 春分 | 2月中 | 3月21日頃 | ||
| 晩春 | 5 | 清明 | 3月節 | 4月5日頃 | |
| 6 | 穀雨 | 3月中 | 4月22日頃 | ||
※二十四節気の順番は立春（1番目）を基準としています。
二十四節気（旧暦）の春は「初春・仲春・晩春」の3つの季節（三春）に分けられています。
その中で、早春の候を使える時期は初春全般に加え、仲春の前半頃までとなっています。
使い始めは明確に決まっており、二十四節気・最初の節気「立春」の初日にあたる2月4日頃。
使い終わりはやや曖昧で、仲春の前半の節気「啓蟄」の最終日にあたる3月20日頃が目安です。
早秋の候を使う時期は、もともと暦の上（旧暦）での初春のみとされていました。
しかし、現在の新暦においては春めいてくる3月中旬頃まで使われるようになっています。
3月21日頃の「春分」を迎えると気候も本格的な春に入るため、使用は避けた方が無難です。
Sponsored Link
早春の候の読み方は？
早春の候の読み方は「そうしゅんのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。（※一部例外もあります）
早春単体でも訓読みすることはなく、「そうしゅん」として俳句の初春の季語になっています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら（う）」「うかが（う）」「ま（つ）」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
https://xn--yck3a8bvc9b.com/2022/0623/tyuusyunnnokou/早春の候の意味は？
早春の候は「暦の上では春の初めを迎えましたが…」という意味です。
そもそも早春とは「初春・孟春・浅春・春先」と同じく、「春の初め頃」「立春を迎えて間もない頃」を表しています。
旧暦（陰暦）では2月4日頃の立春を過ぎると春に入りますが、梅の花が開花を迎える頃ですね。
とはいえ、まだ余寒厳しい季節で、北国では雪が降り続けることも珍しくありません。
現在では春の気配や暖かさを感じ、桜のつぼみが見られる3月中頃までを指す言葉となっています。
早春の候には「まだ寒さは残るものの、春爛漫の季節は目前」といったニュアンスも含まれています。
また、「候」は、暑さ寒さなどの気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
Sponsored Link
早春の候の使い方の例文と結び！
では、早春の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね！
漢語調の時候の挨拶の前提として「早春の候」「早春の折（おり）」「早春の砌（みぎり）」のどれを使ってもOKです。
口語調（和文調）の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 早春の候、○○様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
- 拝呈 早春の候、皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 啓上 早春の候、皆様にはますますご清栄のことと拝察し、お慶び申し上げます
- 謹啓 早春の候、ご家族様にはいよいよご健勝の段大慶に存じます。
- 恭敬 早春の候、ご一同様におかれましては益々ご清福の由慶賀の至りに存じます。
早春の候だけで季節感は伝わりますので、続いて相手の健康を祝う言葉を入れておきます。
「～のことと」の代用として「～段」「～由」「～趣」「～御事」などが使われています。
【結び】
- 残寒厳しき折から、くれぐれもお風邪などめされませんように。敬具
- 季節の変わり目でございます。何卒お体大事にお暮しください。敬白
- 皆様おそろいで素敵な春が迎えられますことをお祈り申し上げます。拝具
- 春の足音が高まる中、皆様のいっそうのご活躍をお祈りいたします。かしこ
- 年度末のご多忙な時期かと存じます。くれぐれもご自愛専一にてご活躍ください。謹言
結びの挨拶は、一般的に相手の健康や活躍、幸せを祈願するような文章にします。
3月に入る頃には「年度末」を意識した挨拶にするのもオススメです。
また、冒頭の頭語と最後を締めくくる結語の組み合わせは以下の通りです。
| 頭語 | 結語 | |
|---|---|---|
| 一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ（女性のみ） |
| 改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ（女性のみ） |
（※同じ行であればどの組み合わせでもOKです）
最もポピュラーな組み合わせの「拝啓」+「敬具」でも、十分相手への敬意は伝わります。
よりフォーマルな印象にしたい時は、「謹啓」+「敬具」などを選んでおくとよいですね！
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 早春の候、貴社ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。
- 拝呈 早春の候、貴店いよいよご繁栄のことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 啓上 早春の候、貴社にはますますご盛栄のことと承り、大慶に存じます。
- 謹啓 早春の候、貴店におかれましてはいよいよご盛業の趣慶祝の至りに存じます。
- 粛啓 早春の候、貴社におかれましては益々ご隆盛ことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社の敬語「貴社」を使用します。（お店なら貴店、銀行は貴行）
「お慶び」「お喜び」の代わりとして「大慶」「慶賀の至り」「慶祝の至り」なども便利です。
【結び】
- 立春の折、貴社ますますのご隆盛を社員一同衷心より祈念致します。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
- 余寒のみぎり、皆様のより一層のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。取り急ぎ、お礼とご挨拶まで。敬白
- 今後とも尚一層のお引き立てを賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。略儀ながら、書中にてご挨拶申し上げます。拝具
- 引き続き末永くお付き合いを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。略儀失礼ながら、書中にて深謝申し上げます。謹白
- 来年度も格別のご支援を賜りますよう、謹んでお願い申し上げます。まずは、書中にて厚く御礼申し上げます。頓首
結びの文章は「相手の会社のさらなる発展」や「今後の支援」を祈願する内容にします。
新年度のお付き合いに向けた挨拶にするのもよいでしょう。
Sponsored Link
早春の候を使う時期はいつ？読み方や意味は？使い方の例文と結び！のまとめ
- 早春の候を使う時期は例年2月4日頃～3月20日頃
- 二十四節気の「立春」「雨水」「啓蟄」の頃が目安
- 読み方は「そうしゅんのこう」
- 意味は「暦の上では春の初めを迎えましたが…」
- 「まだ寒さは残るものの、春爛漫の季節は目前」といったニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
早春の候は、暦の上での初春だけでなく、仲春の前半頃まで使われる時候の挨拶です。
日頃からお世話になっている方への季節の挨拶状などにぜひご活用くださいね！