白露とは?2023年はいつ?七十二候や季語、食べ物、風物詩は?
古代中国で作られた暦法「二十四節気」の1つで、例年9月上旬に巡ってくる節気「白露」。
本格的な秋に向かう頃になりますが、2023年はいつなのか気になる方も多いと思います。
また、「白露の意味は?」「七十二候は?」「いつの季語?」といった疑問もありますよね。
白露に旬を迎える食べ物や季節の風物詩もまとめていますので、過ごし方の参考になれば幸いです。
そこで今回は、白露とは?2023年はいつ?七十二候や季語、食べ物、風物詩は?というテーマでご紹介します。
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白露とは?
白露とは、太陽の動きを元に1年を24等分の季節に分けた二十四節気における15番目の節気です。
読み方は「はくろ」、意味は「夜中に大気が冷えて、白い朝露が草木に宿る頃」を表しています。
江戸時代に作成・出版された暦の解説書「暦便覧」には…
「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」との記載があり、「涼しさ(寒さ)が加わり、露が輝いて白く見える」と解説されてます。※陰気=陽気(夏の暑さ)の対義語です
本格的な秋に向かう白露の頃になると、昼夜の寒暖差も大きく…
夜間に冷やされた空気中の水蒸気が結露して、朝露が降り始める頃を的確に表していますね!
また、二十四節気は旧暦最後となった暦法「天保暦」より、黄道上を通る太陽の視位置で日付を決める「定気法」を基準としています。
この定気法によると、白露は太陽黄経165度に達する瞬間を含む日と定義されています。
さらに、現在の新暦(グレゴリオ暦)とは異なり、白露は旧暦(太陰太陽暦)においては「8月前半の節気」という意味で「八月節」と呼ばれています。※節気=季節の変わり目や区分のこと
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白露2023年はいつ?
2023年(令和5年)の白露は9月8日(金)となっています。
日本の国立天文台(NAOJ)が発表している、太陽黄経165度に達する時刻は午前6時27分です。
日付は太陽の周りを公転する地球の位置や閏年(1日多い)の影響を受けるため、毎年固定ではありません。
2023年以降の白露を見ると「閏年の前年=9月8日、その他の3年=9月7日」というサイクルが長く続きますが、この法則性が崩れるのが2059年と予想されています。
(※正式決定は暦要項が発表される2月1日時点で「翌年のみの日付」になります)
白露2023年の期間はいつからいつまで?
白露は1年を24等分の季節に分けた二十四節気の1つなので、もともと期間を表しています。
2023年の白露の期間は9月8日(金)~9月22日(金)の15日間です。
次の中気となる「秋分」が9月23日(土)なので、その前日までとなります。
ちなみに、黄道十二星座の乙女座生まれの人は 8月23日~9月22日ですが、白露は乙女座の後半とほぼ重なっています。(※前半に当たる処暑は今年は8月23日~9月7日です)
白露の七十二候は?
七十二候とは、二十四節気のそれぞれの節気(中気)をさらに「初候・次候・末候」の3つの季節に分け、その頃の自然の様子を短文にして表したものです。
「24節気×3=72候」という計算式が成り立ちますが、それぞれの期間は約5日間と短いです。
【白露の七十二候と意味】※日付は変動するため、2023年限定です
★初候:9月8日(金)~9月12日(火)
草露白(くさのつゆ しろし)=草に降りた露が白く光る
★次候:9月13日(水)~9月17日(日)
鶺鴒鳴(せきれい なく)=鶺鴒(せきれい)が鳴き始める
★末候:9月18日(月)~9月22日(金)
玄鳥去(つばめ さる)=燕が南へ帰って行く
白露の七十二候には、自然現象の露の他、渡り鳥のセキレイやツバメが登場します。
短文の意味を知るだけでも、秋気の冷たさを感じ始める季節だとわかりますよね。
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白露はいつの季語?
俳句などを作る際、白露は仲秋の季語として使用します。
二十四節気(旧暦)における秋は三秋(初秋・仲秋・晩秋)という3つの季節に分けられ、以下3種類の節気と中気(合計6種類)で構成されています。
季節 | 三秋 | 二十四節気 | 期間 | |
---|---|---|---|---|
秋 | 初秋 | 13 | 立秋 | 8月08日~8月22日 |
14 | 処暑 | 8月23日~9月07日 | ||
仲秋 | 15 | 白露 | 9月08日~9月22日 | |
16 | 秋分 | 9月23日~10月07日 | ||
晩秋 | 17 | 寒露 | 10月08日~10月23日 | |
18 | 霜降 | 10月24日~11月07日 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準とします
※期間は2023年限定です
上記グラフを見ると一目瞭然ですが、白露は仲秋の前半の節気に当たります。(※後半の中気は秋分です)
使用時期は仲秋の期間内で問題ありませんが、仲秋の季語と理解した上で使いましょう!
旧暦に基づくと仲秋は秋(7月・8月・9月)の真ん中の8月のことで、異称として和風月名の「葉月(はづき)」が有名です。
新暦と旧暦の季節感には1~2か月ほどのズレが生じますが、基本的に季語は旧暦に基づいて使用されることも覚えておきたいですね。
ちなみに、露や鶺鴒は秋(三秋)全体、燕は春の真ん中に当たる仲春の季語です。
白露に旬を迎える食べ物は?
白露の頃は残暑が長引くこともありますし、朝晩は予想以上に空気が冷たかったりしますよね。
9月上旬頃から涼しくなったのに体調不良を起こすことを、最近では「秋バテ」と呼んでいます。
白露の頃には旬を迎える食べ物が豊富なので、しっかり栄養補給して健康維持に努めたいですね!
ここでは、旬の魚介、野菜、果物をまとめています。
【魚介】
サンマ、アジ類、サバ類、マイワシ、タチウオ、ブリ(イナダ)、カンパチ、ヒラマサ、戻りガツオ、ハガツオ、コハダ(コノシロ)、マガレイ、イシガレイ、ヤナギムシガレイ、マコガレイ、イトヨリダイ、イシダイ、イシガキダイ、フエダイ、ナミフエダイ、クロホシフエダイ、キジハタ、子持ち鮎、マダコ、コウイカ、ヤリイカ、スルメイカ、ケンサキイカ、アワビ、ムール貝、エゾボラ、毛ガニ、花咲ガニ、アサヒガニ、ヨシエビ、サルエビ、ゾウリエビなど。
【野菜】
サツマイモ、松茸、舞茸、椎茸、本シメジ、ニンジン、里芋、白タマネギ、エシャロット、ラディッシュ、蓮根、トマト、キュウリ、秋茄子、ズッキーニ、ゴーヤ(苦瓜)、冬瓜、ピーマン、パプリカ、唐辛子、獅子唐、オクラ、莢インゲン、ササゲ、枝豆(大豆)、千石豆、ナタ豆、ツルムラサキ、空心菜、ツル菜、スイスチャード、パクチョイ、陸海苔、モロヘイヤ、セロリ、マコモダケ、食用菊、銀杏、生姜、茗荷、バジル、パセリ、レモングラス、タイム等。
【果物】
ブドウ(マスカット類を含む)、梨、洋梨、イチジク、ザクロ、プルーン、カリン、スモモ、リンゴ、柿、栗、マルメロ、ナツメ、クランベリー、グミ(茱萸)、スターフルーツ、ミカン、レモン、ライム、スダチ、カボス、柚子、シークワーサーなど。
白露の風物詩といえば?
最後に、白露の頃の季節の風物詩をご紹介しますね。
秋が本格化するお彼岸に向かう時期なので、目にする風景も少しずつ様変わりしていきます。
- 秋の花(コスモス、チョコレートコスモス、菊、ダリア、彼岸花、竜胆、鶏頭、金木犀、水引、ホトトギスなど)
- 秋の七草(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ)
- 秋の雲(イワシ雲、サバ雲、ウロコ雲、ヒツジ雲)
- 秋の虫(コオロギ、スズムシ、マツムシ、キリギリス、クツワムシ、トノサマバッタなど)
- 重陽の節句(菊の節句=9月9日)
- 二百二十日(例年9月11日頃)
- 八朔(旧暦8月1日:2023年は9月15日)※八朔祭りも有名です。
- 台風
- 秋雨(秋の長雨とも)
- 秋の彼岸入り(例年9月20日頃)
早い所では紅葉の見頃を迎えますので、白露の時期は徐々に秋が深まり行く季節です。
次の中気「秋分」に入ると、秋真っ只中という印象ですね!
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白露とは?2023年はいつ?七十二候や季語、食べ物、風物詩は?のまとめ
- 白露とは1年を24等分の季節に分けた二十四節気における15番目の節気
- 「夜中に大気が冷えて、白い朝露が草木に宿る頃」を意味する
- 天文学に基づく定気法では太陽黄経165度に達する瞬間を含む日
- 2023年の白露は9月8日(金)で、正確な時刻は午前6時27分
- 期間は9月8日(金)~9月22日(金)の15日間
- 七十二候は初候「草露白」、次候「鶺鴒鳴」、末候「玄鳥去」
- 白露は仲秋の季語として使用する
- 行事食は無いものの、秋の味覚が美味しくなる頃
- 季節の風物詩から、秋が深まる気配を感じ取ることができる
二十四節気の白露の頃は台風が多く、秋雨前線により長雨が降ることもあります。
一方で、爽やかな秋晴れが続くことも多いので、余暇にレジャーを楽しむのも良いですね!
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