師走の候を使う時期はいつ?読み方と意味は?使い方の例文と結び!
師走の候とは、手紙などに季節感を与えるために用いられる時候の挨拶の1つです。
12月を連想させる言葉ですが、使う時期はいつ頃なのか確認しておきましょう!
読み方や意味を理解しておくと、誤用を招くような心配も無用です。
師走の候の使い方として私的な季節の挨拶状やビジネスレターの例文もまとめています。
文書等の締めくくりとなる「結びの挨拶」とセットで覚えておくと重宝しますよ!
そこで今回は、師走の候を使う時期はいつ?読み方と意味は?使い方の例文と結び!というテーマでご紹介します。
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師走の候を使う時期はいつ?
師走の候を使う時期は、例年12月1日~12月20日頃が目安となります。
以下に、旧暦の冬に関する二十四節気表をまとめていますので、確認してみましょう!
季節 | 二十四節気 | 旧暦月 | 新暦初日 | ||
---|---|---|---|---|---|
冬 | 初冬 | 19 | 立冬 | 10月節 | 11月7日頃 |
20 | 小雪 | 10月中 | 11月22日頃 | ||
仲冬 | 21 | 大雪 | 11月節 | 12月7日頃 | |
22 | 冬至 | 11月中 | 12月22日頃 | ||
晩冬 | 23 | 小寒 | 12月節 | 1月5日頃 | |
24 | 大寒 | 12月中 | 1月20日頃 |
※二十四節気の順番は立春(1番目)を基準としています。
二十四節気(旧暦)の冬は「初冬・仲冬・晩冬」の3つの季節(三冬)に分けられています。
その中で、師走の候を使う時期は初冬の終盤~仲冬の前半の間になります。
使い始めは、立春から数えて20番目に巡ってる中気「小雪」の中頃にあたる12月1日。
使い終わりは、同じく21番目に巡ってくる節気「大雪」の最終盤にあたる12月20日頃です。
12月21日頃までは「大雪」、22日頃からは次の中気「冬至」を迎えますが・・・
この頃になると「歳末の候」など、もっと年の瀬を意識した時候の挨拶が使われています。
つまり、師走の候を使う時期は12月上旬~中旬が目安で、下旬はあまり向いていないようです。
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師走の候の読み方は?
師走の候の読み方は「しわすのこう」です。
漢語調の時候の挨拶は漢字の部分を音読みにすることが多いです。(※一部例外もあります)
師走の語源には「師馳(しは)す」「年果つ(としはつ)」の他、様々な説があり…
出どころがハッキリとしていないため、訓読みでもなく当て字に分類されています。
また、「候」は「そうろう」「さぶら(う)」「うかが(う)」「ま(つ)」といった訓読みもありますが、時候の挨拶では音読みで「こう」とします。
師走の候の意味は?
師走の候は「今年も1年最後の師走を迎えましたが…」という意味です。
そもそも師走とは、前述した通り、新暦においても12月を表す言葉として浸透しています。
季節のイメージとしては・・・
- 1年最後の節目の月
- 最も多忙な時期
- 慌ただしい年の瀬が迫ってくる
- 冬の寒さが増していく
- お歳暮の時期
- 13日に正月事始めを迎える
- クリスマスも近い
- 終盤は年末年始の休暇に入る
- 正月を待ちわびる頃
などが挙げられます。
寒さが身に沁みたり、多忙を極めたりする一方で、楽しい行事・イベントも増える時期ですね!
師走の候には「1年最後の慌ただしくも賑やかな季節」といったニュアンスも含まれています。
また、「候」は暑さ寒さといった気候や天候、季節特有の自然現象が見られる頃を意味します。
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師走の候の使い方の例文と結び!
では、師走の候の使い方の例文をご紹介します。
私的な季節の挨拶状とビジネスレターに分けてまとめていますので、結びの挨拶とともに参考にしてくださいね!
漢語調の時候の挨拶の前提として「師走の候」「師走の折(おり)」「師走の砌(みぎり)」のどれを使ってもOKです。
口語調(和文調)の挨拶よりフォーマルな印象で、主に改まった相手に使用される傾向もあります。
私的な季節の挨拶状の例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 師走の候、皆様お元気でお過ごしのことと存じます。
- 拝啓 師走の候、皆様ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- 謹啓 師走の候、皆様にはいよいよご清適のことと拝察し、お慶び申し上げます
- 謹啓 師走の候、ご家族様にはますますご健勝の趣慶賀の至りに存じます。
- 謹呈 師走の候、ご一同様におかれましては益々ご清福の御事大慶に存じます。
師走の候だけで季節感は伝わりますので、続いて相手の健康を祝う言葉を入れておきます。
「皆様におかれましては」の省略形「皆様」「皆様には」は問題なく使えます。
【結び】
- 寒さ厳しき時節柄、くれぐれも御体大事にお過ごしください。敬具
- 初雪のみぎり、お風邪などめされませんようご留意ください。敬具
- 寒気の折、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。拝具
- 本年中はご指導ご鞭撻を賜り、誠にありがとうございました。よいお年をお迎えください。敬白
- 今年もいろいろとお世話になりました。皆様おそろいで幸多き新年をお迎えください。かしこ
結びの挨拶には相手の健康を気遣う言葉を入れておくのがマナーです。
その他、今年1年の感謝を伝えたり、相手の幸福を祈るような文章もオススメです。
また、冒頭の頭語と最後の締めくくりとなる結語の組み合わせは以下の通りです。
頭語 | 結語 | |
---|---|---|
一般的な例 | 拝啓・拝呈・啓上・啓白 | 敬具・拝具・敬白・かしこ(女性のみ) |
改まった例 | 謹啓・謹呈・恭敬・粛啓 | 謹言・謹白・敬具・敬白・頓首・かしこ(女性のみ) |
(※同じ行であればどの組み合わせでもOKです)
一般的な頭語の「拝啓」でも、相手への敬意は十分伝わります。
ただ、より丁寧な印象にしたいという場合、「謹啓」「謹呈」などを使うとよいですね!
ビジネスレターの例文と結び
【書き出し】
- 拝啓 師走の候、貴社ますますご繁益のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 師走の候、貴店いよいよご盛栄ことと拝察し、お慶び申し上げます。
- 啓上 師走の候、貴社にはますますご隆昌の由承り、大慶に存じます。
- 謹啓 師走の候、貴店におかれましてはいよいよご清栄の段慶祝の至りに存じます。
- 粛啓 師走の候、貴社におかれましては益々ご盛業のことと拝察し、お慶び申し上げます。
ビジネスレターでは相手の会社やお店の敬語「貴社・貴店」を使用します。(銀行は貴行)
「~のことと」の代わりとして「~の由」「~の段」「~の趣」「~の御事」なども便利です。
【結び】
- 来年も尚一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。取り急ぎ、ご挨拶まで。敬具
- 来年も倍旧のお力添えを賜りますよう、慎んでお願い申し上げます。取り急ぎ、ご報告とお礼まで。敬具
- 明年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは、書中にてご通知申し上げます。敬白
- 新雪の折、貴社ますますのご隆盛を社員一同衷心より祈念致します。略儀ながら、書中にてご報告申し上げます。拝具
- 大雪の候、皆様のご健勝とご活躍を弊社一同心よりお祈り申し上げます。まずは、書中にてお礼かたがたご挨拶申し上げます。謹白
結びには「相手の会社のさらなる発展」や「今後の支援」を祈願する言葉を入れておきます。
今年最後のご挨拶という場合、「皆様よいお年をお迎えください」なども使えます。
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師走の候を使う時期はいつ?読み方と意味は?使い方の例文と結び!のまとめ
- 師走の候を使う時期は例年12月21日頃~12月31日(大晦日)が目安
- 12月全般に使っても問題はない
- 読み方は「しわすのこう」
- 意味は「今年も1年最後の師走を迎えましたが…」
- 「1年最後の慌ただしくも賑やかな季節」というニュアンスを含む
- 漢語調の時候の挨拶は主に改まった相手に使用される
師走の候は、1年最後の節目にあたる12月中に使う時候の挨拶です。
日頃からお世話になっている方への季節の挨拶状や、お歳暮の送り状や添え状などにもご活用くださいね!
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